福岡人質事件 渡辺祐樹容疑者とは?

4月21日、福岡市で起きた人質たてこもり事件は発生から約6時間ほどで渡辺祐樹容疑者(35)が逮捕され、人質となっていた女児2人も助け出され解決しました
警察が人質事件に際しては犯人の説得を最優先するのは相変わらずであり、解決に24時間以上費やす場合も少なくありません。警察庁としては従来の対処方法を見直す気はないのであり、「何十時間かけてでも説得する」方針のようです
自分などは犯人の生死は度外視し、人質の命を優先して1分でも1秒でも早く解決すべきだと思うのですが(長時間、人質になるのはそれだけ精神的な負担が大きいのですから)
さて、逮捕された渡辺容疑者がどのような人物であるか、メディアが報じています


福岡市南区のうなぎ店で21日、元従業員の男が女児2人を人質にして立てこもった事件で、男と同居する60代の母親が少なくとも昨年から複数回にわたり「息子に金を無心され、暴力を振るわれる」と福岡南署に相談していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。母親は事件前夜にも「身の危険を感じる」と相談していた。逮捕監禁容疑などで現行犯逮捕された男は「店主とあつれきがあった。店のシャッターが開くのを待ち伏せした」という趣旨の話をしており、福岡県警は計画的犯行とみている。
元従業員の無職渡辺祐樹容疑者(35)=同区三宅2丁目=は21日午前8時半ごろ、同区大橋1丁目のうなぎ店に侵入して包丁2本を持ち出し、店主の6歳と3歳の子どもを人質に約6時間立てこもった疑いが持たれている。
捜査関係者によると、母親は20日夜に署を訪れて「金の無心を断ると、息子から暴力を受ける。困っている」などと相談。署は「外傷がない」などの理由で事件化は難しいと判断し、避難先として知人宅を手配した。署は「適切に対応した。事件とは関係ない」としている。
母親は22日、西日本新聞の取材に応じ「20歳の頃から金を要求され、拒否するとかんしゃくを起こして暴行された」などと話した。総額は1千万円を超え、交番や署に何度も相談したという。20日夜は「お金を用意する」と渡辺容疑者にうそをついて署に行った。
母親によると、渡辺容疑者は店主と同級生。先週店を辞めたと話しており、「自分は間違っていない」と不満を漏らしたという。
捜査関係者によると、渡辺容疑者は友人の紹介で1年ほど前から店で働き始めたが、事件数日前に出勤しなくなった。当日は店1階で仕込みをしていた店主がシャッターを開けると、渡辺容疑者が押し入った。待ち伏せしてタイミングを狙っていたとみられる。渡辺容疑者には借金もあり、県警は動機を詳しく調べる。
県警は22日、同署に捜査本部を設置。6歳の姉が右手指に負った軽い傷は包丁によるものと判明し、逮捕監禁致傷、人質強要処罰法違反容疑に切り替えて送検する方針。
(産経新聞の記事から引用)


結果として女児2人を人質に取る格好になりましたが、これは偶然なのでしょうか?
あるいは意図した上での犯行だったのでしょうか?
渡辺容疑者がどうしようもない人物であるのは分かりますし、店主に刃物を突きつけて脅せば簡単に金が手に入り、自分の鬱屈も幾分かは解消できると考えたのかもしれません
そこで話は終わるはずが、店主を捕まえ損ね仕方なく女児を人質にとった…という流れとも考えられます
後はもう金を奪うどころではなく、ただ人質を抱えて途方に暮れたか、やけを起こしたか?
場当たり的な犯行であれ、女児を人質にたてこもる犯行に情状を汲む余地などありません。上記の記事にあるように、母親を度々脅し、暴行を加えて金をせびっていた経緯も考えれば執行猶予などつけず実刑を科すのが適切でしょう
女児に軽度の怪我はあったものの、大事に至らず解決したのは僥倖です。しかし、こどもといえども怖い思いをしたのですから、裁判官や裁判員はそこに配慮してもらいたいところです
追記:福岡地裁は2020年11月、渡辺祐樹被告に対し懲役7年(求刑は懲役8年)の実刑判決を言い渡しています

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