元SKE48メンバー山田樹奈　一億総アイドル時代の終焉とか: 夾竹桃日記

2021年12月07日

元SKE48メンバー山田樹奈　一億総アイドル時代の終焉とか

投資詐欺の勧誘役だった元SKE48メンバーの山田樹奈は執行猶予４年の判決を受けていますが、主犯格の男たちの判決はこれからです。いまさら山田元被告を批判するつもりはないのですが、投資詐欺によって多額の被害を被る人がいるわけで、その罪は決して軽いものではありません

ローンを組んでインチキ投資に出資してしまった場合、例え詐欺であると判明してもローンの支払いは残るのであり、免責されて支払わずに済むという具合にはならないのです

さて、日刊ゲンダイがこの事件について、「一億総アイドル」時代の終焉だとするピンぼけの記事を書いていますので取り上げます

アイドルの浮き沈みから何やら社会学的な考察でもしたいのか、と匂わせるような書き方をしているのですが、結論は平凡すぎでした

AKBグループの派生SKE48の元メンバー山田樹奈（23）が詐欺罪などに問われ、懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡された事件は「一億総アイドル」時代の終焉を告げる象徴的な出来事ではないか。

（中略）

「山田樹奈は中学生でオーディションに合格、SKE48の6期生としてステージに立っていましたが、6回立候補したAKB選抜総選挙はすべて圏外。19年に卒業後もSNSなどで発信を続けてはいたのですけど、ソロで仕事が来るほどの人気も実力もなく、表舞台から消えていった。148センチと小柄ながら、頑張ろうとピョンピョン跳びはねていたのを覚えています」（週刊誌芸能担当記者）

■「世の中のことがよく分からないまま詐欺グループに…」

「アイドルをやっており、社会経験がありません。世の中のことがよくわからないままに、詐欺グループに入っていました」と、山田は被告人質問で語ったそうだ。AKB48が大人気だった頃、派生グループがいくつも生まれ、また同様の美少女アイドルグループやらインディーズ、地下アイドル、自称アイドルまで出てきて、一億総アイドル時代とも呼ばれていた。SKE48は名実ともにトップクラスだが、その元メンバーの山田でも、アイドルを辞めた後の第2の人生は容易ではないことがわかる。

「若い頃にアイドル活動に専念したことで、引退後に社会で仕事を探しても選択肢が限られるうえ、アイドルとしてのキャリアも一般社会では何のプラスにも働かず、潰しがきかない。そう訴える元アイドルたちは少なくありません。20代にして燃え尽きたり、スポットライトが忘れられず、いつまでもアイドルであり続けようとしたり、メンタルケアの必要性を求める声もある。誰もが時代の犠牲者といえます」（前出の週刊誌記者）

一方で、引退後も道を切り開いているアイドルも存在する。SKEでも、松井玲奈のように卒業後も女優として活躍したり、AV業界に転身して絶大な人気を誇る三上悠亜のようなケースも。またSKE48チームEの元リーダー梅本まどかはモータースポーツのラリー競技に挑戦、「コ・ドライバー（ナビゲーター）」として全日本ラリー選手権に参戦するなど多様な人材を輩出してもいる。

山田樹奈は現在、まっとうな仕事を見つけて働いているという。アイドルになれると夢を見た少女に罪はないはず。夢につけ込んだ大人こそ断罪されるべきだろう。

（日刊ゲンダイの記事から引用）

夢につけ込んだ大人が悪い、との結論にはがっかりさせられます

山田元被告がグループを卒業した時点で成人に達していたのですから、「夢見る少女」と呼ぶのはどうかと思ってしまいます

卒業を意識した時点で芸能事務所からの誘いもなく、卒業後に芸能活動継続は難しいと見当はついていたはずであり、どうするのか方向が定まらないまま卒業したというのが実際でしょう

芸能人として利用価値があるなら芸能事務所が面倒を見ますが、そうでなければどう生きるかは本人次第であり、誰かが親切に手引してくれるわけではありません

ただ、元アイドルというプライドを捨てられたならコンビニエンスストアで時給千円で働きながら、「社会勉強してます」と言うのも可能であり、必ずしも路頭に迷う必要もないのです

売れなかったアイドルの悲哀、など昭和の時代からあったのであり、目新しい話ではありません。そこから社会を考察して批判したり、時代の趨勢を語るなど無理な試みでしょう。ちなみにプロ野球選手が入団早々クビになり、居酒屋や焼肉店の経営の乗り出して失敗する、というのも昭和の時代からあります

「一億総アイドル」時代などというのはメディアは振りまいた幻想にすぎないのであり、皆がそんな幻想に踊らされていたりはしません

アイドルになりたいと夢見るのは罪ではありませんが、なれなかった後の人生は自分で引き受けなければならないのであり、当たり前の話です

どこかの誰かが何とかしてくれるわけでなし

追記：主犯格である車館宙生被告に懲役３年、執行猶予５年の判決の判決が言い渡されています