天才児を取り巻く人たち 映画「ギフテッド」
YouTubeにアクセスしたら目についたのが、2017年のアメリカ映画「ギフテッド」です。自殺した女性天才数学者の遺児と、それを育てる中年男の物語、と表現すると内容を誤解されてしまうのかもしれません
遺児であるメアリー・アドラー(7歳)は叔父のフランク、片目の猫フレッドとフロリダで暮らしていたのですが、彼女には数学の特別な才能があって、祖母イヴリンは亡き娘の姿を孫であるメアリーに重ね、彼女に英才教育を施すべきであると主張し、親権を争うための裁判を起こす…という内容です
映画「ギフテッド」
親権を争う裁判や、特別な才能を有するこどもに英才教育を施すべきとする考えなど、アメリカ社会の今が反映されていると言えます。ただ、すべてもこどもが才能に見合う教育を受けられるはありません。むしろ才能に恵まれた一部のこどもを別扱いし、最高の教育を施してやろうとする大人のエゴが不快です
社会的にそれを正しいと思い、素晴らしいと称賛する人もいるのでしょうが
映画は見事な逆転劇を演出し、大人のエゴを打ち砕いて観客にカタルシスを与えてくれます。が、現実としてはどうなのでしょうか?
以前にも天才児について書きましたが、特別な才能を有していたとして、それを開花させたり周囲の過剰な期待に応えるだけの成果を生み出すのは大変です。天才と期待されながら、才能を伸ばせずに終わるケースもありますし、世渡りが上手く行かず挫折するケースもあります
上記のような映画を製作した場合、韓国なら天才児が大人を黙らせるほど成果を挙げ、栄達する様子を嬉々として描くと思われます
かくして親も親戚も、天才児にすがり、しがみつき、その栄達のおこぼれを拾って食べて行こうとするでしょう
韓国ではスポーツ選手であれ、研究者であれ、芸能人であれ成功した者に親戚一同が群がるのが当たり前であり、成功者が一族を養うことこそ「孝」であるとする朝鮮儒教の考えが染みついています
天才児の苦悩など、誰も斟酌しません
天才児のおかげで額に汗することなく、安楽に親戚一同暮らせることが、韓国社会では至福なのですから
さて、日本では京都大学の望月新一教授による「ABC予想」を証明した論文の査読が終わり、専門誌への掲載が決まりました。論文の内容が正しいかどうか、専門の数学者が審査をするのが査読です。これをパスしたというのですから、論文が正しいと承認されたわけであり、「ABC予想」を証明するため構築された「宇宙際タイヒミューラー理論」も正しいとのお墨付きを得たと解釈されます
数学の超難問とされてきたABC予想を証明した望月新一京都大教授の論文の正しさが、権威ある専門誌に認められた。証明の前提となった「宇宙際タイヒミューラー理論」は極めて難解だが、長期的には社会を変える大きな可能性を秘めている。望月氏と親交が深く、新理論に関する著作もある東京工業大の加藤文元(ふみはる)教授(数論幾何)に論文掲載の意義を聞いた。(科学部 小野晋史)
--今回の決定をどう見る
「率直に言ってよかったと思う。とても長い論文で内容が難解かつ斬新だったこともあり、ここまでに長い時間がかかったが、掲載決定は一つの到達点だと思う。(掲載される専門誌の)『PRIMS(プリムス)』は世界的に見ても非常に信頼性が高く、一定のお墨付きであることは間違いない。私自身は望月さんの理論が正しいものだと思っていたので、この日が必ず来ると考えていた」
--ABC予想はなぜ、重要な未解決問題とされてきたのか
「これは数について、非常に根本的な性質を暴き出す予想だ。整数や素数についての深い問題を突き詰めると、足し算と掛け算の関係に行きつく。そういう非常に根本的なところにABC予想があるので、証明には波及効果があるし、破壊力もある。その意味で今回の証明は、とてつもない進展だ」
--宇宙際タイヒミューラー理論とは
「この理論は、既存の数学の言葉で書くことができるが、発想としては非常に斬新なもの。特に望月さんが『舞台』と呼ぶ、数学一式ができる世界を複数考えるという、その発想に新しさがある。その世界と世界を完全に共有できない形で行き来することにより、今までになかった柔軟性を導ける。ABC予想も、一つの数学の世界だけで考えると証明が非常に難しかった。この発想は、望月さん以前のいかなる人類もしなかったと思う。われわれが気づかなかったような未知の方法、発想によって全く新しい数学のやり方を創造した。数百年に一度の偉業と言ってよく、ノーベル賞何個分にも相当するだろう」
(産経新聞の記事から引用)
これから数学者たちと、数学者を目指す学生は新たな理論である「宇宙際タイヒミューラー理論」を学び、使いこなす必要に迫られます
自分には到底、「宇宙際タイヒミューラー理論」は理解できないのですが、1人の数学者の研究が数学の新たな歴史を開く、という瞬間に偶然ながらも居合わせたことを喜びたいと思います。そして次に控える数学の天才児たちは、これをやすやすと吸収し、自分のものとして使いこなし、さらなる地平へと歩を進めるのでしょう
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