茨城一家殺害事件を考える 岡庭容疑者の変貌と殺意
茨城の小林さん一家殺害事件に関与したとして逮捕された岡庭由征容疑者について、各メディアがそれぞれ報道しています
11年前に通り魔事件を起こし、女子中学生と女子児童をナイフで刺したのですが、当時は少年という事情もあり岡庭容疑者のプロフィールが詳細に報じられることはありませんでした
なので、今回の報道により11年前には分からなかった岡庭容疑者の生育環境なども掴めるようになったわけです
今日は産経新聞とスポニチの記事を取り上げます
茨城県境町の会社員、小林光則さん=当時(48)=方で令和元年9月、一家4人が殺傷された事件で、殺人容疑で逮捕された岡庭由征(おかにわよしゆき)容疑者(26)=埼玉県三郷市=の自宅からは硫黄や猛毒の原料などの危険物が大量に発見されていた。「まるで実験室のようだった」。岡庭容疑者の部屋を見たことがあるという捜査関係者は、こう証言する。
埼玉県警が殺人予備容疑で容疑者の自宅の家宅捜索に踏み切ったのは昨年11月だった。自宅別棟の1階にあるという自室からは、有毒な硫化水素を発生させる原料ともなる約45キロもの硫黄のほか、猛毒のリシンを含有するトウゴマや抽出に使う薬品も見つかった。
複数の刃物もあったとされ、家宅捜索は数日に及んだ。岡庭容疑者は当時取り調べに素直に応じたといい、関係者は「論理的で頭が良い」と感じた。
周辺住民らによると、岡庭容疑者は祖父母、両親と同居していたとみられ、多くの不動産を所有する裕福な家庭に育った。小学生の頃は、友人らと元気に遊ぶごく普通の子供に周囲には映っていた。だが、次第に姿を見る機会は減っていったという。
近くの男性(80)は「家族の姿は見るが、(岡庭容疑者の姿は)見たことがない」と首をひねる。一方、高校時代を知るという男性(52)は「少し変わった雰囲気があり、何をするか読めない危うさを感じた」と話した。
(産経新聞の記事から引用)
11年の通り魔事件後には、被害少女とその家族が、岡庭容疑者と両親を相手にケガの慰謝料などを求めた民事訴訟で、さいたま地裁が約1900万円の支払いを命じている。その裁判費用や賠償金は自身が所有する自宅裏の土地を売却して工面。「1000平方メートルを処分した。もう売る所もない」と話した。
岡庭容疑者は事件後に「吾義土(あぎと)」から現在の「由征(よしゆき)」に改名しているが、その事実も知らなかった。
「しばらくの間は全然知らなかった。(同容疑者の)両親は言わないから」と話した。「(同容疑者の)父親が5年ほど前に無職になってからも仕送りした」と金銭面で援助していたことも明かしたが、隣同士で住んでいながら直接的な交流がなかったことがうかがえる。
岡庭容疑者の通り魔事件の裁判員裁判では、さいたま地裁から両親の育成環境が直結したと指摘されただけに、近隣住民は「家族や両親も大変だったと思う。更生のためのサポートをしていたのか正直分からないところもあるので…」と声を潜めた。
(Sponichi Annexの記事から引用)
前回、当ブログでは岡庭容疑者が素直に取り調べに応じているかどうか、疑問を提起しておきました。産経新聞の記事では「当時取り調べに素直に応じた」と書かれています。が、小林さん一家殺害について岡庭容疑者が自ら進んで語ったのかどうかは明らかにされていません。もし、別件での逮捕中に小林さん一家殺害を自ら申し出たのであれば、形式上は自首が成立します。自首した場合、裁判では罪一等を減じる判決を下す必要が生じるというのが現代の法理です
つまり2人を殺害し、2人を負傷させた岡庭容疑者は本来死刑判決がくだされるのですが、自首が認められれば無期懲役に減刑されるのです
小林さん一家と岡庭容疑者の間に接点はないと報じられており、もしそうであるならば近隣の民家から離れて存在する小林さん宅を狙い、殺人のための殺人をなしたと考えるしかなさそうです。騒がれても近隣の住民から通報されない立地、こそが岡庭容疑者の狙いであったのかもしれません
以前にも書いたようにこの種の犯行では、犯人は殺人現場から30キロ圏内の居住している人物、という統計があるのだとか。小林さん宅は岡庭容疑者宅から40キロ以上離れており、生活圏も異なります。通常、警察は近隣に住む殺人や傷害、強盗など前科のある人間をリストアップしますので、岡庭容疑者はそこに含まれないのです
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