藤沢ストーカー殺人(昭和57年) 藤間静波死刑囚

甲府市で放火殺人事件があり、犯人として長女と同じ高校に通っていたとされる19歳の少年が逮捕されています
犯行動機を含め事件の詳細はまだ不明なので、あまり憶測ばかり書くのはどうかと思いしばらくは様子見です
この事件は放火と殺人、殺人未遂であり、未成年者でも死刑を求刑される可能性があります
犯行時に19歳で死刑判決を受けた人物としては、2017年に死刑が執行された関光彦死刑囚がいます。当ブロブでも以前、取り上げましたので関心のある方は下記の(関連記事)からアクセス願います
さて、関光彦死刑囚とは違う事件ですが、ストーカーのように交際相手の女性につきまとい、交際相手とその妹、母親の3人を殺害して死刑となった藤間静波死刑囚を取り上げます
「静波」とは随分と変わった、風流な名前です。しかし、その人物像は名前とは真逆の軽薄で激情家で残忍な男です
事件の概要を書くだけで長くなりますので、まとめサイトを参照してください


【藤沢母娘殺人事件】犯人(藤間静波)の生い立ちから死刑執行まで真相まとめ


藤沢で母娘殺害事件が1982年(昭和57年)であり、その前の1981年にも窃盗仲間だった人物(20歳)を藤間死刑囚は殺害しています。そしてまとめサイトの記事にもあるように、藤沢の母娘殺害事件にも同行した少年をも殺害しており、合計5人を殺害してわけです。この時点で藤間被告は21歳でした。ちなみにこの2人の男性は藤間の少年院仲間です
少年院仲間だからといって固い絆で結ばれているはずもなく、いざとなれば反目しあい、警察にチクられるのを恐れて殺す関係です
藤間死刑囚は新潟少年院、小田原少年院、そして久里浜少年院と、中学卒業から本件犯行に至るまでの間に3度、少年院に収容されており、それでも驕慢な性格は改まらなかったのでしょう
藤沢母娘殺害では一目惚れした少女にのぼせ上がり、フラれたのを逆恨みして自宅に乗り込み3人を殺害するという凶暴さが際立っています
まとめサイトでは「親の愛情が欠けたゆえの犯行」だと決めつけているわけですが、それだけではない気がします。事件当時、あるいは死刑判決後に多くの有識者が藤間死刑囚に言及し、「親の愛情不足が招いた事件」と指摘する声が多かったので、まとめサイトもその流れで書かれているのでしょう
福島章教授は読売新聞で、「子供は母親の叱り方が『見捨てるぞ』と脅すような厳しいものだと安心して母親に甘えることができず、Fの場合は本来は十分に満たされれば消えていくはずのその甘えが満たされないまま残ってしまったのだろう。Fによる犯罪は家庭内暴力の延長線上にあるといえる」とコメントしています
しかし、人命の軽視や短絡的な思考など、単に親の愛情不足が藤間死刑囚のような凶悪な人格を形成したとは思えません
藤間死刑囚は一審の横浜地裁の裁判から最高裁で死刑判決が確定するまでの間、奇矯な言動を繰り返し自殺未遂もあり、「電波に操られている」とか、「舎房の中に電波が侵入してくる」といった妄想も口にしています。有罪を認めており、早く死刑になりたいと繰り返していたところから、死刑を免れるために詐病を演じていたとは考えられないのであり、藤沢事件以前から統合失調症の症状を抱えていたのではないか、と疑いたくなります
ともあれ、21歳になるまで5人を殺害し、3度少年院に入るという、犯罪をするために生まれてきたような藤間死刑囚の人生は、本人も周囲の人も傷つけ不幸にする負の塊みたいであり、「どうしてそこまで」と思うばかりです

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