犯罪心理学の准教授が妻刺殺 「論文を書くためやった」
文教大学の准教授が路上で妻を刺殺した、として逮捕されています。夫妻は別居中だったと報じられており、殺意を抱くほどの怨恨があったのでしょうか?
一部の報道では、逮捕時に「論文を書くためにやった」と逮捕された浅野正容疑者は語っていた、とされます
また犯行の背景や動機をさぐるだけの詳細な判断材料もないので、報じられた部分のみ紹介します
埼玉県さいたま市浦和区の県庁前で、さいたま少年鑑別所の職員浅野法代さん(53)が刃物で刺されて死亡した事件。殺人未遂容疑で逮捕された夫(51)は文教大准教授で、「埼玉犯罪被害者援助センター」の理事を長年務めていた。犯罪心理学や臨床心理学が専門で、犯罪被害者支援も研究していたという。同大は記者会見で「深くおわびします」と謝罪し、関係者は「残念としか言えない」と話した。
事件を受けて、文教大は17日午後、越谷市南荻島の越谷キャンパスで記者会見を開いた。近藤研至学長、阿川修三副学長、益田勉人間科学部長、宮越昭彦大学事務局長の4人が出席。近藤学長が冒頭、「被害に遭った方のご冥福をお祈りするとともに、世間を騒がせたことに、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
同大によると、夫は1995年3月、大学院を修了後、法務省職員となり、少年鑑別所と刑務所に計12年間勤務した。米国の大学院で犯罪被害者支援を研究。2007年4月に採用され、15年4月に准教授に就任した。経験を生かし、犯罪心理学などを担当。温厚で物静かな性格と、司法関係の実務経験があることから、公務員試験で専門職を目指している学生には特に人気が高かったという。
体調不良で時折、毎月の教授会に欠席することはあったが、授業は通常通り行われた。学生委員会が開かれた11日が最後の出勤だった。近藤学長は懲戒処分を検討する意向を示した。
近藤学長は「あれだけ学生に慕われていた准教授がこのような事件を起こしてしまい、学生に対して、かなりの責任を感じている。今後、生徒のケアが課題」と話した。
夫の講義を受けていた同大人間科学部4年の女子学生(21)は、インターネットで事件を知り衝撃を受けたいう。「進路やプライベートのことまで、学生の相談に親身になって聞いてくれる優しい先生。事件を起こすなんて信じられない。大学の仲間とも話したが、疑う人が多かった」と悲しい表情を浮かべた。
夫が理事を務めていた埼玉犯罪被害者援助センターの広田貞造専務理事は17日、事件に驚いた様子で埼玉新聞の取材に応じた。
夫が理事に就任したのは08年7月。年に数回行われる理事会や総会に出席し、事業運営や方針の決定などに関わっていた。少年鑑別所での勤務経験など専門的な見地から、意見を参考にすることもあったという。
事件について、広田専務理事は「青天のへきれき。心の奥深くのことは分からないが、このようなことになり残念としか言えない」と話していた。
(埼玉新聞の記事から引用)
経歴を見れば38歳で退官し、文教大学の講師として臨床心理学を担当するようになったのでしょう。この時点で収入は大幅にダウンし、妻よりも稼ぎは減ったはずです。8年かかってようやく准教授として採用されたのですが、この時点でも妻より収入は少なかったと思われます
夫婦仲は悪かったと家族は警察の調べで語っているのですが、それがいつからだったのか?
別居したのはおよそ1年前だそうです
さて、余談となりますが一橋大学社会学部で学んでいた浅野正が心理学に傾倒するようになったのは、アンリ・エレンベルガーの「無意識の発見 社力動精神医学発達史」を読んだのがきっかけだそうです
アンリ・エレンベルガー(フランス語読みではアンリ・エランベルジュ)は、スイスのフランス語圏生まれで南アフリカのローデシアで育ち、教育はフランスで受けています。「無意識の発見」のタイトルから分かるように、フロイト以前の「無意識探求」の歴史を掘り下げ、記述したもので自分も読みました。自分の書棚にはエレンベルガーの著作集全3巻も並んでおり、この事件の報道でエレンベルガーの名前に遭遇するのも何かの縁か、と思った次第です
この事件は続報を待って言及するつもりです
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