あいちトリエンナーレ「表現の不自由」展とは何だったのか?

いわゆる韓国の慰安婦像(自称、平和の少女像)を展示して炎上騒動になった「あいちトリエンナーレ2019」の企画展示「表現の不自由展・その後」について、あらためて考えたいと思います
「ガソリンの携行缶を持って行く」旨の脅迫FAXが届いたとの理由で中止、との発表があった一方、左派労働団体などからは「脅しに屈して展示を止めるべきではない」との意見も飛び出しています
また、名古屋市の河村市長が「多額の税金を使って何を展示しているのか?」と企画に疑義を提起すれば、これを不当な政治介入だと批判する声も出て、まさにプロレス状態です
あれこれと情報を書き連ねても混乱するだけなので、2つの記事に絞って取り上げます
まずは「表現の不自由展・その後」の会場レポートから


あいちトリエンナーレの慰安婦像騒動 表現の自由と特定のイデオロギーを並列したのは悪手だった
(前略)
「表現の不自由展・その後」の会場に入ってすぐ、細い展示通路の壁にTVモニターがあり、そこで昭和天皇の写真を焼くシーンが含まれる映像作品が上映されていた。 
この作品が20分近くあるため、人が立ち止まって溜まっていく。 
細い道なので人が詰まる。「前にお進みください」という係員。 
「今見てるんだよ!」という来場客との小競り合いがスタート。 
映像の中身の前にこの導線を考えた人は今すぐ始末書を書いてほしい。 
映像を見ていた強面のお兄さんたちからは「不敬だ!」「こんなものに税金つかってるのか!」と怒声が上がり、再び係員と揉めはじめる。 
それにしても狭い。 
通路を抜けると広い展示会場で、テレビなんてどこにでも置けるのに、なぜ入り口にした。 
前を通り過ぎるだけでじっくり見ないでほしいのかな、なんてうがった見方をされてもおかしくない。 
映像作品自体は、反戦を訴えたもので、戦争の象徴として靖国神社や昭和天皇の写真が出てくる。 
兵隊がたくさん死んで靖国に祀られ、戦火を表す炎の表現として、写真を燃やすのは表現としてわからなくはない。 
ただし、寿司屋で炙りサーモンするときのカセットバーナーで、昭和天皇の写真を焼いていき、最後は燃え尽きて灰になった写真を足で踏みつける表現は過激だ。 
正直、ノンポリでお金以外に興味がない私には、「反戦」を訴える映像作品としてはそんなに無茶苦茶だとは思わなかった。…これ単体ならば。 
▼表現の自由というより権力への抗議展 
映像を見終わって奥に進むと、反米、反基地、反ヘイト、憲法9条、慰安婦のおばあさんの写真、慰安婦像、裁判になってる群馬県朝鮮人強制連行追悼碑のオブジェなどがズラリ。 
一番スペースを使っているのが朝鮮人強制連行追悼碑で、次が慰安婦関連。 
「あっ…そういう人たちのアレなんだ…」 
税金使ったイベントで特定の思想をプッシュするのは怒られるでしょそりゃ。 
よりによって韓国と関係最悪なこの時期に、この並べ方はクセが強すぎる。 
(以下、略)


このレポートだけで企画展のすべてを「あの手の人たちの趣味趣向で凝り固まったもの」と断じるのは早計かもしれませんが、そう断じられても仕方のない内容だったのでしょう
そもそもこの企画展を推進した芸術監督津田大介は、何を考えていたのでしょうか?
企画展のコンセプトについて、上武大学教授田中秀臣は以下のように述べています

「表現の不自由展」甘い蜜に付け込まれた津田大介の誤算

テーマのコンセプトについて、彼の書いた文章がトリエンナーレの公式ページに掲載されている。「情の時代」とは、さまざまな現代の問題が、単なる「事実」の積み重ねでは「真実」に到達できなくなっていて、むしろ感情的な対立によってシロクロはっきりした二項対立に落とし込められている。その二項対立の状況が、いわば敵と味方という感情的な対立をさらに深めている。
この状況の中で、この「情」の対立を打ち破る別の「情」の観点が必要だ。それを、津田氏は「情によって情を飼いならす(tameする)技(ars)を身につけなければならない。それこそが本来の『アート』ではなかったか」と問題提起する。彼の問題提起には、誠に賛同すべき視点が豊富にある。
だが、津田氏の問題意識と実際に展示されている作品は大きく異なる。むしろ「アート」ではなく、政治的な「プロパガンダ」として理解され、それをめぐって厳しい対立が生じた。
議論の中心は、「表現の不自由」をテーマにした企画展だ。この企画「表現の不自由展・その後」に展示された、いわゆる慰安婦問題を象徴する少女像や、昭和天皇の御真影を燃やし、その燃え尽きた灰を踏みにじる映像などが大きな批判を浴びた。
少女像や昭和天皇の御真影映像にはそれぞれ由来がある。それでも、これらの展示物が極めて深刻な対立を招く「慰安婦問題」や「天皇制批判」に、直接関連していることは明白だ。
しかも、どちらも伝統的な左派の問題意識を体現したものである。いわば、特定の政治イデオロギーを有する展示が強調されていた。反対の意見を抱く人たちの「情」は全く排除・無視されている。
これでは、津田氏が提示した「情の時代」の意図を達成できず、むしろ政治的・感情的対立が鮮明になるのは不可避である。その意味で、トリエンナーレの趣旨とも大きく異なる。論より証拠に、開幕と同時に企画展への批判が続出した。
(以下、略)


少なくとも展示内容は、「情によって情を飼いならす技術」が身につくようなものではなく、ただ感情的な対立を煽っただけと言えます
今回の炎上騒動も含めて、「僕の想定通り。こうして情をぶつけ合い、議論するのが狙いでした」と言い切ったなら津田大介は大したものでしょう。しかし、実際には中途半端な謝罪会見をし、「予想外の結果になってしまった」と発言しています
まだ「あいちトリエンナーレ」は継続中ですから、企画展がこのまま中止になってしまうのか、左派系応援団の声に支えられて復活するのか、分かりません
左派系プロパガンダをやりたいなら、自分たちで資金を出し合い、会場を借り、好きな展示をすればよいのではないでしょうか?
それこそ、韓国政府が趣旨に賛同し、資金を提供してくれるはずです

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