佐世保高1女子殺害事件を考える15 「責任を感じる」
2014年7月、長崎県佐世保市のマンションで女子高生が殺害される事件があり、同級生であった女子生徒が逮捕されています
少年審判の結果、彼女は医療少年院(おそらく京都医療少年院)に送致され、現在も収容された状態です
今日はこの事件に関する2本の記事を紹介します
残念ながら2本の記事からは、彼女が何を反省しているのか伝わってきませんし、彼女と被害に遭った生徒の通っていた高校がどのような対応を行ったのか伝わってきません
最初は読売新聞の記事です
長崎県佐世保市の高1女子生徒殺害事件から26日で6年となるのを前に、少年院送致された加害者の元少女(21)の付添人を務めた弁護団が、元少女の近況を書面で明らかにした。「年を経るほどに思い悩むことも増え、罪を背負っていくことの厳しさ、負うべき責任などを感じるようになっている」としている。
弁護団によると、元少女は現在も更生プログラムを受け、弁護士と手紙のやりとりや3か月に1回程度の面会を続けている。今年も命日を前にし、自身の心情などをつづった遺族への謝罪文を書いたという。
長崎家裁の決定によると、元少女は2014年7月26日夜、一人暮らしをしていたマンションの自室で、同級生の女子生徒(当時15歳)を殺害するなどした。家裁は15年7月、第3種少年院(旧医療少年院)送致とする保護処分を決定した。
(読売新聞の記事から引用)
もちろん法務省の側も、現在の彼女の状況がどうであるか、公式には何らアナウンスしていないのであり、どこまで更生に向けた取り組むが進んでいるのか不明のままです
弁護士として何を目指しているのか、書かれていないので分かりません。が、推測するに更生しての社会復帰を考えているはずです。それなら事件と向き合い、自身の犯行をどう考えているのか、もう少し具体的に明かす必要があるのではないでしょうか?
法務省としても医療少年院からの退院を目標にしていると思われますが(例外的にそのまま外部の精神科の病院に入院というケースもあります)、それならばなおのこと途中経過を国民に告知する必要があるのではないでしょうか?
密室の中でごにょごにょしているだけでは、何も伝わりません(彼女の近況を伝える報道としては、まだ2016年7月の記事の方が中身があります=当ブログでも取り上げました)
記事を比較すると、改善に向かって進んでいるようには感じられない内容です
そして、彼女の母校の対応は以下のように伝えられています
佐世保市で当時、高校1年生だった女子生徒が同級生に殺害された事件から26日で、6年になります。
2人が通っていた高校では22日朝、命について考える集会が開かれました。
加害者と被害者が通っていた佐世保市の高校では、22日朝、全校生徒が奪われた命に黙とうを捧げました。
6年前の2014年7月26日。
佐世保市内のマンションで当時、高校1年生だった女子生徒が同級生に殺害されました。
この高校では毎年命について考える全校集会が開かれていますが、2020年は新型コロナの影響で生徒は各教室で校長の講話に耳を傾けました。
校長の講話 「時にはつらいと思うことがあるかもしれません。それでも生きていることをありがたいと思う心、感謝の心があれば、より充実した心豊かな人生を歩んでいけるのではないでしょうか」
集会では2020年も事件の詳細については触れられませんでした。
理由について校長は「生徒が精神的に不安定になるおそれがあるため」と説明しています。
(FNNプライムオンラインの記事から引用)
犯行の残忍さを生徒たちに教える必要はないにしても、この事件が意味するところを避けたまま「命を大切にしましょう」と呼びかけたところで何の効果があるのやら、と言いたくなります
事件があった日、被害者の命日が巡ってきたので何かやらなくては、という感じならば何もしない方がましです
あまりに特異な事件だったため、学校現場として何をどうしたらよいのか分からない、というのが本当のところなのかな、とは思いますが
定型的なカリキュラムを消化し、いわゆるお勉強だけ教えるのが高校ではありません。豊かな人間性の獲得を目指すのなら、彼女のどろどろした欲望やら怒り、妬み、寂しさといったものを生徒たちに短時間ではあっても考える機会を与える必要があるのではないでしょうか?
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