慰安婦問題で日本への賠償請求却下 韓国裁判所
元従軍慰安婦と称する原告20人が日本政府を相手に、1人1億ウォン(約960万円)の損害賠償を求める訴訟を韓国のソウル中央地裁に起こしていました。本日、その判決があり、原告の請求を退けています
韓国の裁判所は他国を相手にこれを裁くことはできないという、国際法上の原則を適用した内容であり、妥当な判断です
ただ、今年の1月には別の元従軍慰安婦らによる訴訟で、日本に賠償を命じる判決を言い渡しており、同じソウル中央地裁が別々の判断を下したわけで、韓国内では騒ぎが続くものと思われます(日本政府はこの裁判を国際法に反するものとし、裁判に参加せず無視してきました)
さて、日本のメディアはどこも簡潔にこの判決を伝えているわけですが、韓国メディアはいつものように、あるいは小室圭の釈明文のように無駄に長い記事を掲載しています
背景には、日本政府を相手取った訴訟で韓国の裁判所が判決を下した1月の慰安婦裁判を韓国の国民が拍手喝采し、熱狂的に受け止め勝利感に酔っていたという経緯があります。
国際法上の原則に反するとの声が一部にはあったものの、判決では「人道に関する罪を裁くのは当然であり、韓国に裁判権がある」と主張していました。これを今回の判決では否定したわけですから、その判断の違いについて長々と注釈を付した記事になっています
以下、韓国の中央日報の記事から引用します
韓国裁判所が最近、日本政府に対する旧日本軍慰安婦被害者の初めての損害賠償訴訟勝訴の判決趣旨に反する決定を下していたことが確認された。この決定文は当初の判決とは違って「訴訟費用を日本政府が負担する必要はない」と明示しており、「強制執行は国際法違反」など勝訴判決そのものを問題視する内容も多く指摘している。2017年9月の金命洙(キム・ミョンス)大法院長の就任以降、日帝強占期被害者に不利な内容の判断が出てきたのは初めてだ。
20日、韓国法曹界によれば、ソウル中央地方法院民事34部(部長キム・ヤンホ)は先月29日に故ペ・チュンヒさんら12人が日本政府に対して起こした損害賠償訴訟勝訴事件に対して「(韓国政府)国庫による訴訟救助取立決定」を下した。
「国家が訴訟費用を負担した今回の訴訟で、被告人の日本政府が負担する費用はないという点を確認する」という内容だった。
これに先立って今年2月、裁判所の定期人事で構成員が変更される前の同じ裁判所(部長キム・ジョンゴン・以下旧裁判所)は1月8日、「日本帝国の反人道不法行為に対して国家免除を例外的に適用してはならない」としながら日本政府に対して原告に各1億ウォン(約967万円)を支払うよう命じる原告勝訴の判決を下すとともに、「訴訟費用は日本が負担せよ」との注文も一緒につけた。国家免除は「特定国家は他国の司法府の決定に拘束されない」という国際法原則だ。
この判決は日帝強占期の反人道的行為に対する日本政府の法的賠償責任を初めて認めたものだが、国家免除を幅広く認める国際法判例と既存の大法院判例および憲法裁判所の決定と相容れない内容だとして論争になった。日本政府は「国際法違反」としながら訴訟・上訴手続きには応じず、1月23日にこの1審判決がそのまま確定した。
ところが新裁判所が判決の中の「日本政府の訴訟費用負担義務」の部分を正面から覆した状況だ。特に注目されるのは、裁判所が決定文に本案判決そのものを批判する内容まで一つひとつ指摘しているという事実だ。
裁判所は決定文で「本案訴訟は日本政府の国家免除を認めず、原告勝訴判決を確定した」とし「しかし、外国に対する強制執行は該当国家の主権と権威を傷つける恐れがあり、慎重なアプローチが必要」と指摘した。続いて「同事件の訴訟費用を強制執行することになれば国際法に反する結果を招くことになる」と明らかにした。
また「外国政府の財産に対する強制執行は現代文明国家の間の国家的威信に関連することで、これを強行すれば司法府の信頼を損なうなど重大な結果につながりかねない」とし「今回の事件は、記録に残されたすべての資料を見ても、国連の国家免除条約上の外国政府に対する強制執行要件を満たしていない」と明らかにした。「日本政府の財産を強制執行すれば、憲法上の国家安全保障、秩序維持、公共福利と相容れない結果に達することになる」という懸念も表している。
(以下、略)
これでやっと記事の半分です。
韓国では徴用工の問題でも日本企業を相手に賠償を請求する訴訟を起こしていますが、そちらについても1951年の日韓共同宣言及び日韓請求権協定に基づいて日本は解決済み(賠償金は支払い済み)との立場です。当時、日本は5億ドルを韓国側に払い、さらにその後の経済援助を含めて11億ドル分を提供しています。こうして受け取った金で韓国政府は国民に補償を与えるべきでしたが、それをしていないから今でも揉めているのです
そして徴用工問題でも韓国の裁判所は日本企業に賠償を命じる判決を言い渡しています
文在寅政権下でこうした裁判が相次いだのは、弁護士でもある文在寅大統領の意向が強く反映しており、日本政府や日本企業に判決を突きつけて譲歩を迫る手段だったのでしょう
元慰安婦問題については朴槿恵大統領と安倍首相の間で和解金支払いで合意したのですが、文在寅大統領はこの合意を一方的に破棄しました。それでも「政府間では再交渉をしない」と宣言し、日本側が頭を下げて譲歩してくるはずと決めてかかっていた感があります
日本側は安倍首相も菅首相も韓国に譲歩しない立場を貫き、今日に至っています
裁判の判決で日本側の非を明らかにし、突きつけて譲歩を迫るとの手段も通用しないのであり、あとは韓国国内で大いに揉めるのでしょう
政府間の合意を一方的に破棄するような文在寅政権は信用できないのであり、そのツケは文在寅大統領が支払わなければなりません
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