「論破したがる人は頭が悪い」のか?
橋下徹やひろゆきのように相手を論破し、やっつけるスタイルが人気を博した理由、原因はいろいろあるのでしょうが、それを究明するのが狙いではありません
政治家にとって重要なのは新聞記者や政敵を論破することではなく、有権者を納得させたり、国会議員同士で合意を形成して法案成立に必要な多数を確保することなのでしょう
つまりは反対意見を抱く人、懐疑的に見ている人、賛否をためらっている人をどう説得し、味方につけるかが重要です
「SPA!」掲載の記事に、東大生が「“すぐに論破したがる人”は頭が悪すぎる」と考える理由、と題した記事がありましたので取り上げます
東大生が「“すぐに論破したがる人”は頭が悪すぎる」と考える理由
東大生が「論破ブーム」に抱く違和感
皆さんは日常の中で「論破」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 最近ではYouTubeのみならず、テレビ番組などでもこの言葉が取り上げられています。
こうした番組では「論破=相手の意見を封殺して倒すこと」と思われているようです。
ですが、実はこの「論破」の用法は間違っています。
これは論破ではありません。ただのいじめやマウンティングです。
適切な議論が行われていないなら…
なぜなら、これらの「論破」は、議論という重要なプロセスを経ていないからです。議論を経て、相手の説を破ることを論破というのであって、適切な議論がなされていないなら、それは「ただの子供のケンカ」と呼ぶのが相応しいでしょう。
東大生はこのような間違った「論破」をしません。それは、大学の授業やゼミナールなどで、議論について徹底的に学ばされるためです。一方的に相手の意見を封殺することは、議論ではないということを知っています。
今回はYouTubeやテレビにはびこる「間違った論破」についてお伝えします。
議論のゴールは「相手に勝つこと」ではない
そもそも、議論とはただの口げんかのことではありません。反対意見を持った人たちが集まれば、自然と議論になるわけではないのです。
議論とは、異なる意見を持った人々同士が話し合いを経て、双方の妥協点を探っていくこと。議論のゴールは「相手に勝つこと」ではありません。あくまで「お互いに納得すること」です。
なので、どちらかが明らかにおかしいことを言っている場合には、議論が成立しません。
たとえば、どちらか一方が「1+1=3である」というような、明らかに間違ったことを言っている場合、これは議論にならないわけです。
お互いの合意を得るためにやるべきこと
また、一方的に相手方の意見を批判して、強制的に試合終了とするのもまた議論ではありません。相手方との対話、話し合いという議論の本質を無視する行為だからです。
議論をする場合、必ず「双方ともに」それぞれの利点や批判点、それに対する反論を行うことが必要になります。これは議論をフェアに進行していくためです。
両者がともにいい点、悪い点を比較、検討することで、最終的なお互いの合意を得ることができます。
(以下、略)
合意形成と説得、あるいか懐柔という手法を東京大学が教えているのかどうかは不明ですが、おそらくゼミなどの討論の場では論破より重視されているのかもしれません
学校へ行かないと宣言している少年革命家ゆたぼんは、残念ながら合意形成や説得といった手法を学ぶ機会がないまま、学校教育をひたすら批判する論破王の道を歩むのでしょう。それもまた選択です
実社会においても合意形成と説得が重視されるのは言うまでもなく、むしろ論破しようとする人間は場を乱す者という扱いを受けます
エンターティメントとして「朝まで生テレビ」のような番組は議論の場ではなく、考えの違い者同士が主張をぶつけ合い、ヒートアップする様を見せようと仕掛けが施されたものであり、出演者が興奮すればするほど見ている側も盛り上がるという計算に基づいています
そこでは相手を論破するような強烈な言い回し、暴言、議論をひっくり返すテクニックが重視されるわけで、合意の形成など最初から求められません
さて、上記の記事には概ね賛同するわけですが、ただしこれは会社の中とか、限られた空間で、選ばれたメンバーの中でこそ可能であり、利害の対立する相手や最初から敵対している集団相手には通用しないのでは?
ツイッターで有名人に絡み、論破してやろうと意気込んでいる人間にも、当然ながら通用しないでしょう
もちろん、敵対している相手を論破したところで戦争になるだけですから、難しいわけですが
論破する人物を持て囃す風潮に水を差す効果が少しでもあれば、と思って取り上げました
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