西成准看護師殺人事件を考える 控訴審でも無期懲役判決

大阪市西成区で2014年、准看護師の女性を殺害して現金などを奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告(35)の控訴審判決で、大阪高裁(三浦透裁判長)は12日、無期懲役とした1審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却しています
この事件は繰り返し取り上げていますので、1審の無期懲役判決の経緯は過去の記事を読んでいただくようお願いします
さて、弁護人の控訴理由は精神鑑定で「解離性同一性障害と認められたにも関わらず、責任能力を一等減じることなく検察の求刑通り無期懲役判決として量刑判断の誤り」です。責任能力の減退(心神耗弱)を認めるべき、と言いたいのでしょう
加えて、再度の精神鑑定を要求してもいました。が、大阪高裁は再度の精神鑑定を実施すべき理由がない、とこれを認めませんでした


5年前、大阪の准看護師の女性が東京都内のトランクルームで遺体で見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた日系ブラジル人の女に対し、2審の大阪高等裁判所は、1審に続いて無期懲役を言い渡しました。
平成26年、東京・八王子市のトランクルームから大阪・西成区の准看護師、岡田里香さん(29)が遺体で見つかった事件では、小中学校で同級生だった日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告(35)が強盗殺人などの罪に問われました。
1審がことし3月、検察の求刑どおり無期懲役を言い渡したのに対し、弁護側は「責任能力や刑の重さについて判断に誤りがある」と主張して控訴していました。
12日の2審の判決で、大阪高等裁判所の三浦透裁判長は、「善悪の判断をして行動をコントロールする能力が低下していなかったとして完全責任能力を認めた1審の判決に誤りはなく量刑も不当とは言えない」と述べ、1審に続いて無期懲役を言い渡しました。
オーイシ被告は判決の言い渡しの途中、突然、無言で立ち上がり、裁判長や弁護士の制止を数分間、聞き入れずに「なんの判決や」などと発言し法廷は一時、騒然としました。
(NHKの記事から引用)


大阪地裁の1審判決は、解離性同一性障害といえども減刑の理由にはならない、とする画期的な判断であり、大阪高裁がそれを追認したのは正直驚きました。今後の裁判の流れが変わる可能性があります
被告側の全面敗訴と言うべき判決であり、オーイシ被告が「何の判決や」と怒声を発したのも分かります
ところで解離性障害を主張するオーイシ被告は、人定質問で年齢を尋ねられ「9歳」と答えているのですが、判決言い渡しの場面だけは素に戻っていたのでしょうか?
解離性同一性障害で複数の人格に切り替わると言いつつ、その場その場で便利に人格を使い分けているようにも映ります。つまり、詐病ではないのか、と
オーイシ被告にすれば解離性同一性障害を演じ続ければ減刑されると計算していたのに、裁判官が無期懲役を言い渡したので、思わず「本音」が出たのかもしれません
法廷で「9歳」と答えたのなら、最後まで9歳児のふりを貫かないとダメでしょう
また、ニュースサイトの控訴棄却を伝える報道に対し、「性同一性障害が強盗殺人と何の因果が有るの?」とコメントを書き込み弁護士の主張を批判する人がいます。報道内容をよく読まず、吟味もせず、解離性同一性障害と性同一性障害を混同し、アホなコメントを書き込むのはみっともない限りです
トンチンカンなコメントを書き込み、「言ってやったぞ」と何かを指摘した気になっているのにはほどほど呆れます

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