ドラゴンボールに「日本帝国主義」を読む韓国の学者
時折、韓国メディアが掲載する記事の中に日本の漫画やアニメから、日本人の深層心理やら歴史観を読み取れると主張する「サブカル」風の論評もあるのですが、多くはこじつけであったり、後出しじゃんけんみたいに強引な理屈付けであったりします
そこには「日本人のねじ曲がった歴史観が反映されているに違いないニダ」という、決めつけが先にあり、その思い込みに沿った解釈が付与されるのがしばしばです。よってこうした論評は価値がないと切り捨てるのが相当でしょう
韓国メディアが歴史学者による「ドラゴンボール」解釈から日本の帝国主義を読み取れる、とした本の出版に触れる記事を書いているので、取り上げます。ネタにもならない愚論ですが
いつものように元記事が韓国語なので、インターネットの掲示板「5ちゃんねる」に貼られた蚯蚓記者の翻訳から引用します
Q. インターネットを探すとすでに記事なども多く、本来かなり有名な専門歴史学者と分かるが、この本を書いた背景は?
A. 本来、東洋古代史専攻の歴史学者、考古学者だ。夏商周が専門だが、昨年から「古朝鮮研究者」としても名声を得た。このドラゴンボールに関する本の構想はすでに26年前<ドラゴンボールZバーダック編>を見た時から漠然とあった。具体的に本にする構想は13年前、共著者のチョン・ウンウ先生にこの主題について話して議論した時からだった。
Q. <ドラゴンボール>を見た人ならタイトルだけでも興味深い。簡単にどんな内容なのか?
A. 簡単だ。ドラゴンボールの中で最も有名な<フリーザ編>が過去の「日本帝国主義」のそれを暗示しているということだ。すなわち、孫悟空(カカロット)、ベジータなどのサイヤ人(下部の帝国主義、黒い頭の東洋人、尻尾を持った猿、戦闘民族、月を見れば変わる暴力性)が日本人、その中で孫悟空が戦後日本人、ベジータなどが現在に残った日本右派を象徴(サイヤ人の王子の自負心-現日本右派の天皇うんぬんと類似)、惑星ベジータを滅亡させたフリーザが米国(座っている姿がルーズベルトを連想)、ザーボン-トドリアがフランス-英国、孫悟空を助けるピッコロが中東、そしてヤムチャ、クリリン、天津飯などが順に韓国、中国、インドなどを内包しているという話で(日本人から見た汎アジア主義?)を歴史学的、人類学的に解明した。
すでに私は数十年前<ドラゴンボールZバーダック編>を見た時考えたことで、また、確認のため個人的に知る数多くの日本人たちに訊ねると「やはり大部分の日本人たちは常識的にとても当然だと考えること」でもある。事実、これは日本人ではなくても歴史的知識があって洞察力が少しでもある人なら常識的に連想できることだ。
問題はこれをどのように学術的に、すなわち歴史学的人類学的に解明するかの問題で、カミカゼなどを連想させるバーダックの鉢巻きやフリーザのパワーボールで惑星ベジータを消失させる場面(原爆の象徴)、そしてアニメを見ればフリーザがベジータ王を倒して踏みにじった「日王家の象徴である菊花形のベジータ王のネックレス」はそれに対するより具体的な証拠であろう。特に孫悟空の父バーダックの最後の戦闘は、太平洋戦争時の「日本の硫黄島や沖縄での米国との戦闘」が連想される。
<ドラゴンボール フリーザ編>のストーリーはこの様な問題に多少無関心な作画原作者鳥山の世界観よりは他のストーリーチームの意見が多く入ったと考えられるので、大部分の一般日本人たちの意識を反映するのだろう。私は大部分の韓国人、一歩進んで世界の人々が<ドラゴンボール フリーザ編>を必ず、必ず必須で借りるか買って見なければなければならないと考えるが、その理由は私たちが日本人が過去、彼らの敗戦について自らをどう考え、どんな傷と劣等感、そしてトラウマを持ち、現在までも常に不便に生きているのかについてよく分かる、とても立派なガイドブックだからだ。特に日本と不快な関係の私たち韓国人には様々な面で使い道が多いと考える。加えてこの<フリーザ編>が名作である理由も日本自らの話だからだ。本来、人は自分の話はみな具体的に躍動感をもって上手にする。
(以下、略)
長きにわたって中国の属国という地位に甘んじ、中国の歴代王朝にへつらって生き延びてきた朝鮮の歴史を踏まえると、「ドラゴンボール」の中での朝鮮は脇役どころか、モブキャラにすらなれない存在でしょう
日本が近代において、清やロシア、アメリカという強大な国相手に死に物狂いの闘いを展開したのに比べ、朝鮮は体を張って自らの運命を選び取るような選択は体験していないのが現実です
ですから、そのような朝鮮の人々が見て来たかのように日本の歴史にくちばしを突っ込むのははなはだ不快であり、「何を言ってるんだ」と呆れてしまうのです
「ドラゴンボール」を語るのは許せるにしても、歴史に口出しするな、と
もっとも、歴史と「ドラゴンボール」の区別もできないような韓国の歴史学者がいるゆえ、上記のような珍論が飛び出すのでしょうが
彼らにとって歴史とはあくまでファンタジーでしかない…と思われます
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