「日韓関係悪化は日本の敗北で終わる」とする記事

日韓関係についてたびたび取り上げています
政府間の協定、合意を反故にして新たな要求を持ち出す韓国政府を、どう考えても擁護する気にはなれませんし、その立場を正当化する気もありません
つまりは「信用できない」からです
協定や条約を締結した以上、それを順守するのが当然であり、国民が不満を唱えても説得するのが政治でしょう
国民の意見に振り回され、態度をコロコロかえるような韓国政府(大統領が入れ替わるたびに、態度を変えると言い換えるのも可)は信用できない、と安倍政権が批判するのは十分に理があります
しかし、ヤフーに掲載された古谷有希子の見解は真逆であり、日本政府は信用できないと決めつける韓国視点から物申す形になっています
そして、「日本による経済制裁は長期的には日本の敗北で終わる」と断じる内容です
別段、古谷有希子の見解を槍玉に挙げ、叩こうという気はないものの、その前提となる認識は疑問だらけであり、とても同意できるものではないので取り上げます
ちなみに古谷有希子という女性を、今回の記事で初めて知ったのであり、特段含むところはありません
ヤフーの記事に付随している説明書きによれば、「経済社会学、グローバリゼーション論を軸に、社会階層、ジェンダー、職業教育、労働市場問題、移民政策の研究に従事。東京大学大学院総合文化研究科で東アジア外交史、朝鮮近代史を専攻したのち、ビジネスコーチとして勤務。2011年に渡米し、メリーランド大学公共政策大学院で社会政策、教育政策を修め、ジョージメイソン大学社会学研究科博士課程に在学中」という才媛なのだそうです
東アジア外交史や朝鮮近代史を専攻したからには、この問題のプロというべき人なのでしょうが…


日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる
8月15日は日本では終戦忌念日として認識されているが、韓国では光復節、つまり独立記念日である。韓国のアイドルグループBTSのメンバーが身に着けていた光復節記念のTシャツに原爆のイメージがプリントされていたことが日本で物議を醸したのは記憶に新しい。
韓国の人々にとって、日本による植民地支配というのは「歴史」ではなく、今も続く忌まわしい記憶であり、いつかまた起こるかもしれない可能性の問題でもある。
いつかまた同じ屈辱を味わう羽目にならないように、過去を記憶し続け、警戒し続け、少しでも問題があると考えれば早めにその芽を潰しておく、それが韓国の人々の大日本帝国による植民地支配への基本的な態度である。
日本では韓国の人々のそうした態度や社会的雰囲気は、民族主義を押し出した国ぐるみの反日教育によってなされていると考えがちだが、そもそもこうした歴史観は政府主導で生み出されたものではない。
日本で「反日」と考えられている親日清算問題は、80年代以降の軍事独裁の終焉、民主主義運動、民主主義社会の醸成によって、民衆やリベラル知識人たちが真実を求める声として強まったものである。
彼らは、独裁政権が「親日派」「親日行為」の問題を明らかにせず、日本に対する十分な責任追及をすることなく、国民に真実を隠した状態で植民地問題を「金で解決」したことそのものを、問題視してきた。
民主化以降、韓国ではNGO・NPOによる草の根市民運動が盛んになり、市民社会の発展が目覚ましい。市民社会の発展は、人権、個人の権利、女性の権利などに対する意識の高まりをもたらした。
こうした市民運動の広がりは、韓国社会における植民地支配の再認識にも寄与した。
一般市民に隠匿されていた歴史の真実を求めるとともに、植民地支配当時は強く認識されることの無かった事象を、ポストコロニアルな視点から再発見し「過去清算」する意識が韓国社会に根付いていった。
そして、人権の回復、履行を求めて、国内外の政府、企業、団体を相手取った裁判が頻繁に起こるようになった。
民主化の流れを汲んで「過去清算」を希求する新たな歴史認識の台頭は、植民地支配について「日本が悪かった」といった単純な理解から脱却し、なぜ植民地支配が起こったのか、植民地支配とはどのようなものだったのかを、政治・経済・社会・文化など様々な側面から分析し、過去を断ち切り、民主社会韓国として新たな時代を迎えようという動きでもあった。
端的に言って、韓国の人々にとって、民主化前と後では国家自体が全く異なる存在なのである。
それは多くの日本人が、大日本帝国と戦後の日本を全く異なる存在として認識している感覚とも似ている。あるいは、徳川幕府下の日本と明治以降の日本くらい違うと言ってもいいかもしれない。
このことを理解していれば、なぜ現在の韓国政府が日韓基本条約締結以降、日韓政府の間の共通認識となってきた請求権協定に対して、それを覆すような態度を取るようになったのかも理解しやすい。
喩えるなら、日米修好通商条約が現在のアメリカと日本の間では全く無効であるのと似たようなものである。
国民によって選ばれ、国民を代表する政府が取り交わした条約でないものが、現在の民主国家としての韓国の人々にとって受け入れられないのも、感情としては当然といえるだろう。
(以下、略)


韓国側には政府間の合意、協定を破るだけの理由・理屈があると言いたいのでしょうが、納得する日本人はほとんどいないはずです
また、廬武鉉政権を民主的なものと高く評価しているのも不可解です。廬武鉉がいかにデタラメな政策に走っていたか、まったく考慮されていません。日韓のシャトル外交(首脳の相互訪問による対話の促進)を打ち出したものの、日韓で懸案事項が浮上すると対話を拒絶しまくったのが廬武鉉です。そして退任後、妻が不正蓄財に走っていたと暴露され自殺しています
朴槿恵政権で慰安婦問題を、「後戻りさせず、将来に渡って解決したものとする」合意を交わしたものの、文在寅がそれをひっくり返したのは記憶に新しいところであり、その合意破棄を日本の歴史修正主義のせいにするのは大間違いでしょう
政府間の合意である以上、不満はあれど順守すべきであり、国民に受け入れるよう説得するのが文在寅の責務ですし、現代国家としての品格です
これを否定し、国民を煽って反日活動へと駆り立てているようにしか見えないのですが、古谷有希子にはまったく別の風景が映っているようで不思議です
そもそも上記の記事で古谷はしきりに韓国の民主主義なるものを称賛しているのですが、冷静に見るならあれはポピュリズムであり、一部の政治勢力と国民が結託した狂騒と表現するべきでは?
省略した部分では韓国が日本経済に依存する割合は年々低下しているのだから、日本が経済制裁を加えても韓国は負けないのだ、と書いています。それならなぜ、フッ化水素など半導体材料のたった3品の輸出手続き厳格化で、あれほど韓国政府・メディア・国民が大騒ぎしたのでしょうか?
古谷はまったく触れようとしません
都合の悪い事実は無視し、自説に都合の良いエピソードだけを並べただけの論考に説得力はないのです。いかに高学歴で外国の大学院に在学中だろうと
日韓双方の経済的損失を計量化し、提示するなど表現方法はいくらでもあります。その上で、「長期的には日本の負け」と結論付けるならば一読に値するわけですが、これでは珍説・珍論の類です。韓国メディアが掲載する記事とどっこいどっこいでしょう

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