廿日市女子高生殺害事件 無期懲役判決
広島県廿日市市で2004年10月、高校2年の北口聡美さん(当時17歳)の自宅に強姦目的で侵入し、抵抗されたため刺殺し、現場に駆け付けた祖母をも刃物で切り付け重傷を負わせたたとして起訴されていた山口県宇部市、無職、鹿嶋学被告に対し、広島地裁は求刑通り無期懲役を言い渡しています
弁護人は「あくまで偶発的な犯行であり、計画性はなかった」と主張し、有期刑の適用を求めていました
2004年10月に廿日市市上平良の廿日市高2年北口聡美さん=当時(17)=が自宅で刺殺された事件で、殺人や女性暴行致死などの罪に問われた宇部市東岐波、無職鹿嶋学被告(37)の裁判員裁判の判決公判が18日、広島地裁であった。杉本正則裁判長は「動機は極めて身勝手で、結果はあまりに重大」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
鹿嶋被告は公判で起訴内容を認め、量刑が争点だった。杉本裁判長は1人を殺害し、1人に命の危険が迫る重傷を負わせた結果を「あまりに重大」と強調。「自宅でくつろいでいたところを突然襲われた肉体的苦痛や恐怖感は想像を絶する。何の落ち度もないのに将来ある人生を終えねばならなかった悔しさや悲しみを表現するすべもない」と述べた。13年半にわたり容疑者逮捕に至らない中、家族の不安や地域社会への影響の大きさも指摘した。
鹿嶋被告が仕事上の問題などから自暴自棄になり、突発的な犯行だった点にも言及。発達の偏りの影響や、殺害に計画性がなかった点を認めながらも「それでもなお強い非難に値する」とし、有期刑を求めた弁護側の主張を退けた。その上で被告が謝罪していることなどを踏まえ「事実の重大性を厳粛に受け止めさせ、贖罪(しょくざい)の日々を送らるのが相当」と述べた。
判決後、広島地検の横井朗次席検事は「主張する通りの判決がなされたと認識している」とコメント。鹿嶋被告の弁護人は控訴するかどうかの報道陣の質問に対し「何も話すことはない」と述べた。被害者参加制度で公判に参加した聡美さんの父忠さん(62)は「極刑を望んでいただけに負けた思いがする」と語った。
判決などによると、鹿嶋被告は04年10月4日朝、萩市内の勤め先の寮で寝坊したため、会社から責められると思って寮を飛び出した。翌5日、ミニバイクで廿日市市内に入った後、自宅の敷地内に入っていく聡美さんを見掛けて乱暴しようと考え、午後3時ごろ、離れにある聡美さんの部屋に侵入し、折り畳みナイフで脅迫。乱暴する前に逃げられたため、胸や腹を多数回刺して殺し、様子を見に来た祖母のミチヨさん(88)も刺して殺そうとした。
捜査は難航したが、18年4月上旬、鹿嶋被告が別の事件で山口県警の任意聴取を受けた際に採取された指紋などが廿日市市の事件現場のものと一致。同月13日に広島県警に逮捕された。
(中国新聞の記事から引用)
鹿嶋被告は犯行前にマスクや手袋を購入しており、まったく計画性のない犯行であったとは言い難いのですが、裁判官は「計画的な犯行ではないとしても、それでもなお強い非難に値する」との表現を判決の中で使っています
精神鑑定によれば、鹿嶋被告には広汎性発達障害の影響が見られ、突飛な行動に走るといった軽挙妄動の傾向があると指摘されています
強姦を企てて侵入しながらも、聡美さんの抵抗に遭って逆上し折り畳みナイフで繰り返し刺しているのですから、傷害致死を主張(殺す気はなかった)しても通用しません
発達障害を抱えたこどもにしばしば見られる、怒りに駆られると歯止めが効かなくなり、何度も何度も扉を蹴飛ばしたり壁に頭を打ち付ける行動と同じです
弁護人としては冒頭で書いたように計画性のない偶発的な犯行であり、被告の発達障害という負因を挙げ、有期刑が相当と主張したものの、退けられた形です
鹿嶋被告がこの判決を受け入れるのか、不服として控訴するのかは不明です。弁護人は控訴を勧めるでしょう
逮捕されるまでの13年半を、鹿嶋被告は何を考え過ごしたのか?
鹿嶋被告が自首していたなら、罪一等を減じて有期刑になっていたはずです
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