杉並保育士殺害 松岡被告は無罪を主張
2019年3月末、東京都杉並区のアパートで保育士の女性が殺害された事件があり、殺人容疑で起訴されていた松岡佑輔被告の裁判が始まりました
コロナウィルスの影響で刑事裁判の日程にも影響が生じ、公判が先送りされるケースが少なくありません
ただし、緊急事態宣言で自粛していた時期より、現時点の方が感染拡大中であり、このままでは再び公判の延期が検討されるかも…
国民の利益を考えるなら迅速な裁判に努めてもらいたいものですが、「公判廷がクラスターになり、出席者の感染が相次いだ」などという事態が起きる可能性もあるわけで、裁判所は気を使うでしょう
さて、この事件が起きたとき、アパートの屋根からベランダへ降り、ガラス戸を破って侵入するというプロの泥棒めいた手口が話題になりました。松岡被告がどこでプロの泥棒の技を習得したかは不明です
本日の初公判では松岡被告の弁護人が、「殺害は自分ではない第三者がやったもの」と主張し、争うか前を見せています。松岡被告自身は黙秘すると宣言し、沈黙を続けています
裁判の場で黙秘する被告人は珍しくないものの、無罪を主張したいのであれば積極的に無罪を訴えるべきであり、黙秘しても被告にメリットはほとんどありません
弁護側の言い分としては、ベランダに残されたビニールひもから第三者のDNA型が検出されたと指摘。「部屋に複数人がいた可能性があり、松岡被告の犯行とするには合理的な疑いが残る」のだとか
昔なら、「一片でも疑わしい事実があれば被告人の利益に」との理屈がまかり通ったかもしれませんが、現在では犯行を否定するに足りる証拠でなければ不明なものは不明として処理されます
東京都杉並区のアパートで平成31年、乳児院勤務の保育士、照井津久美さん=当時(32)=を殺害したとして、殺人と住居侵入の罪に問われた同僚の松岡佑輔被告(33)の裁判員裁判初公判が24日、東京地裁(下津健司裁判長)で開かれ、松岡被告は「黙秘します」と述べた。弁護人は住居侵入罪は争わないとした一方、「殺害したのは被告以外の第三者だ」として殺人罪について無罪を主張した。
起訴状によると、31年3月26日、照井さんが住んでいたアパートの2階の部屋に侵入し、背中を包丁で1回刺して、失血死させたとしている。
捜査関係者によると、事件直後、現場付近の防犯カメラ画像に、松岡被告とみられる男が写っていた。
(産経新聞の記事から引用)
保育士をしている一人暮らしの女性が大金を所持している可能性はなく、勝岡被告と第三の男の複数人で侵入盗を試みるとは思えません
同じ職場に勤務していた松岡被告と被害者の照井さんですが、照井さんには別に交際相手がいたようで、松岡被告とは交際していなかったと考えられています。松岡被告が一方的にのぼせ上がり、夜勤で留守の照井さんの部屋へ侵入した、と判断するのが妥当でしょう
夜勤を終えて帰宅した照井さんと鉢合わせになり、咄嗟に殺害したのでしょうか?
松岡被告は上記の記事の通り殺害は否認していますので、この辺りの経緯は取り調べ段階でも供述を拒んだはずです
ちなみに照井さんの部屋からは松岡被告と同じ型のDNAが採取されており、これで無罪を主張しても通用しません
「週刊女性」は以下のような記事を掲載していますが、残念ながら松岡被告の人となりは伝わってきません
中学時代は熱心な剣道少年だった、などと言われたところで何かを判断する材料にはなりません
剣道少年が「殺人鬼」になるまで
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