ビットコイン強盗殺人事件　主犯は無期懲役: 夾竹桃日記

2019年02月06日

ビットコイン強盗殺人事件　主犯は無期懲役

事件を考える ニュース

仮想通貨「ビットコイン」が話題になり、さらにさまざまな仮想通貨が登場したものの、バブルが弾けて…という社会状況の中で、ビットコイン取引を巡って殺人事件が起き、注目を集めました

名古屋市のパート従業員野田みゆきさんが行方不明となり、その後大垣市在住の西田市也容疑者と少年の２人が逮捕され、野田さんは遺体で発見されています

野田さんがビットコインの投資セミナーを主催しており、そこに参加した西田容疑者が野田さんを大垣市まで呼び出し、拉致して殺害、野田さんの口座からビットコインを奪ったというのが大まかな事件の経緯です

しかし、公判でのやりとりなど断片的な報道はあるものの、事件の全容は掴みにくいままであり、どうにも取り上げにくい事件です

先に共犯者である少年の裁判が結審し、懲役１８年が言い渡されています

主犯格である西田市也被告は初公判で「無罪」を主張し、犯行時は解離性障害を発症しており、別の人格が事件を起こしたのであって心神喪失状態にあった…というのがその言い分です

対して検察側は西田被告の犯行が計画的なものであり、十分に合理性があると反論し、完全な責任能力があったとして争っていました

名古屋市西区のパート従業員、野田みゆきさん（当時５３歳）を殺害して遺体を遺棄し、仮想通貨ビットコインを不正に引き出したとして、強盗殺人、死体遺棄、電子計算機使用詐欺の罪に問われた無職、西田市也被告（２２）の裁判員裁判で、名古屋地裁（斎藤千恵裁判長）は６日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。「計画性が高く、凶悪な犯行」と指摘した。

弁護側は起訴内容の行為を大筋で認めつつも、西田被告は当時、解離性障害を発症して心神喪失状態で、責任能力がなかったとして無罪を主張した。

これに対し判決は「一貫して合理的な行動をしている。動機も異常性を疑わせるものではない」と退け、完全責任能力を認めた。その上で「反省が深まっているとは言えず、遺族の処罰感情が厳しいのは当然」とした。

判決によると、西田被告は元アルバイトの少年（１９）＝強盗殺人と死体遺棄の罪で懲役１８年確定＝と共謀して２０１７年６月１８日、野田さんを呼び出して滋賀県多賀町周辺で車のトランクに押し込み現金約５万円やタブレット端末などを奪った上、首を絞めるなどして殺害し、同２０日に遺体を入れたキャリーバッグを多賀町内の山中に埋めた。

さらに西田被告は同年７月３日と５日、野田さんのインターネット上の専用口座からビットコイン約３５万円分を自身の口座に移して現金で引き出した。西田被告は野田さんとビットコインのセミナーで知り合っていた。

西田被告は公判の被告人質問で、「ゲームの中の敵役を倒し、報酬が得られるような感じだった」と語り、野田さんに対して強盗目的を認めつつ「初めて会った時に殺意が湧いた。服装や行動がむかついた」と述べた。一方、最終意見陳述では「判決を真摯に受け止めたい」と話していた。

（毎日新聞の記事から引用）

単純極まりない犯行動機とも言えるのですが、奪ったビットコインが約３５万円分というのは意外です。おそらく西田容疑者も野田さんが数百万円分のビットコインを所有していると誤解し、狙いを付けたのかもしれません

そもそも野田さんが主宰していたというビットコインのセミナーの内容が不明であり、いわゆる投資話にかこつけたマルチ商法のようなものではなかったのか、との憶測も流布されました。が、真相は分からないままです

この事件が掴みどころのないように感じるのも、被害者と加害者の接点がどうにもぼかされているようで、２人の間に何があったか判然としないためです

被害者を貶める意図はないものの、投資話で「儲かる」と吹聴すれば西田被告のような狼を呼び寄せる結果になるのであり、危険が伴うのは言うまでもありません

ちなみに昨年５月、１００万円を超えていたビットコインは直近で３７万円にまで値下がりしています。ブームに便乗して投資し、損失を抱えた人も多いのでは？

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