14歳養女強姦事件を考える3 差し戻し審で有罪判決

この事件は2018年、当時14歳で知的障害のある養女と自宅で性交し、監護者性交等罪に問われた被告である養父(38)に対し、福岡地裁が無罪判決を言い渡したものです
当時、性犯罪事件の裁判で、「性交をはっきりと拒絶したという証拠がない」といった理由で、「被害者が暗に同意していたと被告が理解したのは当然であり、無罪とする」判決が相次いでいました
明確に性交に同意した証拠があるというのなら理解できますが、明確に性交を拒絶した証拠がないから無罪にするという、バカげた判断をする裁判官が幾人もいたわけで、呆れ返ったものです
特に福岡地裁の原判決では、知的障害のある被害者の証言を信憑性がないと切り捨てており、体に残る傷跡でさえ「別の要因でできた傷である可能性を排除できない」と断じるなど、問題だらけの内容でした。勇気を振り絞り、懸命に被害を訴えた女性の言い分(知的な障害があるため言葉は足りず、表現が稚拙であったにせよ)を、ここまで否定できるものかと判決内容を伝える報道を見て悲しくなったものです
ようやくにして差し戻し審議となった福岡地裁の判決で、被告である養父に懲役7年の実刑判決が言い渡されています。当然、差し戻し審なので、最初に無罪判決を言い渡した福岡地裁の裁判官とは別の人間が担当しています


14歳の養女に対する監護者性交の罪に問われ、1審の無罪判決が破棄された男性被告(39)の差し戻し審で、福岡地裁(柴田寿宏裁判長)は9日、懲役7年(求刑懲役9年)の判決を言い渡した。
公判では養女の証言の信用性が争点となった。差し戻し前の令和元年7月の地裁判決は「多くは誘導尋問に応じておおまかな内容を述べるにとどまり、具体性や迫真性がない」と指摘し、無罪とした。
福岡高裁は2年3月の判決で、性犯罪の被害者は後遺症の影響でうまく証言できないことがあると指摘。1審の審理が「被害者の特性を十分踏まえる配慮に欠けていた」として無罪を破棄し、差し戻した。被告が上告したが最高裁で棄却され、高裁判決が確定。地裁で審理をやり直していた。
(産経新聞の記事から引用)


原判決ではインフルエンザで臥せっていた被害者を被告が強姦したとの訴えを、「インフルエンザに感染する危険があるのに強姦されたとの言い分は不合理」と決めつけています。いつもは家族が1つの部屋で寝ている状態であったものが、インフルエンザであったため被害者だけ別の部屋で寝ており、家族の目が届かないのを機会として被告が強姦に及んだ、と考えられるのですが、裁判官には理解できなかったようです
原判決の問題点は当ブログの「14歳養女強姦事件を考える1 被害者証言は曖昧無罪判決」で指摘していますので、関心のある方はそちらも読んでいただければ幸いです
2018年から19年にかけて相次いだ、性犯罪事件の不可解な判決がいくつか訂正されたのであり、多少なりともすっきりしました。

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