茂原強盗殺人事件を考える 主犯少年に無期懲役求刑
昨年、千葉県茂原市で一人暮らしの高齢者を殺害して金を奪ったとして、少年3人が逮捕される事件がありました。慎ましい生活をしていた高齢者から、わずか1万2千円を奪うため殺害するという、残虐非道な事件でした
逮捕された3人が少年ということもあり、その後の経緯が詳細に報道される機会も少なかったため、取り上げずにきてしまいました
少年らは家庭裁判所で検察官送致決定を受け、千葉地検が起訴し、裁判員裁判でその罪が問われています
主犯格とされた少年の論告求刑公判があり、情状酌量の余地はないとして無期懲役が求刑されています
千葉県茂原市の椎野芳子さん=当時(85)=が昨年2月、自宅で殺害された事件で、住居侵入と強盗殺人の罪に問われた少年3人のうち、当時18歳で土木作業員だった少年(19)の裁判員裁判の論告求刑公判が18日、千葉地裁(川田宏一裁判長)で開かれ、検察側は無期懲役を求刑した。
強盗殺人の法定刑は無期懲役または死刑。一方、少年法は、18歳以上20歳未満の少年に酌量減刑する場合は10年以上15年未満の不定期刑とすることを定めている。
検察側は論告で、「強盗に入ったのに金のありかが分からず、思い通りにならないことに怒り、被害者を殺害した」と指摘。「犯行は同種の強盗殺人事件の中でも重い部類で、酌量減刑には当たらない」と主張した。
弁護側は「少年には更生する可能性がある」として、酌量減刑を求めた。少年らが椎野さん宅から現金を奪ったとされることについても、「根拠となる証言は信用できない」と主張した。
起訴状によると、少年らは共謀して、昨年2月26日午前1時15分ごろ、椎野さんの自宅に侵入して現金1万2千円を奪い、包丁で椎野さんの首を刺して殺害したとしている。
(産経新聞の記事から引用)
時系列が前後しますが、1月15日付け千葉日報の記事によれば、初公判に出廷した証人の目撃談として、以下の内容が報じられています
これが上記の記事で「1万2千円を奪った」根拠となる証言、とされます
強盗殺人などの罪に問われた少年(19)の初公判で、事件当時に少年らと茂原市内のアパートで同居していた男性が証人として出廷し、事件前後の少年らの様子を証言した。
事件を知った男性が少年を問いただすと、「最初は首を絞め、疲れたから包丁を持ってきてもらい刺した」と認め「証拠をなくした(事件当時に履いていたスニーカーを捨てた)から大丈夫」などと話したと述べた。
共謀した別の19歳と17歳の2人がふざけた様子で少年を「殺人鬼」と呼び、少年は「うるせーよ」と答えたと証言。2人は「1万2、3千円取った」「1万円で殺人は安いよな」などと話したという。
また、男性は共謀の2人らと事件前日に金品を盗む目的で被害者宅に侵入し、共謀少年が被害者の通帳を見つけ、多額の預金があることを確認。現金が見つからなかったことから、共謀少年らが強盗を意味する「“たたき”をしないか」と話していたとした。
まったく反省が感じられない発言の数々が明かされています。ただし、こうした類の発言を額面通りに受け止め、「人を殺したのに何という言い草か」と怒っても仕方がないのであり、罪の意識を吹き飛ばすためか、あるいは犯行後の高揚感のためか、故意におちゃらけた言動をする場合もある、と指摘しておきます
奪った金が大金か、小銭であるかに関係なく、金を奪う目的で人を殺害する強盗殺人は厳しく罰せられるのであり、その現実を主犯格の少年はひしひしと感じているのでしょう。ゆえに「金は奪っていない」と主張している可能性もあります
しかし、裁判員の心証は相当に悪い…と推測され、いかに弁護人が「まだ若いので更生の可能性がある」と主張しても響かないと思われます
被害者である椎野芳子さんは85歳ですから、そのような高齢の女性を3人がかりでなぶり殺しにした犯行に対し、情状酌量の余地があると考える裁判員はいないのでは?
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