新潟女児殺害事件11 解離性障害だと主張
小林被告の公判が続いています。14日の公判では小林被告の両親が出廷し、衝立の向こう側にいる被害児の父親に謝罪した、とも報じられています。「これから息子とともに苦しみながら生きて、生涯謝罪していくことしかできない。ばかな息子が取り返しのつかないことをしていまい、大変申し訳ありませんでした」と述べているところから、小林被告の両親は事件を重く受け止めているのが伝わってきます
さて、弁護側の証人として出廷した精神科医が以下のように証言しています
新潟市西区で昨年5月、下校中の小学2年の女児=当時(7)=が連れ去られて殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた小林遼被告(25)の裁判員裁判公判が14日、新潟地裁(山崎威裁判長)で開かれた。弁護側証人として出廷した精神科医が「小林被告が『反省心はない。死刑でも構わない』と話していた」と証言した。
弁護側はこれまでの公判で、小林被告が解離性障害、抑鬱(よくうつ)障害などの問題を抱えていると主張。「治療を希望している」として、情状酌量などを求めている。
精神科医は弁護側の依頼を受けて今年4~7月、小林被告との面談などを実施。その際、事件について「反省心はない。裁判はどうでもいい。死刑でも構わない」と話したという。
こうしたことについて精神科医は、小林被告が抑鬱障害のために自暴自棄になり、他人を殺害することに対する認識が希薄になっていた可能性があると指摘。動機などを解明するために正式な鑑定の必要性があるとした。
また、解離性障害をめぐっては、小林被告が「5人くらいの男性の声が聞こえてくる」「(事件当時に)『やめようよ』という声と『やっちゃえ』という声の両方が聞こえた」などと話していたと証言。障害の影響で犯行時の記憶が一部欠けていることなどから、犯行の計画性に疑義を呈した。
一方検察側は、被告の精神科医に対する発言が捜査段階の供述内容と食い違うことを指摘。被告が自分に責任能力がないように見せかけるために嘘をついた可能性を指摘した。
(産経新聞の記事から引用)
弁護人の意図が分かりにくいのですが、小林被告の責任能力の有無は争点にしていなかったはずです。なので、解離性障害とか抑鬱障害があるとの申し立ては、責任能力が減退していたので罪一等を減じるべきとの主張ではなく、あくまで情状酌量を求める狙いなのでしょうか?
記事にあるところの、「反省はない。死刑になっても構わない」という鑑定医への投げやりな態度は、逮捕された後の気分の落ち込みによるもので一過性の症状です。それが情状酌量の理由になるとも思えません
解離性障害とは解離性同一性障害のことを指していると思われますが、現実逃避のため小林被告が思いついた話のように映ります。現時点で複数の人格が次々と現れたかのような混乱状態にあって、理性が吹き飛んでしまい公判に耐えられないほど深刻な状態ではないでしょう
小林被告は犯行時に「複数の声が聞こえた」と発言しています。ならば責任能力が減衰していた、心神耗弱であったとして責任能力を争点に据えるべきでしょうが、なぜここで言い出したのか判然としません
通常の裁判なら検察の起訴状朗読の後で、弁護人が責任能力に問題があるとし、再度の精神鑑定を要求するところです
上記の記事を読む限り、弁護人は精神鑑定を要求しておらず、精神科医が私見として鑑定の必要性を主張しただけです(あるいは記事の書き方が悪いのか)
どうなっているのでしょうか?
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