川崎トンネル殺人事件 犯行を認め謝罪
13年前、仕事帰りの女性が川崎市宮前区で刺殺された事件で、犯行を自供していた鈴木洋一受刑者の裁判が始まっています
鈴木受刑者は別件の傷害事件で有罪が確定し、刑務所に服役中でした。受刑中にこの未解決になっていた殺人事件の犯行を自供をし、いわば自首した格好になります
逮捕から初公判まで時間がかかったのは、鈴木受刑者の弁護人が人格障害を主張し、約4か月ほど精神鑑定が行われたためです
鑑定の結果は明らかにされていませんが、報道された部分では「性嗜好障害など」と診断されたようです。事件の態様から推察すれば、女性を刃物で切り付けるような行為に性的快楽を見出す⇔性的快楽を追及したいがゆえに刃物で女性を切りつけるといった加虐嗜好が強いと判断されたのでしょう
しかし、検察は責任能力に問題はなかったと判断して起訴しています
川崎市宮前区のトンネルで平成18年9月、近くに住むアルバイトの黒沼由理さん=当時(27)=が刺殺された通り魔事件で、殺人罪に問われた無職、鈴木洋一(ひろかず)被告(39)の裁判員裁判第2回公判が21日、横浜地裁(景山太郎裁判長)で開かれた。被告人質問で、鈴木被告は「被害者が困惑し、苦悶(くもん)する表情が見たかった」などと犯行の動機や経緯を説明した。
弁護側の質問に対して鈴木被告は、事件当日は仕事上のストレスがたまっており、「かなりイライラしていた。(黒沼さんを)ただ脅かすだけでは済まないと思った」などと犯行直前の心情を吐露。仕事帰りに立ち寄った実家から自宅までの帰路、偶然見かけた黒沼さんを犯行現場のトンネルに先回りして待ち伏せ、凶器の包丁で殺害するまでの経緯を説明した。
別の事件で服役中の28年1月に、神奈川県警に犯行をほのめかすはがきを送ったことについては、27年に自身が病気を患ったことが契機だったとし、「自分は命を救われたけど、何もしていない被害者が、なぜ命を落とさなくてはいけなかったのかを考えた」と説明。「尊い命を身勝手に奪ってしまい、本当に申し訳ない」と、謝罪の言葉を口にした。
一方で、検察側や裁判官から、最初に黒沼さんの腹部を刺した際に殺意がなかったかを問われると、「死ぬ危険性があるという認識がなかった」などと否定。その後、胸部を刺した理由については、抵抗した被害者の足が「自分の股間に当たって激高」したため、「殺意に基づいて刺した」とした。
(産経新聞の記事から引用)
目撃証言や物証の乏しい事件ですが、鈴木被告が犯行そのものを認めていますので、争点にはなりません。犯行をほのめかす手紙を神奈川県警宮前署宛てに出していることからすれば、自首を認めて罪一等を減じることになるのでしょうか?
あるいは性的嗜好障害が犯行に与えた影響を考慮するのでしょうか?
鈴木受刑者が日常的に家族に対し暴力をふるっていたり、社会生活が破たんするほどSMプレイに耽溺していたならともかく、そでないのであれば性的嗜好障害を理由に減刑するとは考えられません
検察の論告がどうなるのか、注目しましょう
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