髪の黒染強要 違法性なく学校の裁量と判決

大阪府立懐風館高校で生徒(生まれつき髪の色が茶色)に髪を黒く染めるよう強要した結果、生徒が不登校となった問題では、一審である大阪地裁が「校則は学校の裁量で決めるものであり、指導に違法性はない」との判断を示し、生徒側が敗訴しています
控訴審でも一審同様の判断が示されました
大阪府の公立高校では、外国から受け入れた留学生に対しても、「金髪はダメ。黒く染めないと授業には出席させない」と指導していたのだとか
民族、人種の多様性を認めようとしない硬直ぶりに呆れます。アフリカ系の留学生が来たら、「肌が黒いのはダメだから白く染めろ」とでも指導するのでしょうか?
また、裁判所がそんな偏狭な学校の指導を裁量の範囲内と容認したのですから、驚きです。今の時代に何を考えているのやら


生まれつきの茶色の髪を黒く染めるよう学校に強要され不登校になったとして、大阪府立懐風館高校(同府羽曳野市)の元生徒の20代女性が府に約220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。本多久美子裁判長は「(学校教育の)裁量の範囲を逸脱しない」として、頭髪指導に違法性はないとした1審大阪地裁判決を支持し、女性の控訴を棄却した。
1審判決は教員らの黒染め指導について、「生来の髪色が黒色だとする合理的な根拠に基づいていた」と認定。一方、不登校後の対応には一部違法性があったとして、府に33万円の賠償を命じていた。
高裁の判決理由で本多裁判長は、学校が多様な生徒に指導するためには「広範な裁量が認められなければならない」と指摘し、1審同様に黒染め指導の違法性は認めなかった。ただ、「規則を守らせること自体が目的化していないかなど、指導のあり方を常に検証する不断の努力が求められる」と述べ、学校側の対応にも注文をつけた。
平成27年に入学した女性は訴訟で、地毛が茶色であるにもかかわらず学校から繰り返し黒染めの指導を受け、精神的な苦痛で不登校になったと主張。髪形や服装などを厳格に定める「ブラック校則」の是非をめぐる社会的な議論のきっかけにもなっていた。
判決後に取材に応じた女性側の代理人弁護士は「こちらの主張には触れられておらず、1審通りの乱暴な事実認定による判決で残念。教育(に認められる)裁量は生徒の利益のためであって、教師の免責のための理屈ではない」と話した。
大阪府教育庁は「学校と生徒、保護者との間で信頼関係を構築できず、訴訟となったことを残念に思う。今後とも子供が安全安心に過ごせる学校づくりに取り組む」とコメントした。
(産経新聞の記事から引用)


この髪の黒染強要問題がメディアで報じられた際も、大阪府教育庁は自分たちの対応は適切であると主張していました。その後、教育長が会見し、「校則が適切か、保護者や地域住民らを交えた学校協議会などの意見を聞きながら点検するよう、全府立高に指示する」との方針を明らかにしていました
しかし、上記の記事の末文にある大阪府教育庁のコメントを読むと、「校則を定めるのは学校の責任であり、保護者や生徒の意見など聞く必要はない。学校づくりは我々の仕事であって、保護者や生徒の介入はお断り」と言ってるも同然です
教育行政は自分たちのものだと思い込み、周囲の意見に耳を傾ける気などないのでしょう
当ブログで取り上げた過去の報道を読めば、大阪府教育庁が例外を認めず、どのような事情があろうとおかまいなしに髪の毛を黒く染めろと強要しているのは明らかです
日本人でも遺伝子の変化によって赤い髪をもつこどもが生まれる場合があるわけですが、それでも大阪府教育庁は「黒く染めろ」と強いるわけです。黒く染めさせすれば何も問題ないと
頭がどうかしているのではないか、と思ってしまいます

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