福岡母子3人殺害事件を考える 初公判で無罪主張

2年前の6月、福岡県小郡市の民家で中田由紀子さん(38)ら母子3人の遺体が見つかった事件では、夫で福岡県警の巡査部長だった中田充が容疑者として逮捕されました。中田は警察の取り調べに対し、容疑を否認し続けており、捜査は難航。ようやくにして初公判に漕ぎつけました
公判の場でも中田被告は容疑を否認し、冤罪を主張しています


福岡県小郡市で2017年6月、妻と子ども2人を殺害したとして、殺人罪に問われた元県警巡査部長の中田充被告(41)=懲戒免職=の裁判員裁判初公判が5日、福岡地裁(柴田寿宏裁判長)で始まった。罪状認否で中田被告は「一切身に覚えがなく事実無根。間違いなく冤罪(えんざい)です」と無罪を主張した。被告の関与を直接示す証拠はなく、検察側が関係者の証言など「間接証拠」によって被告の犯行を立証できるのかどうかが最大の注目点となる。
起訴状によると、中田被告は17年6月5日深夜から同6日未明にかけ、同市小板井の自宅で、妻由紀子さん=当時(38)=の首を何らかの方法で圧迫して殺害した他、小学4年の長男涼介君=同(9)=と小学1年の長女実優さん=同(6)=の首をひものようなもので絞めて殺害したとされる。
検察側は冒頭陳述で、中田被告は日ごろから妻に生活態度を注意され、同僚に「妻に死んでほしい」と述べていたと説明。残業とうそをつきギャンブルに興じていたことが妻に発覚して離婚話になっており、「家庭を顧みず不満をためていた。妻や子どもを殺害する動機となり得る事情があった」と主張した。
また、中田被告の携帯電話の歩数計アプリ記録などから、被告が犯行時間帯に自宅で起きていたことや、第三者の犯行をうかがわせる事情がないことを踏まえ、「被告以外の犯行は考えられない」と述べた。
一方の弁護側は、「夫婦関係は悪かったが、殺害の動機につながるものではない」と反論。被告を犯人と断定する直接の証拠はなく、「検察側の主張では第三者が介在した可能性を否定できない」とした。
(西日本新聞の記事から引用)


近隣住民からは仲の良い家族、と見られていたのですが、実態は違ったようです。中田被告は警察部内の昇任試験を何度もしくじっており、ギャンブルに逃避していたのでしょう(と、書きましたが後日、この指摘は誤りだと分かりました。中田被告は学生時代からパチスロにどっぷりはまっていたそうです)。同期の者や後輩が昇進するのを見て、焦りがあったのか自暴自棄になったのか
そうまで妻と揉めたのであれば離婚すればよかったものを、と言いたくなるのですが、離婚に踏み切れない事情があったのでしょうか?
中田被告が語らない以上、本当のところは分かりません
殺害現場になった部屋には練炭が置かれ、無理心中を図ったかのように偽装されていました
犯行のあった6月に部屋の中で練炭コンロを使ったりするはずもなく、事前に中田被告が練炭を用意していたと考えられます。通りすがりの第三者が、練炭を持参して母子3人を殺害するため侵入した、などという説明は滑稽すぎます
弁護人が第三者による犯行だと主張するなら、練炭を持参した殺人犯についてプロファイリングしてもらいたいところです。さぞかし特異な犯人像を描き出せるのでは(皮肉です)
また、福岡県警の通信指令室に勤務する中田被告が、妻の姉から自宅の異変を知らせる110番通報を受けたと主張しているのですが、通信指令室にそのような通報があったとの電磁記録はありません。つまり犯行時刻に自分は家におらず、通信指令室で勤務をしていたと見せかけるアリバイ工作に失敗しているのです
火曜サスペンス劇場なみのアリバイ工作ですが、それゆえかえって足許をすくわれた格好です
今後の公判での立証に注目しましょう。妻子3人を身勝手な理由で殺害しているのですから、死刑が求刑されるはずです

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