被爆資料管理できず 長崎原爆資料館のお粗末
毎年、広島と長崎で被爆者への慰霊祭が行われます
式典の模様は各メディアが取り上げますので、誰もが目にした経験があると思います
しかし、多額の費用と手間をかけた式典が毎年実施されているとのは裏腹に、長崎の原爆資料館は学芸員が2名しかおらず(現在は臨時雇いを加えて3名)、資料の管理にも手が回らない実情なのだと共同通信が記事にしています
長崎市長や広島市長が大勢を前に平和宣言とか口にしていますが、原爆の資料も管理できていないほどお粗末な状況にあるとは、なんとも情けない話です。平和宣言よりも、資料の管理に力を入れるべきではないのか、と長崎市長に言いたくなります
平和宣言の枕詞に、「世界で唯一の被爆国である日本が云々」と謳われるのですが、力の入れどころが間違っているのでは?
常設展ですら展示物の入れ替えがなく、長年同じ資料を展示したまま、というのは情けなくなります
被爆資料2万点がほぼ死蔵 長崎原爆資料館 学芸員不足、調査分析追いつかず
約2万点。これは長崎原爆資料館(長崎市)が所有する被爆にまつわる資料の数だ。焼け野原となった市街地の写真や熱風で溶けた瓦、被爆者の罹災(りさい)証明書など、分野は多岐にわたる。一方、展示されているのはごく一部。収蔵品の目録は非公開としているため、市民や研究者による活用は望めず、多くが事実上の死蔵状態となっている。背景には資料の調査や分析を担う学芸員の人数不足がある。被爆の実相を後世に残すための施策が求められている。
▽学芸員はたったの2人
「とてもじゃないが一つ一つの資料の精査まで手が回らない。日常業務に忙殺され、研究の時間は取れない」。長崎市の担当者はそう漏らす。資料館は被爆にまつわる写真や現物資料、書類などの寄贈を受け付けており毎年、数十~数百点の申し込みがある。だが、対応にあたる学芸員はたった2人。ことしは被爆75年の節目で収集を強化しようと期間限定でさらに1人を雇い、「かなり助かっている」と先の担当者は話す。それでも過去の資料について調べる余裕はないという。
(以下、略)
核廃絶運動が社会党系と共産党系に分裂し、それぞれの党派による平和行進が行われるなど、政治色によって歪められてきた経緯も影響しているのか、資料の管理も研究もできない状態にあるのは嘆かわしいことです
省略した記事の部分では、直接の被爆に関する資料のみを資料館では寄贈を受けており、核廃絶運動などの資料は対象外なのだとか
それはそれで問題あり、でしょう
被爆地である長崎が核廃絶をどう訴えてきたのか、運動の足跡を示す資料も重要です
別段、「国が管理すべきだ」などと言うつもりはありません
長崎市がしかるべく予算を割き、学芸員を雇用するなり、民間の寄付を活用して財団法人を立ち上げるなり、手段はいくつもあるわけで
毎年実施する平和式典の予算の一部でも資料館の充実に当てられないものか、とも思ってしまいます
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