茨城女子大生殺害事件を考える 共犯者の初公判
長い間未解決事件となっていた美浦村の茨城大学生殺害事件は、フィリピン人の3人組による犯行と特定され、主犯格だったランバノ・ジェリコ・モリ受刑者は無期懲役が確定しています
2004年の事件発生当時、未成年だったフィリピン人は現在35歳であり、フィリピンで身柄を拘束されて日本に送還され起訴されました
もう1人の犯人は現在も逃亡中であり、逮捕には至ってません
メディアは起訴された元少年の初公判が開かれたと報じています
殺害された原田実里さんの遺族の心が晴れることはないと思いますが、3人のうち2人が拘束され法の裁きを受けるに至ったのは、せめてもの慰めではないでしょうか?
美浦村で2004年、茨城大の女子学生=当時(21)=が殺害された事件で、フィリピン国籍で主犯格だった受刑者の男(39)=殺人罪などで無期懲役判決確定=の共犯として、同罪などで起訴された同国籍で住所不定、無職、元少年(35)の裁判員裁判初公判が18日、水戸地裁(結城剛行裁判長)で開かれた。罪状認否で元少年は「間違いありません」と起訴内容を認めた。証人尋問では受刑者の男が出廷し、事件前に元少年が、性的暴行目的で女性の襲撃を提案していたことを明らかにした。
冒頭陳述で検察側は、元少年が受刑者の男と、もう1人の共犯とみられる男(36)=国際手配中=の3人で酒を飲んでいる際、女性を襲うことを提案したと説明。「自らの性的欲求を満たし、被害者の首を絞めるという死因に直結する行為も担った」とした上で、口封じのために殺害を決めたとし、「被害者の尊厳を踏みにじり、命を奪った犯行態様は非常に悪質」と指摘した。
弁護側は「元少年が殺害に積極的でなく、共犯者に凶器を渡され、促されたことが殺害の決め手だった」と主張。犯行に携わったとされる3人のうち元少年は最も若く、従属的な立場にあったとした上で「罪を償うためにフィリピンから入国し、出頭するなど反省している」と情状酌量を求めた。
証人尋問には、受刑者の男が出廷。事件前に元少年が2~3回にわたり「日本人女性を味見したい」と話していたと証言した。事件当日も「女でも探そうか」と女性への暴行を提案したと述べた。男の証人尋問は19日の公判でも引き続き行われる。
起訴状などによると、元少年は受刑者の男らと共謀し、04年1月31日午前0時ごろから同6時半ごろまでの間、阿見町付近の路上で、女子学生の腕をつかんで車内に引き入れ、手などで首を圧迫、美浦村舟子の清明川左岸付近で、首を刃物で複数回切るなどして殺害したとされる。
公判は28日に結審し、来月3日に判決が言い渡される予定。
(茨城新聞の記事から引用)
主犯格のモリ受刑者と罪状に差はないと考えられますので、無期懲役が相当と考えます。犯行当時未成年であったとしても、刑を減じる理由は見当たりません
この事件は当初、男女関係のもつれによる殺人と見立てられ、原田さんと同じ大学、学部に通う学生の中に犯人がいるはずだとして、関係者は警察から繰り返し事情聴取を受けたはずです。交際相手である男を連れてきて、締め上げれば解決、などと田舎の警察は判断しがちです
女子大生殺害=男女関係のもつれ、という安直な図式による初動捜査が見込み違いであり、時間を無駄にしてしまったのはいまさら言うまでもありません
外国人による通り魔的な犯行、もあり得るのだと警察は肝に銘じてもらいたいものです
追記:この元少年の被告にも、2月3日にモリ受刑者と同じく無期懲役の判決が言い渡されています
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