門真4人殺傷事件を考える4 控訴審も懲役30年

門真市で起きた、面識もない一家を襲った殺傷事件の控訴審判決があり、大阪高等裁判所は1審の判断を支持し、弁護側と検察の控訴を退け懲役30年の量刑を言い渡しました
本当に事件の中身を精査した上での判断なのか、大いに疑問です
判決を言い渡された小林裕眞被告は、法廷から中指を立てて退廷したとの報道もあります。「犯行時は心神喪失で無罪」との判決を期待していたのでしょうか?
3年前、大阪・門真市の住宅に刃物を持って押し入り、面識のない家族を次々に襲い、父親を殺害し、子ども3人に重軽傷を負わせた罪に問われた26歳の男に対して、2審の大阪高等裁判所は、1審に続いて懲役30年の判決を言い渡しました。
大阪・門真市の小林裕眞被告(26)は平成28年10月、面識のない家族が暮らす住宅に午前4時ごろに刃物を持って押し入り、父親の川上幸伸さん(43)を殺害し、当時15歳から19歳だった子ども3人に重軽傷を負わせたとして殺人などの罪に問われました。
1審の裁判員裁判で検察は死刑を求刑しましたが、裁判所は被告が犯行当時、心神耗弱の状態だったと判断して懲役30年の判決を言い渡しました。
これに対し検察は刑が軽すぎるとして、また、弁護側も刑事責任を問える精神状態ではなかったと主張して無罪にするよう求めて、それぞれ控訴していました。
2審の判決は大阪高等裁判所で20日午後2時から始まり、村山浩昭裁判長は冒頭で検察と弁護側、双方の主張を退け、1審に続いて懲役30年を言い渡しました。


さて、ここでもう一度、一審である大阪地裁がなぜ懲役30年という有期刑を採用したのか、振り返ってみましょう
浅香竜太裁判長は判決理由で、「事件2カ月前の28年8月から小林被告の妄想が非常に悪化していた。当時の精神状況は妄想に苦しめられ、攻撃性を増大させていたと認められ、病気の悪化に伴う妄想の影響がなければ面識のない被害者一家を襲わなかった」と指摘しています
さらにインターネットで侵入方法を検索したり、刃物を事前に購入する犯行の計画性についても、「以前の入院時も凶器を集めていたことから妄想上の迫害者に対する防衛手段で用意したことを否定できない」と退けています
ただし、「小林被告の全ての犯行が妄想の支配下で行われたとは考えられない。凶器の準備や民家への侵入方法など、妄想が事細かな指示をしていたのではなく、自発的な意思も残っていた」として、心神喪失状態ではなく心神耗弱状態にあったと結論付けています
心神喪失ではないが心神耗弱と判断して、ぎりぎり有期刑の上限である懲役30年を言い渡したのだよ、と言いたいがための判断という風に聞こえます
「司法判断として最大限努力したのだから遺族は納得しなさい」と言われても、遺族は納得できないでしょう

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