岡山操山高野球部員自殺 部監督は停職3カ月処分
学校の教員は生徒の安全に責任を持たなければなりません。ましてや生徒を叱責し自殺に追い込むなど、やってはならない行為です
しかし、岡山県教育委員会は野球部のマネジャーだった男子生徒に理不尽な叱責を加え、自殺に追いやった野球部監督の教師を「停職3カ月」という軽微な処分で幕引きを図っています
生徒の命より教員の身分、待遇の方が大切だと考えているのでしょう。しかも生徒の自殺から9年もほったらかしにしておいて、今になってようやく原因調査をした結果がこれです
岡山県立岡山操山高校(岡山市中区)で2012年、野球部マネジャーだった2年の男子生徒(当時16歳)が自殺した問題で、県教委は19日、当時の野球部監督だった男性教諭(45)を停職3カ月の懲戒処分とした。当時の野球部長や県教委の担当職員らも厳重注意などの処分にした。
県教委によると、教諭は日常的に「殺すぞ」などの暴言やパイプ椅子を振り上げるなどの体罰を繰り返し、自殺した生徒にも激しく叱責していた。こうした行為を「教員という立場を利用したハラスメント」とし、「生徒の自殺という重大な結果になったことを踏まえ総合的に判断した」と処分理由を説明した。教諭は「深く反省している」と話しているという。
当時の野球部長ら3人については「監督に任せきりにし、不適切な指導を抑止することができなかった」とし、県教委の担当職員4人は「指導や調査が不十分で、遺族が求める第三者委設置に向けた努力を怠った」などとした。
処分を受けて、生徒の両親は「処分のあまりの軽さに驚いている。息子を死に追いやった体罰やハラスメント、私たちを9年以上も苦しめてきた県教委や学校の保身行為に対する第三者委判断との問題意識の違いの表れと感じている。私たちは関係職員の処分を再発防止の一環であると考えているが、この程度の処分であれば、今後の再発は避けられないと感じている」とのコメントを発表。また、県教委が当時の校長や教育長らが既に退職していることから処分の対象外としたことについて、「退職すれば在職中の行為の責任は問われないという悪しき事例となることから、断じて許されざる判断であると感じている」とした。その上で「どうして今回のような処分になったのか、県教委に詳しい説明を求めたい」とした。
県教委は当初の調査で自殺の原因を「不明」としたが、両親は独自の聞き取りにより教諭の言動を問題視し、第三者委による調査を繰り返し要望。自殺から6年後の18年8月にようやく調査が始まり、今年3月、「自殺の原因は野球部監督の激しい叱責」とする報告書がまとめられていた。
(毎日新聞の記事から引用)
当ブログで以前に取り上げた、大阪の桜宮高校における体罰事件ではバスケットボール部の顧問をしていた教師を懲戒免職処分にし、さらに大阪市が遺族に支払った賠償金のうち4300万円をこの教師に支払うよう訴訟を起こしています
ここまでやらないと教師による体罰はなくならないと考えたからでしょう
本来、安全な学びの場である学校で、教師が生徒を自殺に追い込むような行為をしてはいけない、と考えるなら、教師の責任を厳しく問う必要があります
岡山県教育委員会の、お茶を濁すような対応は論外です
野球部監督の教師を懲戒免職処分にしたなら、校長も監督責任を問い厳しい処分にしなければなりません。隠蔽を図った教育委員会の人間も同様に厳しい処分となります。それが嫌なので、軽微な処分で済ませておこう、という保身のなせる技でしょう。記事にも書かれているように、当時の校長や教育長が既に退職しており、いまだ現職にある者だけが厳しい懲戒処分を受けるのは納得できない、との言い分もあるのでしょう
しかし、生徒の命より自分たちの保身を優先させる限り、教育現場は何も変わらないのであり、教師の言動によって自殺に追い込まれる生徒が出るのは避けられないでしょう
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