韓国 国産通信衛星の開発に着手?

韓国はこれまでにいくつのも通信衛星や気象観測衛星を打ち上げてきました。打ち上げそのものはアメリカやロシア、EUのロケットを利用しながらも、衛星本体は国産技術で開発したと強弁していた実態があります
しかし、その衛星も欧州企業に丸投げして作ってもらったのが現実です。ですが、上記のように韓国政府、韓国メディアともに「韓国独自の技術で製造した」と繰り返し報じてきたため、現在でもなお「韓国は人工衛星開発で世界トップクラスの実力を有している」と思い込んでいる韓国人が少なくありません(韓国の掲示板にそう書き込むユーザーが少なからず存在します)
今月になって韓国政府は、「国産技術で韓国初の通信衛星を開発する」と発表しています。つまり、これまで韓国独自の技術で人工衛星を開発してきた…という公式発表が嘘だと認めたわけです。しかし、ツッコみたいのはそこではありません
以下、レコードチャイナの記事を引用します


2020年7月8日、韓国メディア・韓国経済は「国産技術で作る韓国初の通信衛星『千里眼3号』の開発事業が来年から始まる」と報じた。
記事によると、韓国科学技術企画評価院(KISTEP)は4118億ウォン(約370億6540万円)規模の静止軌道公共複合通信衛星(千里眼3号)開発事業の予備妥当性調査を先月末に終えた。これは、朝鮮半島の上空約3万6000キロ、経度128.2度の静止軌道で、通信、航法補正サービスを提供する衛星だという。
韓国の国産技術で通信衛星を製作するのは今回が初めてのこと。韓国電子通信研究院(ETRI)と韓国航空宇宙研究院が事業を主導するという。1990年代以降、放送通信サービスを提供していた「ムグンファ衛星」は、欧州の技術で作られた衛星だった。2010年6月に打ち上げられた「千里眼1号(通信・海洋・気象衛星)」には通信搭載体があるものの、試験用のため正式なサービスはできなかった。
「千里眼3号」は5G通信サービスの品質を高めるために使われるとみられており、災害対応の緊急通信用としても活用される予定。また、米国が運用する衛星測位システム(GPS)の誤差を補正する「静止衛星型補強システム(SBAS)」機能も、国内衛星の中で初めて備えることになるという。
科学技術情報通信部は「千里眼3号」に使われるSBASの開発経験を基に、今後、韓国型衛星測位システム(KPS)の構築事業を進めるという。事業費が4兆ウォン(約3603億円)に上る大型国策事業で、来月に予備調査が予定されている。KPS事業は、国産の衛星7基を打ち上げ、2035年ごろに独自の衛生測位システムを構築するのが目標だという。
また、科学技術情報通信部は今年末に国家宇宙委員会に「千里眼3号」の開発案を正式に上程し、来年から本格的な事業に着手する方針。事業費4118億ウォンのうち、科学技術情報通信部が2600億ウォン(約234億213万円)、環境部が502億ウォン(約45億1840万円)、国土交通部が533億ウォン(約47億9740万円)、海洋警察庁が483億ウォン(約43億4740万円)を分担するという。
これを受け、韓国のネット上では賛否両論が出ている。
賛成派からは「税金の使い道はこうあるべき。宇宙を制した者が世界を制する」「早く着手して」「通信衛星だけじゃなくKPS事業も早く始めるべき」「巨額を投じてロケットを開発するよりよっぽどいい」などの声が上がっている。
一方、否定派からは「開発してどうするの?管理もろくにできないくせに。KTがかつて国税を投入して人工衛星を開発したのに安価に売却したの忘れたの?」「もっと安く開発できると思うけど…。そのお金は誰の懐に入るのかな」などの声が寄せられている。


韓国の人工衛星の特徴として、1基の衛星にさまざまな機能をこれでもかと盛り込みたがる傾向が顕著です。人工衛星は大きさ、重さの制約がありますので、機能を絞り込み必要最低限に留めるのが通常です。しかし、上記の記事のように韓国は1基の衛星をさまざまな目的で使おうとする貧乏人の発想から抜け出せません
名称は千里眼ですから、高解像度のカメラを搭載した衛星のはずです。現在運用している千里眼2号はたしか気象衛星だったはず。しかし、今回は高解像度カメラ付きの気象衛星を通信衛星としても使おうという発想が理解できません。さらに衛星測位システムの補完にも利用するとか
幾つもの静止衛星を打ち上げる予算がないため、1基にあれもこれもと載せたがるのでしょう
しかし、打ち上げた衛星にトラブルが生じた場合、これら複数の目的が達成できない事態を招くのであり、危険な賭けです(とくに韓国の技術で開発するとなれば、衛星そのものが正常に機能するか疑問です)
これまで韓国メディアは日本が人工衛星や探査機を打ち上げるたび、対抗意識丸出しで宇宙ネタを投入してきました。宇宙開発競争で日本に負けていない、と言いたいがゆえでしょう
今回もH2Bロケットによるコウノトリ打ち上げ成功、はやぶさ2号の地球への帰還、UAEの火星探査機を三菱重工が打ち上げるという話題にぶつけるため、このネタを引っ張り出してきたのかな、と思い取り上げました

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