光市母子殺害事件 最高裁が特別抗告棄却

ここ最近は夏と年末の2回、死刑が執行されるのが慣例化しています。今年の夏は黒川東京高検検事長の賭け麻雀問題があり、森法務大臣も矢面に立たされたため、死刑の執行はありませんでした
現在は法務大臣が上川陽子に替わっており、年末に死刑が執行されるのかどうか、気になるところです。ちなみに上川法務大臣は3度目の法相就任であり、前回はオウム真理教の死刑囚を執行したため、通算で16人の死刑執行指揮書にサインしたわけで、これは歴代の法務大臣として最多の執行数になります
かつて朝日新聞のコラムは鳩山邦夫法務大臣を「死神」と揶揄したのですが、執行数は13人です。朝日新聞なら上川法務大臣を「死神ババア」と書くのかもしれません
さて、余談はここまでにして今日の本題です
光市母子殺害事件で死刑判決が確定していた大月孝行死刑囚の再審請求は最高裁で棄却されましたが、弁護団は異議申し立てを行い、これが棄却されると特別抗告を申し立てていました。とことん抵抗したのです
その特別抗告も最高裁で棄却する決定が下されました

平成11年の山口県光市母子殺害事件で殺人や強姦致死などの罪に問われ、死刑が確定した大月孝行死刑囚(39)の再審請求について、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は、弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。再審開始を認めない判断が確定した。7日付で、5人の裁判官全員一致の結論。
大月死刑囚は事件当時18歳1カ月。1審山口地裁、2審広島高裁は無期懲役としたが、最高裁が18年に「年齢は死刑回避の決定的事情とまでは言えない」と破棄した。差し戻し審で広島高裁は20年、死刑を言い渡し、24年に最高裁が上告を棄却し、確定した。
弁護側は確定判決が認定した殺害行為と、現場の状況が一致しないなどとして「殺意はなく、傷害致死罪にとどまる」と24年に再審請求した。広島高裁は27年10月、弁護側の意見書や鑑定書について「より軽い罪を認めるべき明らかな証拠とは言えない」と判断して請求を棄却し、昨年11月に異議も退けた。
(産経新聞の記事から引用)


再審の請求にあたって弁護団は「実母の虐待によって精神的発達が妨げられた」とする新たな精神鑑定結果や、心理学者による心理鑑定書などを新証拠として提出していました
実のところ再審請求書の写しを見ていないので(その内容を詳細に取り上げた報道が見当たらなかったので)、弁護団の言い分と大月死刑囚本人の言い分がどのようなものであるのか、把握できていません
ただ、mixiに大月孝行死刑囚を支援する会というページが存在し、会員登録すれば何がしかの情報が得られるようです

大月孝行死刑囚を支援する会
https://mixi.jp/view_community.pl?id=6048550

支援する会のページのトップに再審請求の理由が列挙されていますので、それを取り上げます
理由1から3は死刑制度批判や検察による控訴批判、死刑判決の鉄則とも言うべき「永山基準」が適用されていないとの批判が並びます
理由4は被害者遺族の本村洋さんへの罵倒が書いてあります。「被告が社会に出てくるなら私の手で殺す」との発言を切り取り、危険人物と批判しています
理由5は広島高裁・最高裁は被告側の主張を理由もなく退け、検察側の主張する事実を全面的に認定したと批判し、理由6は死刑判決は全員一致が原則とされているのに、最高裁では1人の反対意見があったにもかかわらず死刑判決を下したとの批判で、1人でも反対意見があれば、死刑判決は下せないという制度にすべき、との主張です
この他、弁護に関わった弁護士による著作もいくつか出版されていますので、そちらを読めばより詳しい情報が得られるのでしょう(現時点で、読む気になれません)
大月死刑囚がいかに劣悪な環境で育ち、実父から日常的に暴行を受けていたとしても、それで大月死刑囚を擁護する気にはなれないのであり、母子殺害を「たまたま起きた不幸な事件」であるかのように矮小化するのは許せません
大月死刑囚は判決を受け入れ、己の所業を省みる必要があるでしょう。弁護団が「君は死刑になるべき人間ではない」などと甘やかすのはどうか、と言いたくなります
最高裁への特別抗告も棄却されたので、この冬に刑を執行してもよいだろうと考え、取り上げました

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