大阪交番襲撃 飯森被告の初公判は7月19日

2018年から19年にかけて富山、仙台、大阪など各地で交番を襲って警察官の拳銃を奪おうとする事件が相次ぎました(実際は交番勤務の警察官から拳銃を奪おうとする事件はたびたび起きています。ただ、未遂で終わった事件は全国ニュースとして報じられないため、知られていないだけです)
上記の事件のうち、飯森裕次郎被告の事件だけはまだ決着がついていません。初公判は7月19日だと報じられています
事件の経緯はこれまでにも取り上げてきたので繰り返しません。精神的に不安定な飯森被告ですが、精神鑑定の結果刑事責任能力に問題はないとされ、大阪地検が起訴に踏み切りました
容疑に関しては十分に立件可能だとしても、飯森被告側は心神耗弱を理由に無罪か減刑を求めると推測され、厳しいやり取りが予想されます
共同通信の記事では、事件後、派出所や駐在所の防犯体制強化について述べています


大阪府吹田市の吹田署千里山交番で古瀬鈴之佑巡査長(28)が男に包丁で刺され、拳銃を奪われた事件は16日で発生から2年。府警は2021年3月末までに603カ所にある交番と46カ所の駐在所に、内側と外側を映す防犯カメラの設置を完了した。交番や駐在所の安全に取り組む専従係を4月に新設し、対策強化に向けた取り組みを続ける。
古瀬巡査長は巡査だった19年6月16日の人通りの少ない早朝、交番近くに潜んでいた飯森裕次郎被告(35)=強盗殺人未遂などの罪で起訴=に襲われた。
被告の初公判は7月19日に開かれる。府警によると、古瀬巡査長は20年1月に吹田署地域課に内勤で復帰、同年秋に昇格した。体の痛みも順調に回復しているという。
府警は事件後、全ての交番で外周を調べ、不審者が隠れる死角があると判断した約140カ所に、人が近づくと明かりがつくセンサーライトを設置。交番や駐在所などの現場で働く全ての地域警察官に、拳銃が奪われにくい新型ホルスター(拳銃入れ)の配備も終えた。
今春からは本部の地域総務課に新設した5人チームの専従係が交番や駐在所を回り、簡単に建物奥に入られないよう、机のレイアウトを助言するなどしている。
交番襲撃を想定した訓練の徹底など、設備面以外の対策も進む。府内では3月に東大阪市の交番で、男性警部補に刃物を突き付け拳銃を奪おうとしたとして、男子高校生が逮捕される事件があった。警部補が拳銃で制止し双方にけがはなかった。警部補は「拳銃の取り出し方や間合いの取り方など実践的な訓練が生かされた」と話しているという。
専従係の河田浩二警視は「地域の安全安心のため、交番のセキュリティー強化にさらに努めていく」と述べた。
(共同通信の記事から引用)


若い方はご存じないのでしょうが、昭和47年から昭和58年の約10年間に、交番勤務の警察官から強奪した拳銃などを使って強盗殺人を働き8人を殺害した勝田清孝事件というのがありました(猟銃も使い、300件あまりの強盗事件・窃盗事件を実行)。ゆえに警察には拳銃を奪われることへの警戒と恐怖が、いまだに根強く残っているのでしょう。勝田清孝事件については、いずれ機会を設けて取り上げるつもりです
さて、話を戻して飯森裕次郎被告が公判で何を語るのか、何を語らないのか注目です
拳銃強奪前、高校の同級生の消息をしきりに気にかけ、住所を確認しようとしていました。単に同級生や元野球部員を懐かしんでの行動だったのか、あるいは拳銃で銃殺することを計画した上での行動だったのか、判然としません。警察官から拳銃を奪ったからには、それを使う目的・計画があったものと推測されるのですが、報道を見る限り飯森被告は供述していないようです

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