講談社編集次長 妻殺害で控訴審も実刑
2016年、東京都文京区の自宅で妻を絞殺したとして殺人罪に問われている講談社社員、朴鐘顕被告は東京地裁の裁判員裁判で懲役11年とする実刑判決を受けています(求刑は懲役15年)
朴被告はこれを不服として控訴していました。朴被告側は妻が自殺したと主張し、殺害はしていないと訴えています
東京高裁は一審判決を支持し、朴被告の控訴を退ける決定を下しています
東京都文京区の自宅で平成28年8月、妻=当時(38)=を殺害したとして、殺人罪に問われた韓国籍で講談社の青年コミック誌「モーニング」編集部の元編集次長、朴鐘顕(パク・チョンヒョン)被告(45)の控訴審判決公判が29日、東京高裁で開かれた。中里智美裁判長は懲役11年とした1審東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
弁護側は、殺害ではなく自殺だったとして無罪を主張していた。中里裁判長は、現場の血痕の付着状況などから自殺を否定した1審判決について、額のけがの出血量などの「十分な検討を欠いており不合理」と指摘。一方で、妻が自殺を図ったとすれば現場の血痕や失禁の跡と整合しないとし、「自殺ストーリーに現実的な可能性があるとはいえない」と結論づけた。
スーツ姿で出廷した朴被告は、控訴棄却を言い渡されると「えっ」と大声をあげ、マスクを外して「してないんですけど」と発言。約1時間15分にわたって裁判長が判決理由を読み上げる間も、身ぶりを交えながら「矛盾してるよ」などと主張し続けた。
1、2審判決によると、朴被告は28年8月9日、自宅で妻の首を圧迫し、窒息により死亡させた。
(産経新聞の記事から引用)
この事件では以前にも取り上げたように、朴被告が「妻は階段の手すりで首をつって自殺した」と主張していたものの、階段付近に失禁の痕跡はなく、夫婦の寝室のベッドに失禁痕がありました。絞殺された後は、全身の筋肉が弛緩するので膀胱内の尿が体外に漏れ出します。なので、階段の手すりで首をつったのではなく、ベッドの上で絞殺した後に遺体を運んで縊首自殺に見せかけたもの、と検察は判断したわけです
朴被告は上記の記事にもあるように、頑なに犯行を否認しています。しかし、矛盾しているのは朴被告の主張の方であり、東京高裁の判断のとおり、「自殺ストーリーに現実的な可能性があるとはいえない」のです
殺人罪とはいえ、懲役11年は量刑として随分と軽い判断です。夫婦喧嘩の末、発作的に妻の首を絞めて殺害したもので、首を絞めた以上は殺意があったと認めざるを得ない、という理屈なのでしょう。つまり首を絞めていなかったのであれば「殺意はなかった」として傷害致死罪で裁く事案であり、長期の量刑は必要はないとの判断なのかもしれません
が、朴被告は納得しておらず、最高裁に上告するようです
講談社は「社員は上告の意向を表明しており、今後の推移を見守りつつ、社として慎重に対処してまいります」とのコメントをホームページに掲載しています
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