杉並保育士殺害 懲役20年判決

同僚の女性保育士宅に侵入し、刺殺した容疑で逮捕されていた松岡佑輔被告(33)に対する判決公判があり、東京地裁は懲役20年の実刑判決を言い渡しています
住居侵入は認めた松岡被告ですが、殺害は頑として否認していました。本人は公判で黙秘を宣言し、弁護人が刺殺は現場に居合わせた第三者によるものだと裁判で争ってきましたが、裁判官は第三者に犯行ではないと認定し、検察の求刑通り懲役20年の判決を下しています


東京都杉並区のアパートで昨年3月、保育士の照井津久美さん(当時32)が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた同僚の松岡佑輔被告(33)の裁判員裁判があり、東京地裁は7日、求刑通り懲役20年の判決を言い渡した。下津健司裁判長は「被害者への感情を一方的に募らせ、被害者宅に侵入する常軌を逸した行動は身勝手極まりない」と述べた。
弁護側は殺人罪について無罪を主張し、照井さん宅のベランダに残されたビニールひもから第三者のDNA型が検出されていたなどとして、第三者による犯行の可能性を主張していた。
これに対し判決は、ビニールひもがベランダに持ち込まれた経緯は明らかでないと指摘。「刺殺現場の室内から第三者のDNA型は検出されていない」として弁護側の主張を退けた。
さらに、照井さんの右手から松岡被告のDNA型が検出されたことを認め、「松岡被告の暴行に抵抗してDNA型が指についたと考えるのが合理的だ」とし、松岡被告が犯人と認定した。
判決によると、被告は昨年3月26日、照井さんの自宅アパートに侵入し包丁で背中を刺して殺害した。2人は当時、同じ乳児院で勤めていた。
(朝日新聞の記事から引用)


犯行は同僚である照井さんに言い寄っていた松岡被告が、拒絶されるようになったのを逆恨みして行ったものと検察は説明しています
その辺りの経緯は松岡被告にとって他人に知られたくない部分でしょうから、取り調べでも黙秘したものと推測されます
しかし、被害者と松岡被告のLINEのやりとりが残っており、検察はそこから2人の関係がどのようなものであったか再構成し、法廷で明らかにしています


「お疲れ様です! 飲み誘っていいでしょうか」
「先生こんばんは、そろそろ涼しくなってきたと思いませんか つまり飲みに行きましょう」
「お疲れ様っす 明日飲み行くテンションなってくださってますか」
「お疲れ様です 明日一瞬飲み行きませんか」
「こんばんは やってきましたお誘いのコーナー 8日どうでしょうか」
これに対して照井さんは「いきましょーか」と当初は応じていたものの、次第に「明日は飲む元気ないのでやめとく」「いやー明日はちょっと」と遠回しな断りを入れるようになり、終盤では「行きません」ときっぱり断るようになっていた。特に被告が“勤務先の乳児院の子供についての相談”と称して飲みに誘った際、照井さんは「子供をダシに使われてるようでとても嫌です」と不快感を示し、以降のやりとりは目に見えて堅苦しくなっている。
(FRIDAYの記事から引用)


女性を口説くのに、飲みに誘うしかできない不器用さが伺えます。しかし、被害者照井さんが松岡被告を好きになれない理由はおそらく他に幾つもあったと思われます。まあ、同僚なので露骨に拒絶するわけにはいかなかったという事情もあるのでしょうが
誘ってもなびいてくれない照井さんに対し、松岡被告が何を思い、殺意を抱くまでになったのかは松岡被告自身にしか分からないのであり、検察官とて立証はできません
一審で黙秘を貫いた松岡被告は当然、有罪判決を不服として控訴するのかもしれませんが、既に詰んだ状態であり、逃れるすべはないでしょう

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