さいたま小4男児殺害事件を考える 連れ子殺しの理由

再婚したり同棲している男が、相手女性の連れ子を虐待したり殺害する事件が頻繁に起こります
男の方がこどもに愛情を注ぐ妻(同棲相手)に不満を抱き、こどもを邪魔だと感じ排除しようとするため、との説明ができるのですが実際はどうなのでしょうか?
千葉県野田市で栗原心愛ちゃんが実父の虐待により殺害された事件の場合、女児をとことん虐め抜いて苦しめる行為に性的快楽を覚えた、サイコパスによる犯罪と考えられます。自分の思うがままに支配し、隷属させ、少しでも意に沿わない態度が見られたなら過剰な暴力をふるう(むしろ、暴行を加えて苦しめるのが目的であり、そのために些細な違反を重大な過失であるかのように理由付けする、と言い換えた方が適切でしょう。実の娘を暴行し、追い詰めるという背徳感も栗原勇一郎容疑者にとっては快楽だったと推測されます)
さて、さいたま市で妻の連れ子である小学4年生の男児を殺害し、遺体を遺棄した進藤悠介容疑者の犯行はどう考えるべきなのでしょうか?
精神科医の片田珠美先生が「母親の愛情を奪い合うライバル関係だった可能性」に言及していますので、取り上げます
なお、長文の記事なので一部のみ引用させてもらいます。全文を読みたい方はアドレスを貼っておきますので、以下のサイトにアクセス願います


義父と息子、母親の愛情を奪い合うライバル関係だった可能性
(前略)
子殺しは、その動機にもとづき、次の4つに大別される。
(1)望まぬ子供を消すための子殺し
(2)慈悲による子殺し
(3)配偶者への復讐のための子殺し
(4)虐待の結果としての子殺し
まず、(1)望まぬ子供を消すための子殺しは、非行もしくは家庭内暴力を繰り返す、もはや親に望まれなくなった子供の殺害である。あるいは、子供が経済的に重荷になるとか、新しいパートナーとの関係に邪魔になると感じて、殺害する場合もあるようだ。
(2)慈悲による子殺しは、親がわが子を「苦しみ」から救うためには殺すほうがいいと信じて遂行する殺害である。この「苦しみ」は、現実の場合もあれば、親が妄想的に確信しているだけで、現実には存在しない場合もある。たとえば、子供が実際に重い障害や病気を抱えている場合は前者だが、子供に悪魔が憑いているとか、魔法によって子供の発育が妨げられているとか親が確信している場合は後者である。
慈悲による子殺しは、親の自殺と結びつくことが少なくない。自殺願望を抱いている親が、「自分の子供を残して死ぬのは不憫だ」と思い、その結果、親子心中が起きるわけだが、欧米でも日本でも母子心中のほうが父子心中よりもが圧倒的に多い。これは、子供との一体感を母親のほうが抱きやすいからだろう。
(3)配偶者への復讐のための子殺しは、配偶者もしくは元配偶者を苦しめるために意図的にわが子を殺害する事例である。その原型は、ギリシャ悲劇に登場するメデイアであり、自分を裏切って他の女のもとに走った不実な夫に復讐するために、2人の息子を殺害する。そして、「なぜに、手にかけた?」と問いただす夫に「あなたを苦しめようために」と言い放つ。
このメデイアの悲劇から、「メデイア・コンプレックス」という概念が生まれ、「母親がわが子の死を望む願望であり、通常は夫への復讐として生じる」と定義されている。現代でも、夫もしくは元夫への復讐のために母親が子殺しや母子心中に走ったと考えられる事件は、ときどき報道されている。
復讐願望から子供を殺したり、無理心中を図ったりするのは、母親に限った話ではない。父親が、妻もしくは元妻への復讐のために同様の凶行に走ることもあり、離婚後の面会交流中の父子心中は、その典型と考えられる。
(4)虐待の結果としての子殺しは、虐待の末に子どもを死に至らしめてしまう事例である。
最近母親の船戸優里被告に懲役8年が言い渡された目黒女児虐待死事件、あるいは今年1月に千葉県野田市で栗原心愛さんが父親の虐待によって死亡した事件が、これに該当する。
(以下、略)


上記のような例示の上で片田先生は、妻の愛情が息子に注がれるのを嫌い、息子を殺害したのではないかと推測します
同時に、進藤悠介容疑者と妻の間に年齢差があることから、悠介容疑者は妻にべったりと甘えていたかったのではないかと述べています
養護教諭であった妻に、そのまま保健室の優しい先生という役割を求め、依存し、保護してもらいたかったのかもしれません(典型的なダメ男という印象がしますし、精神分析的には母親との近親相姦願望をかなえるため年上の女性を娶ったと考えます)
と、まあ部外者から見たところは上記のとおりです。実際、家庭ではどのような関係だったのでしょうか?
逮捕された悠介容疑者が心情を率直に語るとは思えないのであり、あくまでも自身の欲望をひた隠し、「些細な口論からカッとなって首を絞めてしまった」と誤魔化すような供述をするのではないでしょうか?

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