旭川いじめ凍死事件3 中学保護者会は大荒れ

旭川市の中学に通っていた女生徒がいじめを苦に家出をし、公園で凍死している状態で発見されるという痛ましい事件について3度目の言及となります
通常、こうしたいじめ事件は保護者が必死になって被害を訴えても、教育委員会が「いじめはなかった」と門前払いする場合がしばしばです
ただ、今回は週刊文春が取り上げたため全国的な関心事となり、政府関係者も真相解明を促す発言をたびたびしており、旭川市教育委員会としてはこれまでのような「調査をしたフリ」で誤魔化しきれない状況に追い込まれています
旭川教育委員会がなおも「いじめはなかった」と誤魔化す調査結果を公表したなら、「政務三役を現地へ送り込む」と萩生田文部科学大臣が言明していおり、大臣自らというのはないにしても、副大臣か政務官が現地入りするかもしれません。突かれればホコリが出るため、旭川市教育委員会はどう対処するか頭を悩ませていると思われます
いじめを隠蔽した北星中学の校長を懲戒処分にもせず定年退職させたのですから、教育委員会の責任が問われるのは確実です
さて、文春オンラインの記事から引用します

4月26日に開かれたY中学校の臨時保護者説明会
しかし、その一方で、渦中の旭川市の教育現場では、いまだに煮え切らない対応が続いている。取材班は4月26日、萩生田大臣の答弁が行われた同日の夜に臨時に開催されたY中学校の保護者説明会の様子を取材。保護者説明会では、学校側は相変わらずの隠ぺい体質を貫き、イジメの実態については何も明らかにしなかった。保護者達は反発し、怒号が飛び交う「大荒れ」の展開となった——。
「文春オンラインの報道が出てから学校には問い合わせの電話が殺到。取材活動も過熱し、地元メディアがY中学校の生徒に直接コンタクトしようと声がけをするなど保護者から不安の声が上がっていました。学校側が自主的に説明の場を設けたというより、開かざるを得なかったというのが本当のところです」(Y中学校関係者)
平日夜にもかかわらず保護者100名が詰めかけた
19時から校内の体育館で行われた保護者会では厳戒態勢が敷かれた。体育館の入口では教員らが在校生名簿と保護者の名前を照合し、部外者を完全にシャットアウト。不測の事態に備えて、パトカー数台が警戒に当たるなど、学校周辺には異様な雰囲気が漂っていた。
平日の夜にも拘わらず、体育館には100名ほどの保護者が詰めかけた。取材班は出席した複数の保護者から現場の様子を聞き取った。
パイプ椅子に座った保護者の前に校長と教頭が立ち、体育館の横の壁に沿ってPTA会長、教育委員会のカウンセラー、爽彩さんの当時の担任教師を含めた各学年の教員20名ほどが直立不動の姿勢で並んでいたという。
当時別の中学校在籍だった校長が、何度も頭を下げて説明
19時、開始の時刻を過ぎると、重々しい空気の中、校長がまずマイクを取った後、深々と頭を下げ、爽彩さんに向けたお悔やみの言葉を口にした。なお、この校長は昨年4月にY中学校に赴任したばかり。爽彩さんがイジメを受けた2019年は市内の別の中学校に在籍していた。校長はこう述べた。
「本校の対応に対するご意見やご指摘が続いており、生徒や保護者の皆様にはご不安な思いやご心配をおかけしております。そのような中、生徒の不安解消や、安心安全を確保するために、その一助になることを願い、本会を開催させていただきました」
校長は何度も頭を下げ、今後の措置として、在校生の心のケアのために個別面談を実施することや教育委員会からスクールカウンセラーを招聘することなどを説明したという。
対応していた教頭、当時の担任教師は同様の言葉を述べるのみ
続いて、6月に起きたウッペツ川飛び込み事件( #3 参照)の後から、爽彩さんの家族への対応窓口となった教頭と、当時の担任教師が、揃って同様の言葉を述べた。
「本校に在籍していた生徒が亡くなったことに関しまして、心から残念であり、言葉になりません。ご冥福をお祈り申し上げます。また、ご遺族の方にはお悔やみを申し上げます。本校生徒の保護者の皆さんにご心配、ご不安な思いをさせておりますことに、お詫び申し上げます。報道に関する部分につきましては、今後予定させていただいている第三者委員会において、誠心誠意対応させていただきます。今、私ができることですが、保護者の皆様にできることに一生懸命努力していきたいと考えています。よろしくお願いいたします」
(以下、略)

文春オンラインの記事はまだまだ続きますが、学校側が事件について何も明らかにせず、何があったのかも説明せず、ただ空疎な謝罪の言葉だけ並べてやり過ごそうとしたのは明らかです。これも旭川市教育委員会の指示なのでしょう。余計なことは一切言わず(言質を取られ、文春オンラインで暴露されるので)、平身低頭して保護者の理解を得るように…とか
これでは何のために保護者会を開いたのか、と言いたくなります。保護者への説明を済ませた、と文部科学省に釈明するためのアリバイ作りが目的なのでしょう
旭川市北星中学の教員一同、隠蔽する気満々というのが分かります

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