栗原心愛ちゃん殺害事件を考える 勇一郎被告に懲役18年求刑

いつもながら、この事件を取り上げるのは気が滅入ってしまいます。日常的に娘に虐待を加え、それを動画に撮影し、愉悦に浸って省みることのない異常犯罪者の事件ですから、公判に臨む裁判官も裁判員も大変でしょう
求刑公判で千葉地検は栗原勇一郎被告に対し、「凄惨で拷問といっても差し支えない行為。非道な犯行態様だ」などとして懲役18年を求刑しています
亡くなった心愛ちゃんの全身に痣や傷があり、骨折の痕もあったわけですが、勇一郎被告は「しつけのつもりがエスカレートして虐待になったが、殴ったり蹴ったりはしていない」と暴行については頑として否認し続けおり、サイコパスのサイコパスたる言動を法廷でも示しています


千葉県野田市で昨年1月、小学4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=を虐待して死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判論告求刑公判が9日、千葉地裁(前田巌裁判長)であった。検察側は「凄惨で拷問といっても差し支えない行為。非道な犯行態様だ」などとして懲役18年を求刑した。
検察側は論告で、勇一郎被告の犯行の多くを目撃した心愛さんの母親(33)=傷害幇助(ほうじょ)罪で有罪確定=の証言は信用できると述べた。その上で「(勇一郎被告は)いまだに虐待を実質的には認めていない。10歳の命が奪われた被害は重大」と非難し、児童虐待の傷害致死事件の中でも「比類なき重い事案」と主張した。
これに対し、弁護側は、母親は「共犯者であり、一般的に相手に不利な証言をする」と証言の信用性を疑問視。犯行について「しつけがエスカレートし虐待につながった」とする一方で、「日常的な虐待はなかった」と述べ、「被告は深く反省している」として適正な処罰を求めた。
勇一郎被告は最終陳述で「つらい思いをさせてごめんなさい。私が未来を奪ってしまった」と心愛さんに謝罪。裁判で母親らの証言との食い違いが指摘されたことについては「私は事実を話した」と改めて強調した。
この日は、心愛さんと7年間、沖縄県で同居していた母方の祖母も出廷。「みーちゃんは家族の宝物だった。被告はみーちゃんの痛みを感じてほしい」と語った。
(産経新聞の記事から引用)


「痛みを感じてほしい」と祖母は法廷で訴えたわけですが、勇一郎被告にはまったく響かないのでしょう。娘の痛みは勇一郎被告にとって性的な快楽を刺激する要素であり、彼自身の痛みとは別ものなのですから
千葉日報は初公判での起訴状朗読の中から、勇一郎被告の異常な行動の一例を拾い、記事にしていますので紹介します


起訴状などによると、昨年7月30日午前5時40分~同6時40分ごろ、自宅浴室で心愛さんを脅して排便させ、排せつ物を右手に持たせてスマートフォンで撮影したとされる。
今年1月5日ごろには、自宅居間で「何も信用していないよお前のことなんか」「お前みたいに暇人じゃないんだよ」「立てよ。風呂場に行けよ」などと脅迫。首を横に振って嫌がる心愛さんの衣服をつかんで廊下に引っ張り出し、なぎさ被告に助けを求める心愛さんに「邪魔だから。行けよ。早く」などと威圧し、浴室や脱衣所に立たせ続けたとされる。
なぎさ被告に対しては、同1日ごろ自宅で、胸ぐらをつかんで顔を平手で殴り、太ももを蹴るなどの暴行を加えたとしている。
捜査関係者によると、なぎさ被告は、勇一郎被告による心愛さんへの虐待を「止めようとしたら暴力を振るわれた」という趣旨の供述をしている。
(千葉日報の記事から引用)


勇一郎被告の弁護人は上記の産経新聞の記事にあるように、妻なぎさ被告の証言を「共犯者であり、一般的に相手に不利な証言をする」と証言の信用性を疑問視し、取り上げるべきではないと主張しています
日常的な虐待を繰り返したがゆえに心愛ちゃんは殺害されたのであり、弁護人の主張は所詮無理筋でしょう
懲役18年の求刑はあまりに軽すぎる感はありますが、同様の虐待死亡事件の判例を勘案すれば、これが量刑の相場です
次回の公判では最終弁論が行われ、勇一郎被告の意見陳述があって結審となります

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