岡山女児殺害事件を考える 無期懲役を求刑
20回を超える公判を重ねてきた勝田州彦被告の裁判も、ようやく論告求刑まで漕ぎ着けました。検察は無期懲役を求刑しています
求刑内容を報じた記事はいくつもあるのですが、産経新聞の記事では勝田被告の知能が限界級である(知的障害の一歩手前)と書かれていました。この事件の報道をあれこれ読んできたつもりでしたが、勝田被告が限界級であるというのは初耳でした
刑務所の受刑者の中では限界級というのは別段、珍しいものではありません。常習窃盗で刑務所を出たり入ったりする者の中には限界級の人たちも多い、というのが実情です。就労しても仕事の覚えが悪かったり、他の従業員のようにテキパキと作業ができなかったりで、離職し、生活のために盗みを働くというパターンがあります
また、女の子を襲い強姦する性犯罪者の中にも限界級の者がいます。大人の女性を口説いたりうまく付き合えないとの理由で、幼いこどもに手を出すケースです。勝田被告がそうだ、と断定するわけではなく、あくまで一般論と受け止めてください
岡山県津山市で平成16年9月、小学3年の女児=当時(9)=を刃物で殺害したとして、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた無職、勝田州彦(くにひこ)被告(42)の裁判員裁判が24日、岡山地裁(倉成章裁判長)で結審した。最大の争点は、捜査段階での「自白」の信用性だ。検察側は被告の供述を基に作成された被害女児宅の間取り図の正確性などを根拠に信憑(しんぴょう)性が高いと主張。対する弁護側は「秘密の暴露はない」と真っ向から対立している。
「噓をでっちあげ、ここまで話を大きくしてしまい大変後悔しています」。勝田被告は最終意見陳述でこう述べ、捜査段階で「虚偽自白」に及んだ自己の振る舞いを悔やんでみせた。
検察側は、その「虚偽自白」の内容が、実は具体的で客観的事実との一致も多いとして、真実の自白だと訴える。
その一例が女児宅の間取り。玄関に向かって左側に駐車スペースがあり、ドアノブは回すタイプ。事件現場の8畳居間は玄関の右側にあり、居間の窓からは高速道路の土手が見える-。こうした被告の説明は、実際の女児宅と整合しているという。
さらに被告は「玄関に入って(女児に)時間を尋ねると、居間にある時計を見に行った」と経緯を語ったが、女児の母親の証言ではこれも女児の習慣と合致。「作り話と偶然一致したとは考えられず、被告が犯人でなければ説明は困難」と信用性の高さを強調した。
一方、弁護側は最終弁論で、供述内容の多くは被告の逮捕前にテレビなどで明らかになっていた事実だとして、犯人しか知りえない秘密の暴露には当たらない、と反論した。女児宅の外観や間取り、下校経路も報道で公になっており、事件に興味を持った被告は特集番組を録画して見返し、インターネットでも情報を集めていたと主張した。
また「虚偽自白」の動機について被告が「警察官へのサービス」と法廷で語ったことも、被告の知能指数(IQ)が知的障害との境界にあることを考慮すれば不自然ではない、とした。
さらに、被告のDNA型と一致するような物的証拠がないことも指摘。自白のみをもって有罪とすることを禁じた憲法の規定に照らし「被告は無罪だ」と改めて述べた。
「自白」は真実か、作り話か。判決は来年1月6日に言い渡される。
(産経新聞の記事から引用)
大阪刑務所に服役していた勝田被告は岡山の女児殺害をほのめかす内容のはがきを岡山県警に送り、取り調べのため岡山刑務所へ移送されます。そこで最初こそ、犯行を自供する供述をしていたのですが、途中から供述を翻し「やっていない」と主張します
供述を翻した理由として、勝田被告が死刑になるのを恐れたから、との見方があります
被害者が1人の事件ではよほどの事情・事由がない限り死刑判決はないのですが、勝田被告が死刑を恐れていたとすれば、限界級の知能しかなく理解力が不足していたためという推測もできます。勝田被告が「自分はひょっとして死刑になるかもしれない。まずい」と思い込んでしまったのなら、誰が説得しようとも態度を変えなかったのかもしれません
限界級の知能の人たちをバカにしたり揶揄するつもりはありませんが、彼ら彼女らがかなり頑固で思い込みが強いのは事実です
さらに自分が追い詰められた状況になると、後先考えずにウソをついて逃れようとする行動も彼ら彼女らの特徴の1つです
勝田被告が最初に自供を始めた段階では、任意の自供であり、ウソをついて警察を騙そうという意図はなかったものと考えます。後で「死刑になるかもしれない」との恐怖心に駆られ、否認し続けたのではないか、というのが自分の仮説です
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