女子中学生の髪を切ったら不登校 甲府市に賠償判決

以前、大阪の高校で校則により生徒の髪の毛を黒く染める(生まれつき茶色の髪でも)扱いが問題になり、訴訟にまで発展しました。外国からの留学生に対しても例外なく金髪を黒く染めるよう指導しているという、狂気の沙汰です
外国の人権団体が知ったら、大阪でデモをやるでしょう
残念ながら松井大阪府知事もこの校則を問題ないと容認しており、頭の中が「コチコチの保守派のジジイ」であると明らかにしています
大阪の公立高校ではアフリカ系の高校生に対し、肌を白く染めろと強要するのでしょうか?
髪の毛の色は校則で縛るが肌の色は問題視しないとなれば、校則が単なる偏見にすぎないと言わなければなりません(ヤンキーな高校生が髪の毛をキンキンにしていた時代の名残、でしょう)
生まれつき障害があったり病気のため車椅子を使用している生徒に対し、「学校内で車椅子の使用は認めない。自分の足で歩け」と強要しているも同然です
さて、今度は山梨県の中学校の話です。女生徒の髪を教員が切ったとして裁判になり、甲府地裁の女性裁判官が「女子中学生にとって髪は大事。教師が逆らえない立場にある生徒の髪を、保護者の了解も得ずに切ったのは不適切」だと判断し、甲府市に賠償を命じる判決を言い渡しています
女性の裁判官ならではの配慮が感じられる判決です。男性裁判官ならこうした配慮ができたかどうか?


山梨県山梨市立中学で教諭に髪を切られ精神的苦痛を受けたなどとして、元女子生徒(19)が同市に約770万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11月30日、甲府地裁であった。鈴木順子裁判長は「保護者に髪を切ることの確認を怠った。方法や対応も適切とはいえない」などとして市に11万円の支払いを命じた。
判決によると2016年6月7日、中学2年だった元生徒は母親に髪を切ってもらったが、毛先がはねるなどした状態だった。翌日、学校で女性教諭に、母親から教諭に髪を整えてもらうよう言われたと伝えた。教諭は、廊下で工作用のはさみを使いカットしたが、保護者に確認をしなかった。その後、元生徒は同級生から髪形について「キモい」などと言われ、帰宅後、母親に「泣きたい」などと訴え、翌日から不登校になった。
鈴木裁判長は元生徒の同意があったことは認めたが、廊下でカットしたことなどは「自尊心が傷つけられる可能性のある方法で不適切」と指摘。女子中学生にとって髪は重大な関心事で、一般的に、中学生が教師に逆らえない立場であることなどを考慮すれば「保護者に事前に確認する必要があった」とした。
(毎日新聞の記事から引用)


もちろん、学校の教師の側にも言い分はあったのでしょう
しかし、「生徒の髪を保護者の了解を得ないまま教師が切ったのは傷害に当たる」(髪は体の一部という考え)とする判例が過去にあるわけで、教育現場に立つ教師なら知っておくべき判例です
さて、上記の件はかなり複雑な経緯があり、ここで簡単に述べるのは困難です。不登校になった女子生徒は外国人の夫と日本人の母親の間に生まれたハーフであり、それゆえ中学校ではいじめの対象にされた事情もあります。田舎の中学校ですからハーフの生徒へのやっかみ、反発、ねたみが背景にあったのでしょう。また、女子生徒には発達障害があり、周囲とのコミュニケーションに難がありました
文春オンラインがその辺りの取材して記事にしていますので、関心のある方は一読願います

「腸が煮えくり返る気持ちに…」山梨県“女子中学生髪切り事件”の被害者が思いを明かした

こうした事案を見るにつけ、「おかしなものはおかしい」と声を上げる大切さをしみじみ感じます。甲府市教育委員会は裁判になる前に、和解に応じられなかったのかと思ってしまいます。生徒や保護者の言い分より、教師たちの「自分たちは正しい対応をした」との言い分に耳を傾けた結果でしょう
教師や教育委員会が学校を自分たちのものだと思い込み、児童や生徒と保護者を無視して好き勝手をしているのを見るにつけ、外部に置かれた我々が声を上げ、改善を要求し続けなければ何も変わらないのでしょう
公教育は教師のためにあるのではなく、教育委員会のためにあるのでもなく、国民のためにあるのですから

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