大阪交番襲撃 同級生への執着はなぜ?

昨日は評論家古谷経衡のマスコミ批判を取り上げました。その中で古谷は「テレビでは精神科医が岩崎容疑者の精神状態をプロファイリング。どこの世界に直接患者を問診せずに精神状態を分析できる精神科医がいるのか」と批判しています
自分は精神科医ではありませんし、飯森容疑者と面識もないのですが、事件について考え、私見や仮説を述べる自由はあるわけで、それも表現の自由として現社会では容認されている権利だと解釈します(それを禁止するなら、おそろしく窮屈で退屈な社会になってしまうわけです)なので、古谷経衡がどう言おうと、事件について考え仮説を述べるのを止める気はありません
さて、飯森裕次郎容疑者の犯行を考える上で、彼の同級生に対する異常なまでの執着を無視するわけにはいきません。駒澤大学に進学し、社会人としての経験のある飯森容疑者はなぜ、中学時代の同級生と接触を図り、その住所を知ろうと躍起になったのでしょうか?


大阪府吹田(すいた)市の交番で警察官が刺されて拳銃を奪われた事件で、東京都内に住む飯森裕次郎容疑者(33)=強盗殺人未遂容疑で逮捕=が事件前、母親に「考えたいことがあるから大阪に行く」と伝えていたことが、捜査関係者への取材で判明した。
幼少期に現場近くで暮らしていた飯森容疑者は事件の数日前、複数の同級生に「同窓会を開きたい」などと連絡。府警は、こうした事件直前の言動に動機解明の鍵があるとみて調べている。
飯森容疑者は16日午前5時40分ごろ、府警吹田署千里山交番の駐車場で、古瀬鈴之佑(こせすずのすけ)巡査(26)を包丁で刺し、実弾が5発入った拳銃を奪ったとして逮捕された。
捜査関係者によると、飯森容疑者は事件前、東京都内で同居する母親に「考えたいことがあるから大阪に行ってくる」と話し、13日に自らのフェイスブック(FB)に「大阪なう」と書き込んでいた。
勤務先の東京都内のゴルフ練習場関係者によると、飯森容疑者は幻覚の自覚症状があり、今月11日の出勤時、「症状が強くなりそうだ」と体調不良を上司に訴え、12日から欠勤していた。
同級生らに相次いで連絡を取ったのは、この頃だ。10日夜、中学時代の野球部の先輩に、「野球部の同窓会を開きたいので連絡先を集めている」とFBで伝え、元チームメートの連絡先や顧問の先生の顔写真を送るよう求めた。
11日夜〜12日未明には複数の同級生らに対し、「年賀状を出したいのでよかったら、住所を教えてくれませんか」とFBでメッセージを送ったが、大半は突然の連絡に戸惑って返信しなかった。
今年2月末には、同級生の一人に「そのうち大阪に住むと思います」と連絡している。
同窓会は実現していないが、大阪への引っ越しを考え、同級生らに会おうとしていた可能性がある。
一方、飯森容疑者は事件について、「私のやったことではない。周りの人がひどくなったせいだ」などと供述し、容疑を否認している。府警は、こうした交友関係と事件との関連を慎重に捜査している。
(毎日新聞の記事から引用)


ここら辺りの事情は飯森容疑者本人が語るかどうか、にかかっています。
過去に「心臓から同級生の声が聞こえる」と被害妄想めいた訴えをしていた点を考慮すれば、同級生の声(という幻聴)に脅かされる被害妄想を抱えていたと推測され、直接同級生(誰とは特定できませんが)に会って、自分に語りかけるのを止めるよう要求するつもりだったと思われます。相手が拒絶した場合(理不尽な要求なので拒絶するのは当然です)、拳銃で射殺することも考慮して犯行に至ったのでしょう
振り出しに戻って、なぜ飯森容疑者は中学時代の同級生や野球部の先輩に執着していたのか、という疑問に立ち返りましょう
飯森容疑者が過去に営んだ人間関係として、中学時代こそが唯一濃密な関係を維持できた時期なのかもしれません。半年ほどの海上自衛隊勤務や、テレビ番組制作会社勤務では、希薄な人間関係しか持ちえなかったともちろん、中学生時代がすべてバラ色だったわけもなく、未練や恨み、妬みなどないまぜになった感情もひきずっていたと考えられます
そんな複雑な感情が被害妄想に結び付き、「自分の存在を脅かす声」として干渉してくると感じ飯森容疑者は犯行を思い立った…との仮説を現時点で抱きます
警察の取り調べもどこかで区切りをつけ、起訴前に精神鑑定の実施に踏み切るともと思われます

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