一宮中学生自殺 市長がようやく謝罪

2017年に愛知県一宮市の中学3年の男子生徒が投身自殺した事件で、一宮市側が和解に応じる意向を示した、と報じられています
男性生徒は、「担任に人生を破壊された」と書置きを残していましたが、一宮市教育委員会は担任教師の責任を認めず、自殺は学校での教育活動と関係がないと主張し、裁判で争ってきました
名古屋地裁一宮支部は一宮市側に和解案を示していたのですが、それは提訴した保護者側の要求する損害賠償額の9割を一宮市側が支払う内容であり、つまり和解に応じない場合保護者側の勝訴とする含みがあったわけです。結果、一宮市側は敗訴の判決が示される前に和解に応じざるを得なかったのであり、往生際が悪いにもほどがあります
市の責任とはいえども、実際には教育行政と教員人事を担う教育委員会の責任です。市長といえど公立学校の教員人事には口出しできませんし、学校が不始末を起こしても市長がこれを是正するのではなく、教育委員会が対処する仕組みになっているのですから(戦後、教育に政治が口出しするのを防ぐため、教育委員会方式が採用され、市政や県政と教育行政は別、となったのです)


平成29年、愛知県一宮市の公立中学校の男子生徒が自殺した問題をめぐり両親が市に賠償を求めている裁判で、和解が成立する見通しになったことを受けて、中野正康市長は今夜記者会見を開き、謝罪しました。
一宮市立浅井中学校の3年生だった男子生徒は高校受験直前の平成29年2月、担任への不満を訴えたメモを残し大阪で自殺しました。
生徒の両親は、息子が受験の直前に進路指導の教諭から「全部落ちたらどうする」と言われるなど、配慮を欠いた言動で追い詰められて自殺したとして、一宮市に賠償を求め裁判を起こしました。
市によりますと、13日の双方の協議で遺族の深い悲しみを理解し、心から哀悼の意を表するとともに、学校生活での不安などに配慮した指導が十分できなかったことを深く反省し真摯に謝罪すること、再発防止に取り組むことそれに和解金を支払うことで和解に合意したということです。
これを受けて中野市長が記者会見を開き「かけがえない命を守ることができずたいへん申し訳なく思います。遺憾の極みだ。ご子息がかかえていた不安や葛藤に対応できる指導が十分行えなかったことに深く反省しています」謝罪しました。
一宮市では再発防止策として行ってきた学校と教育委員会との連携強化などに加え、生徒が将来に希望をもてるような寄り添った指導を進めていきたいとしています。
(NHKの記事から引用)


学校で何があったのか、以下に貼ったアドレスの記事を参照願います。長文なので引用はしません
担任の教師が特定の生徒をいじめていた、というのが真相なのですが、学校長も教育委員会もそれを認めようとはしませんでした。認めてしまうと学校長の評価が下がり、なおかつ管理責任を問われるのが嫌だったのでしょう。教育委員会も管理責任を問われるのが嫌で逃げていたのが実際です。ちなみに自殺後の保護者集会の場で、学校長はいじめを繰り返した担任教師相良人司を繰り返し罵倒した、とも伝えられており、保護者の前でだけ格好をつけたようです。随分と器の小さな人間です

愛知県一宮市中3自殺、囁かれるいじめの実態

こうまで学校によるいじめ隠しが露骨になると、教育委員会方式は改めて、教育行政も市政や県政に組み込むべきではないかと思います
教育委員会が特権階級のように振る舞うのは害悪しかないのですから
今回、和解案を一宮市が受け入れたのであれば、当然のこととして担任教師、学年主任、学校長と教育委員会の担当者も懲戒処分を受ける必要があるのですが、教育委員会が処分を行うのでしょうか?
このままうやむやにしてしまうのでは?
教育委員会が懲戒処分をせずうやむやにしても、市長は直接口出しできないのが今の制度です
橋下徹が大阪市長のときは、大阪市教育委員会と何度もけんかを繰り返し、教育行政に介入しました。が、一宮市長がそこまでやれるとは思いません

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