「中国の巨大なアニメ市場」という記事

中国の劇場版アニメ「羅小黒戦記」が日本で公開されています
その作品と中国の巨大なアニメ市場を礼賛する記事を現代ビジネスが掲載していますので、取り上げます
先だって中国の劇場版アニメ「羅小黒戦記」については当ブログで取り上げていますので、今回は言及しないでおきます
好みは人それぞれなので、興味のある方は鑑賞していただき、感想なりを書いていただけるといずれ取り上げる機会が巡ってくるかもかもしれません

興収782億円の映画も…『鬼滅の刃』も及ばない中国の「デカすぎるアニメ市場」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77449?imp=0
(前略)
アニメーションとアニメは世界的にも違うものとして認識されやすい。“アニメ”という呼称は日本オリジナルの造語であり、世界でも日本の作品を指すことが多い。
ディズニーなどのアメリカの作品や、ヨーロッパの作品は“アニメーション”であるが、『羅小黒戦記』などの中国の作品はむしろ“アニメ”という呼称の方が印象として近いのではないだろうか。それだけ、日本の作品の魅力を取り込みながらも、独自の文化の味わいを打ち出している。
中国アニメーション作品は日本ではなかなか入ってくる機会は少ないが、中国国内の盛り上がりは年々増している。『Ne Zha』は2019年に中国国内で50億元(約782億円)以上を記録している。
日本では『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が歴代興行収入1位を狙うレベルのヒットを記録しているが、仮に400億円稼いでも、コロナ以前とはいえ『Ne Zha』とはさらに倍近い差があると考えると、その規模の違いを思い知らされる。
他作品に目を向けても、Netflixで配信されている『紅き大魚の伝説 』では華麗な手書き表現に圧倒された。またCGアニメーションの『白蛇 縁起』では日本の萌えを踏襲したようなキャラクターも登場するなど、オタク心をくすぐられた。
特にCGの分野に関してはそのクオリティは日本を超え、アメリカにも迫る勢いであることは疑いようがない。年々、クオリティの面でもレベルアップしているのだ。
一方で、日本の作品の興行という意味でも、中国は存在感を増している。『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』は日本では推定8億円前後と目されているが、中国では1億元(16.6億円)を超えるヒットを記録している。
また、コロナ禍中も含むために単純に比較はできないが、2020年2月21日に日本公開された『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』は日本の初週4日間が1億2000万円と言われている中、一方で中国では公開5日間で12億円となっており、まさに桁違いと言えるだろう。今では中国の存在は作品のクオリティの面からも、興行という面からも無視できないものとなっている。
(以下、略)

中国の人口を考えれば、映画史上が巨大であるのは当然です。ただし、中国は外国産映画の上映について規制を設けており、売り込めば上映する機会が得られて大儲けできる、という仕組みではありません(この規制を回避するため、ハリウッドの映画会社は中国企業の出資を受け入れ、中米合作という形式にしいます)
中国が自由貿易協定に参加すれば、当然、この外国映画の上映本数規制は撤回されると思いたいところですが、どうせあらたな規制を設けるに決まっています。あるいは事前の検閲を強化することで作品にイチャモンをつけ、「不道徳すぎる。中国で公開するのは不適当だ」と言い出すのかもしれません
外国の文化が入り込むことを警戒し、排除しようというのが中国共産党の基本姿勢だからです
まあ、毒にも薬にもならないアニメーション作品であれば、中国共産党も目の敵にはしないと思いたいところですが、どうなのでしょうか?
エッジの効いた社会批判色の濃い作品なら、アニメーション作品でも「上映禁止」の決定が下される可能性大です
それにしても記事の狙いが不明です。中国の映画史上の巨大さを強調し、日本もそのビジネスに参入すべきだと言いたいのでしょうか?
娯楽作品だから何でもあり、という日本とはまったく違います。表現の自由が許されない中国ですから、作品の内容からして「中国共産党の眼鏡にかなうよう」設定していかなければなりません。恋愛描写は許されてもセックス描写は禁止です。あるいは政治的に自由や民主主義を強調するものは駄目です。アメリカ批判や日本批判は関係ないものの中国批判も許されません。そんな規制に縛られた作品など、日本人の映画ファン、アニメーションファンにすれば見る価値のない駄作でしょう
日本の若手俳優が人民解放軍の兵士役になってゾンビを殺しまくり、中国共産党を称える映画なら上映許可が出ると思います。が、そんな映画を日本でわざわざ作るのでしょうか?
あるいは、中国共産党に忠誠を誓う公安9課の活躍を描いた「攻殻機動隊」の新作とか

グレートウォール 2016 吹替え


中国とアメリカの合作映画で監督はチャン・イーモウですが、原案から脚本、製作指揮はアメリカ側が握っています。万里の長城で白人の傭兵が大活躍するという陳腐な作品。もちろん、中国でも上映されました。中国での興行収入はアメリカの約4倍に達しました
こうした作品が中国で売り上げを取るための最善手なのかもしれませんが、あまりにバカバカしい映画です

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