講談社編集次長 妻殺害で最高裁上告

講談社の青年コミック誌「モーニング」編集部の元編集次長、朴鐘顕被告は2016年に自宅で妻を絞殺した疑いで逮捕、起訴され、一審と二審で有罪判決が言い渡されています
この事件の経緯や裁判についてはこれまでも取り上げてきたところです
控訴審判決の後、朴被告は講談社を退職しています
月刊誌「創」がかなりのページを割いて、判決の矛盾点など指摘していますので、考えてみましょう
ヤフーニュースの記事は早めに削除され閲覧できなくなりますので、関心のある方はすぐに読んで頂くようお願いします


講談社元社員「妻殺害」判決はどうみてもおかしい

詳細な裁判の中身があまり報じられていないこともあって、判決がそのまま受け止められてしまっているが、実はこの裁判にはおかしいと指摘されていることが数々ある。そして、この裁判はおかしいのではないかと、友人たちが「朴鐘顕くんを支援する親族、友人たちの会」を立ち上げた。
朴被告の説明は、そもそも殺人など起きておらず、妻は当時、4人の子どもの子育てから育児ノイローゼに陥り、自殺してしまったというものだ。
真相が被告の言う通りだとすれば、そもそも事件でないものが事件にされ、朴被告は妻を失った悲しみの上に殺人者という汚名まで着せられたことになる。これから成長する子どもたちにとっても、父親の母親殺害という判決は、あまりに重たい十字架だ。


朴被告は育児休暇を取得し、子育てに熱心な父親というのが周囲の評判でした。しかし、朴被告が育児休暇を取得し、自宅で子育てに取り組んでいたのかどうか、本当のところは不明です。実際には4人の子どもの育児は妻に丸投げで、朴被告は夜遅くまで編集の仕事のため会社にいて深夜に帰宅する、という日常だったのではないでしょうか?
それゆえ、妻は育児ノイローゼんになったと推測されるのですが、その辺りを朴被告がどう感じているのか伝わってきません
朴被告が友人、知人に妻の死をどう語っていたのか、「創」の記事だけで判断すべきではないとしても、記事を読む限り随分と冷淡な言い分のように感じます。妻の死を悼む発言が記事の中に登場しないからです
つまり、朴被告が何を語ったかではなく、何を語らないのか、が自分の抱く違和感の根源です
おそらく子育てを巡って、夫婦間でしばしば激しい口論があったように思うのですが


私は彼が逮捕される2~3カ月前に会って飲んだのですが、そこで直接、奥さんが自殺したという話を聞きました。それを彼は涙ぐみながら話し、子どもたちは奥さんが亡くなった日に児童相談所に連れて行かれて、彼自身子どもとコンタクトがとれない状態になっている。なんとかして子どもたちを引き取りたい。彼にはお母さんがいるので、お母さんと一緒に面倒をみていきたいと言っていました。もう講談社の仕事はいったん閑職にしてもらって、子どもたちの面倒をみていきたい。奥さんの自殺については、自分に全く責任がないとか、責任を感じていないとかいうことではなくて、子どもを育てることで償いをしようと考えていると言っていました。
朴くんが一貫して無実を主張しているのも、ただ罪を逃れようとしているだけだと世間からは見えるかもしれませんが、そうではありません。彼が一番恐れているのは、無実の罪によって、子どもたちを守るという責任を果たせなくなってしまうことです。ふだん冷静な朴くんが公判で声を上げるのも、そういう思いからであることをわかっていただきたいと思います。


大学の同級生だったから、同じサークル仲間のだったから、一緒に会って飲んだからといって、朴夫妻にどのような葛藤、対立があったのか、実態を知っていたのかは疑問です
妻の死について朴被告がどのような感情を抱いているのか、悔いているのか、見えてきません
「こどもを育てることで償いをしようと考えている」と語る裏について、この友人は何も考えずただ額面通り受け止めているだけです。償わなければならないほど妻に負担をかけていたと自覚した上で述べているのか、気になります
夫婦間のことは外から見えないのであれこれ憶測しているわけですが、妻が育児ノイローゼになるまで追い詰められ自殺したと分かっているならば、もっと語る言葉があるのではないかと思うのです
裁判での疑問点は記事に書かれていますので、繰り返しません。ただ、この事件の入り口は朴被告が自殺した妻(と、朴被告は主張しています)の遺体を動かしたり、何か小細工めいた行動をとったところにありますし、通報を受けて駆けつけた救急隊員に、「階段から落ちて死亡したことにしてくれ」などと口走ったがゆえです(救急隊員が駆けつけたときは階段の下で横になった状態であり、首をつった格好ではなく外傷も見当たりませんでした。額には切り傷があったものの、それが致命傷というわけではありません。朴被告は妻が階段から落ちたと言い、さらには階段の手摺で首をつって自殺したと言い直しています)
「こどもたちに自殺だと知らせたくなかった」と朴被告は弁明していますが、救急隊員に死因を偽る必要などないのであり、こどもたちには後で言ってきかせればよかったのでは?
救急隊員は状況に不審な点があれば繰り返し何度でも家族に問い、確認しますし、警察にも通報します
ですから、最初の段階で救急隊員が不審と思う状況だったのであり、それは朴被告の行動に原因があります(だから殺害したのだろうと決めつけるわけではありません)
最高裁がどのような判断を下すのか、注目しましょう

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