中学受験前に息子を刺殺 父親に懲役13年判決

2016年8月、中学受験を控えた息子を包丁で刺殺した父親に対し、最高裁は殺意を認めた上で懲役13年の判決を妥当とし、上告を棄却する決定を下しています
佐竹憲吾被告は東海中学出身ですが、犯行当時はトラック運転手をしていたのだとか。トラック運転手を見下す意図はありませんが、愛知県下でも医学部進学率の高い中高一貫教育をしている学校出身者にしては意外な気がします
そして佐竹被告が息子を進学させたかったのも、東海中学だったのでしょう
佐竹被告が最高裁まで争ったのは、「殺意はなかった。息子の態度を改めさせようと包丁で脅しただけ」との主張に執着したためです


最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、名古屋市のマンションで平成28年、中学受験の勉強を指導していた小学6年の長男を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職、佐竹憲吾被告(52)の上告を棄却する決定をした。17日付。懲役13年とした1、2審判決が確定する。
1、2審判決などによると、被告は自身が卒業した私立中に長男、崚太君=当時(12)=を進学させるため勉強を教える中で暴力を振るうようになり、28年8月21日、崚太君の態度にいら立ちを募らせて胸を包丁で刺し、失血死させた。
弁護側は、もみ合った際に被告が持っていた包丁が意図せず刺さった可能性があるとして傷害致死罪にとどまると主張。当時は心神耗弱の状態だったとも訴えていた。
(産経新聞の記事から引用)


弁護側の主張によれば、佐竹被告は自閉スペクトラム症候群であり、殺意はなく、事件はあくまでも偶発的なものであって傷害致死罪が適用されるべきだとのことです
ただし、妻は佐竹被告の暴力に我慢できず家を出ている状態であり、息子に対しても度々暴力をふるっていたのは明らかです。つまり、自分の意志に反する家族の行動に我慢ができず、暴力に走る人物だったのでしょう(それゆえ、佐竹被告は社会人としても出世できなかったと推測されます)
明白な犯罪行為があるのに、自閉症スペクトラム症候群だから罪一等を減じるべきなのか、どうか?
殺害された崚太君の母親は以下のように法廷で証言しています

「はじめは崚太、崚太と言ってかわいがっていて野球したり。塾に入ってから(暴力が)どんどんエスカレートした。小学3年生の終わりぐらい」
「教科書を破ったり、積み重ねた本を蹴ったり破いたりするのも見た」
「『受験もしたこともないやつがガタガタ言うんじゃない」と…」
「崚太の髪の毛が抜けていたところがあって、『パパに抜かれた』と言った。このまま家を出ようと言ったが、『パパとママ一緒がいいから嫌だ』と言っていた」

この証言を佐竹被告は法廷で聞いていたはずですが、まったく響かなかったのでしょう
息子の気持ちなどまったく考慮もせず、汲み取る気もなかったはずです。それでいて懲役13年でならないのか、最高裁まで争った佐竹被告ですから、刑が確定しても不満たらたらと思われます
刑務所では自閉症スペクトラム症候群でも原則、一般の受刑者と同じ扱いにしますので、刑務所生活ではトラブルが絶えないのでしょう
刑務所は年齢、前科、刑期をもとに受刑者を各地の刑務所に振り分けます。52歳で初めての受刑生活となれば、おそらく三重刑務所に収監されるはずです

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