和歌山スプレー事件 甘すぎる執行猶予付き判決

2017年、和歌山県田辺市で下校途中の女子児童に催涙スプレーを吹き付け、わいせつ行為に及ぼうとして逮捕された、田辺市元臨時職員の宮下裕介被告に対し、和歌山地裁田辺支部は執行猶予付き有罪判決を言い渡した、と報じられています。検察の求刑は懲役2年6月でしたが、報じられた記事では判決での懲役期間も執行猶予の期間も言及されていません
このような記事を配信するとは呆れます。誰もニュース原稿をチェックしていないのか、と言いたくなるます


去年、小学生の女の子に催涙スプレーを吹きつけ、重傷を負わせた田辺市役所の元臨時職員の男に執行猶予付きの判決です。判決によりますと、田辺市役所の元臨時職員・宮下裕介被告(21)は、去年12月、下校途中の当時8歳の女の子の顔に催涙スプレーを吹き付け、全治3ヵ月の重傷を負わせました。
また、宮下被告は、インターネットから入手した児童ポルノを自宅で所持していました。
和歌山地裁・田辺支部は「非常に危険かつ悪質で、被害結果は重大」とする一方、「市役所を懲戒解雇されるなど、社会的制裁を受けている」などとして、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
(ABCニュースの記事から引用)


別の報道では執行猶予期間が4年、とされています
それだけ長期の執行猶予を付けるのは、裁判官も再犯の可能性を考慮し、保険をかけておきたくなったためでしょう
しかし、犯行の形態や、他にも女児を狙ってわいせつ行為をしようと未遂に終わっている件を併せれば実刑を科すべきであり、甘すぎる判決です
市役所を懲戒解雇されたのは当然の結果であり、それを社会的制裁を受けているのでこれ以上の刑罰を科す必要はないと判断するのは不可解です
この事件はメディアの注目度が低く、インターネットで検索しても報道が極めて少ないため、裁判の経緯も判然とせず、ブログ主としては大いに不満でした
せめて地元の紀伊民報は詳細に取り上げてほしいところです(記事がインターネットで配信されていないだけなのかもしれませんが)
宮下被告の実家は田辺市で米穀店を営んでいるとの情報もありましたので、被害児童に対しては相応の治療費と慰謝料を支払ったものと思われます(そうしなければ地元で商売を続けるのは不可能でしょう)
ただ、それは宮下被告が償ったのではなく、親の行動であり、宮下被告がどこまで事件を反省しているのかは不明です
性犯罪者を執行猶予付きとはいえ、野放しにしたのですから再犯を心配しなければなりません。勝手ながら宮下被告が5年以内に再犯に及ぶ、と自分は予想します

(関連記事)
女児に催涙スプレー 20歳の男を逮捕
和歌山スプレー事件 女児監禁で宮下容疑者を再逮捕
和歌山スプレー事件 懲役2年6月求刑
小川参議院議員の息子 保釈中に猥褻行為再逮捕
小川参議院議員の息子 強制わいせつで再逮捕
女児へのわいせつで逮捕 小川参議院議員の息子のその後
民進党小川参院幹事長の息子 強制わいせつで逮捕
女児トランク監禁事件で懲役3年の判決
バッグに女児を詰み誘拐した小玉被告の裁判
市議会議員を女子児童強姦容疑で逮捕
強制わいせつ被害 10歳の訴えを「告訴能力なし」と否定
中学講師が小学生を強姦未遂・逮捕
女性教師が少年にわいせつ行為で懲戒処分
子供を守るコンサルタントが買春 懲役10月の実刑判決
性犯罪辞職の教師を雇用 札幌児相で再びわいせつ事件
女児誘拐未遂の警察官起訴 「仕事のストレス」と弁解
わいせつ目的誘拐の警察官に執行猶予判決
児童ポルノで停職男を小学校講師に採用
わいせつ教師3度目の逮捕 知立市の小学校
小4女児を教室で裸に 教師逮捕
帰宅途中の少女を狙った池川翔悟逮捕 余罪多数


季刊刑事弁護(no.76(winter 20) 刑事弁護の羅針盤 特集:性犯罪事件を争う 特別企画●科学的証拠と刑事裁判
楽天ブックス
刑事弁護の羅針盤 特集:性犯罪事件を争う 特別企画●科学的証拠と刑事裁判 現代人文社 大学図書キカン


楽天市場


この記事へのトラックバック