東洋英和女学院長 論文捏造で懲戒免職

理系の大学教授らによる論文捏造が相次いで発覚し、また投稿論文を査読なしに掲載するインチキ学会誌の存在も問題になっている今日この頃です
海外の研究誌に論文が掲載された…という点のみをプラスの評価し、内容は問わない大学の体質にも原因があります
もちろん、文系の大学教授による論文の捏造もあります。今日は東洋英和女学院の院長にして教授・牧師である深井智朗による論文捏造事件を取り上げます
人文系の論文が理系と違うのは、その論文の主張するところが厳密に正しいかどうか、再現可能であるか追試されず、単なる見解の相違として片付けられがちな「ぬるさ」にあります
しかし、深井院長は論文の前提となる引用資料を丸っと捏造し、実在しない研究者の手による論文から借りたごとく装い、自説を展開する掟破りの手法を用いていたと発覚し、懲戒解雇処分を食らっています
深井智朗はドイツ思想史、特にドイツのプロテスタンティズム研究の第一人者と目されてきた人物なのだとか。神様はさぞ嘆いておられるでしょう


東洋英和女学院は10日、東京都内で記者会見を開き、著作に捏造(ねつぞう)などの不正が指摘されていた同院長で同大教授の深井智朗氏(54)を同日付で懲戒解雇としたことを発表した。同大に設置した調査委員会が同日、捏造と盗用を認定した。
調査対象となったのは、2012年に岩波書店から出版された著書『ヴァイマールの聖なる政治的精神―ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』と、同じく岩波書店の雑誌「図書」2015年8月号に掲載された論考「エルンスト・トレルチの家計簿」。
調査委員会は、著書第4章「ニーチェのキリスト教批判の神学的援用」に登場するカール・レーフラーなる人物は存在せず、その人物が書いたとされる論文「今日の神学にとってのニーチェ」は、深井氏による捏造だと認定した。さらに、同書197、198ページで、ヴォルフハルト・パネンベルク著『組織神学の根本問題』(近藤勝彦、芳賀力訳、日本基督教団出版局、1984年)の277、278ページにある記述とほぼ同一の記述、同様の表現、内容の記述が、引用注が記されないまま計10カ所認められたとし、盗用を認定した。
また、論考で述べられている「エルンスト・トレルチの家計簿」の根拠資料となる1920年から23年のトレルチ家の借用書や領収書などの資料は実在せず、深井氏による捏造と判断した。
報告書は、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務の著しい懈怠があった」と結論付け、著書については「学術書として多くの神学研究者等の関心を集め、広く流通したものであるから、社会的影響はかなり高い」と指摘。実在しない人物や論文などを捏造した行為により根拠なく結論が導き出された深井氏の著書と論考は、「研究者のみならず一般読者にとっても非常に悪影響を及ぼしていることは明らか」とした。
(クリスチャントゥディの記事から引用)


この捏造疑惑は深井智朗の他の著作にも影響し、読売新聞社と中央公論新社深井の著書「プロテスタンティズム」(中央公論新社)を対象に昨年授与した読売・吉野作造賞を取り消すと発表しています。この著書自体に捏造や盗用はないと目されているものの、「深井氏には研究者倫理の欠如が認められ、研究姿勢に重要な問題がある」と判断され、取り消しになっています
まだ54歳という年齢ながら研究者失格と判断されてしまったのであり、この先研究者として生きていくのは困難でしょう
翻訳も手掛けていますが、今回の捏造疑惑をきっかけにドイツ語の理解力にも疑問が突き付けられていますので、翻訳稼業で収入を得るのも困難なのでは幾つものごまかし、捏造を重ね、バレないからさらに捏造を繰り返して…といったところでしょうか?
プロテスタンティズムに反する所業ですから、そのような人物が牧師として説教するのは止めてもらいたいものです

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