八戸女児殺害未遂事件 男子中学生を逮捕

秋の日差しはつるべ落としの如くで、急激に暗くなります。青森県八戸市で下校中の女子児童が男に切り付けられた事件も夕方4時40分頃、急に暗くなる頃合いです
容疑者として市内に住む男子中学生が逮捕され、警察の素早い対応に地域の方々はほっとしたことでしょう
さて、中学生の容疑者ですから報道は控え目になります。どこの誰であるかは、今後の報道でも伏せられたままでしょう


青森県八戸市で12日夕に小学校高学年の女子児童が首を切りつけられ、全治3週間のけがを負った事件で、県警は13日、市内の男子中学生(14)を殺人未遂容疑で緊急逮捕したと発表した。中学生は「カッターナイフを使った。殺すつもりだった。誰でもよかった」との趣旨の供述をしており、容疑を認めている。
発表では、中学生は12日午後4時40分頃、同市新井田西の路上で、下校していた女児の首の前部を刃物で切りつけ、殺害しようとした疑い。切り傷は長さ約10センチ、深さが最大1センチという。
捜査関係者によると、現場付近の防犯カメラに女児の後をつける若い男が映っていた。学校指定のようなリュックやカバンを持っており、逮捕された中学生とみられる。また、中学生の所持品の中から、凶器とみられるカッターナイフが見つかった。県警は中学生も下校途中だったとみている。
女児は、後ろから来た面識のない男にいきなり切りつけられたと話しており、県警は、容疑者の服装に関する女児の証言や、防犯カメラ映像を基に12日夜、中学生を市内で発見、緊急逮捕した。刑法や少年法は、刑事処分の対象を14歳以上と規定している。
八戸市教育委員会は13日午後に記者会見して、女児が病院で順調に回復し、面会した小学校の担任と笑顔で話しているものの、大事を取って週末まで入院することを明らかにした。一方、逮捕された中学生は運動部所属で入学以来、目立ったトラブルは確認されていないという。市教委は、小中学校で児童、生徒の不安を解消するため、臨床心理士によるカウンセリングを行う方針。
(読売新聞の記事から引用)


報道を受け一般世間の反応としては、神戸の連続児童殺傷事件と絡めた声が多く挙がっています
そしてお約束のように、「少年法など要らない。厳罰を科せ」という声も
容疑者は「殺すつもりだった」と供述しているので、事件は傷害致死ではなく殺人未遂として扱われるでしょう。厳罰を科せと言われても、殺人未遂では無期懲役の判決は出ません
少年法に照らすと、「犯罪傾向は軽微と言えず、相当長期間の矯正教育を施すべきである」と判断され、20歳近くまでの長期収容になるでしょう
家庭裁判所が検察官送致にして、刑事処分を求めるかは微妙です。他に同様の殺人未遂事件の容疑があるならともかく、本件のみとなれば検察官送致はないと予想します
さて、話が前後するものの、「神戸の児童連続殺傷事件と同じ」と断定するのは危険ですし、同一視したところで何のメリットもありません
むしろ、同じだと安易に決めつけるほとの方が事件を読み誤る惧れがあり、避けるべきでしょう
3つや4つの共通する要素があったとしても、です
精神分析の側からすればエディプスコンプレックスの克服に失敗し、逸脱したケースと解釈もできますが、そうと決めてかかって特定の型にはめ込むのが最善の方法だとは思えません
男の子は誰かのエディプスコンプレックスの克服方法を見習って思春期を過ごすのではなく、自身のまっさらな経験としてエディプスコンプレックスに直面し、戸惑い、迷い、悩み、傷つき、怒り、泣きながら思春期を過ごすわけで
もう少し判断材料が揃うまで、注意深く見守りましょう

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