「鬼滅の刃」のヒットを羨む韓国
「鬼滅の刃」について、韓国メディアが取り上げていますので言及します
劇場版「無限列車編」も韓国でヒットし、漫画の方も韓国の書店で各巻がベストセラーに名を連ねる売れ行きです
それだけ売れるコンテンツを生み出したのが羨ましくて仕方がない、という記事なのですが、いつものようにムダに長文なので、後半部分のみを、インターネットの掲示板「5ちゃんねる」に貼られた翻訳から引用させてもらいます
前半部分はいかに「鬼滅の刃」の漫画、アニメ、キャラクターグッズが売れたか、という話です
そこに竈門炭治郎の耳飾りのデザインが旭日旗であり、けしからんという話を挟んで、日本製品不買運動へと飛躍するのですが、本筋とはまったく関係ありません。日本製品不買運動など、いつの間にか霧散してしまったのですからどうでもよいでしょうに
■「鬼滅の刃」の興行背景…韓国のゲームと漫画産業省察の機会になることを
「鬼滅の刃」が日本社会に大きな反響を呼び起こし、連日のように大ヒットを記録している中、韓国でも類例のない人気を得ている。
「鬼滅の刃」の劇場版は韓国だけで180万人以上の観覧客を動員した。 これはアニメという文化商品の主に成人階層には消費されなかった国内市場の制約が解けると同時に、コロナによる映画館街の低調な観覧客の実績を増加させた驚くべき事例といえる。
2021年現在、世界のメディアミックス市場における「ドラゴンボール」関連文化産業の総売上は277億ドルと推算される。「ドラゴンボール」と関連した文化商品は収益規模だけで見ると全世界のメディア市場で14位に位置する。
日本に限定する場合、日本漫画の中では断然の1位を記録している。一つの漫画が文化産業になるにつれて、社会に及ぼす影響力は国家単位を超えるという話だ。「鬼滅の刃」はまだ「ドラゴンボール」の規模に至ってはいないが、現在のような流れならそのうち近づくか、追いつくこともあり得なくはない。
「鬼滅の刃」が私たちにくれた面白さと感動は、そのまま純粋に受け入れてもいいだろう。
ただ残念な点は長い間、規制と制約の中で困難に直面していた韓国のゲームや漫画のような文化産業が、現在の姿で残ることに対する残念さと、今は我々のことを全世界に知らせることが容易くないほどにゲームと漫画市場がかなり弱くなったという点だ。
幸い、ウェブトゥーン-ウェブ小説で新たな跳躍期を迎えている韓国漫画産業IP(知的財産権)戦略が、グローバル市場で注目されている。 非対面とモバイル時代、「スンリ号」のようなウェブ小説-ウェブトゥーン-ドラマと映画に繋がるメディアミックスの興行方式で、「新韓流」のコンテンツとして無限の可能性を秘めていると評価されている。しかし、この時点で振り返る点もある。
前述したように、メディアは社会維持機能体の役割だけをするのではなく、人々と世の中を結ぶ媒介者の役割と社会規範と秩序を管掌する議題設定の機能も持っていると話した。
最近のメディアは、従来とは違って、いずれかの集団や、大規模な資本や企業、国家や地方機構などに隷属して運営されるよりも、ワンマンメディアや小規模放送局のような多様なチャンネルのメディアが登場する時代を迎えた。
つまり、私たち一人一人がメディアの機能を遂行することが可能だとすれば、メディアの議題設定の機能として、「鬼滅の刃」が私たちに与える意味は何なのか、自ら考察してみる時だ。
韓経ドットコム(韓国語)
記事は総じて、売れたコンテンツ⇒金の話が中心です(引用部分の最後あたりは唐突に「メディアはいかにあるべきか論」になっており、もはや支離滅裂です)
引用しなかった前半部分に作品の特色としてわずかばかり触れ、「『鬼滅の刃』のアニメは日本の伝統固有のものを見事なまでに演出で再現したという点だ。何の考えもなく見ながら受け入れているものの中には、『鬼滅の刃』のアニメキャラクターたちの日本の伝統服飾とか、住居生活や集団文化など、日本のまさにそのものといえるものが数多く展開されている」と書かれている程度であり、物足りません
この記事に対して、「記者は『無限列車編』で何を見ていたのか」との批判が挙がっています
「煉獄さんの短くも眩しいほど輝きを放つ圧倒的な生き様を語るでもなく、家族愛や信念を貫く尊さを語るでもなく、一体コイツらは何の為に劇場版鬼滅の刃を観たんだ?」
韓国は漫画やアニメーションを産業として育成しようと躍起になっているわけですが、そこには質の高い批評が存在しません
「メディアミックス展開すればより多く稼げるニダ」とか言ってるようでは、幅広い支持を得られるコンテンツなど生み出せないのが分からないのでしょう。作品の世界観を豊かなものにし、エッジの効いたキャラを揃え、奥行きのある物語を構築するためにも、批評の役割は重要です
日本には世界一、漫画やアニメにうるさい愛好者が揃っており、粗悪な作品は見向きもされません。四半期ごとに数多くの新作アニメが登場しますが、生き残れるのは多くないのであり、殆どの作品は忘れ去られる運命です
二次創作やオリジナルの漫画、ライトノベルを手掛ける素人も日本には山ほどいるのであり、彼ら彼女らは旺盛な創作意欲と批評眼を持ち合わせています
どこがダメなのか、魅力にかけるのか、世界観がつまらないのか、キャラが立っていないのか、愛好者たちは容赦ない指摘をするわけで、その厳しい批評眼に適う作品だけが生き残るのです
したがって、日本の伝統文化を美しく描いたから成功した、などと単純に決められるものではないと理解する必要があります。まあ、理解できないからこそ、優れた漫画作品やアニメーションを韓国は生み出せないのでしょうが
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