コスモ・リサーチ事件の死刑囚2人 執行
今年はオウム真理教事件で麻原彰晃を含め13名の死刑が執行されており、年末の死刑執行はないだろうと勝手に思い込んでいました
死刑は執行されてこその刑罰であり、未執行では刑を科したとはいえません
かつての民主党政権の時期、死刑の執行が途絶えてしまい、死刑確定受刑者が急増する事態が起こりました。確定受刑者の数は民主党政権下の2011年には130名を超えたのです。その後、民主党政権の方針転換により執行が再開されたものの、昨年までは120名以上もの確定者が滞留する状態でした
1つの要因はオウム真理教事件で死刑が確定した13名について、執行の目途が立たなかったためです。起訴された関係者の裁判が決着するまでは執行を見合わせる必要ある、との判断によるものです
さて、話をコスモ・リサーチ事件に絞りましょう
この事件に関わったのは3人であり、暴力団組長の尹敬一が最初に逮捕され、その自供から岡本啓三、末森博也が逮捕されました。尹は無期懲役となり、岡本と末森の2人は死刑が確定しています
昭和63年1月、投資顧問会社「コスモ・リサーチ」の社長を拉致して1億円を奪い、社員とともに殺害、京都府内の山林に埋めたとする強盗殺人などで死刑が確定していた岡本(旧姓・河村)啓三(60)、末森博也(67)の両死刑囚に27日、刑が執行された。
2人は殺害を否認し、公判では死刑の違憲性も訴えていた。だが、裁判所は供述の信用性などを否定して計画的犯行だったと認定、死刑が確定していた。
確定判決によると、両死刑囚らは、63年1月、大物相場師で投資顧問会社社長の見学和雄さん=当時(43)=から1億円を奪い、同社員=同(23)=とともに大阪市内のマンションで絞殺、コンクリート詰めにして京都府南山城村の山林に埋めた。
1審大阪地裁判決は平成7年3月、求刑通り死刑を宣告。11年3月の2審大阪高裁判決も控訴を棄却した。両死刑囚はともに「当初から殺害する意図はなかった」などと主張。死刑の違憲性を訴えて控訴したが、裁判長は「犯行前から殺害計画を立てていたことは明らかで、被告の供述は信用できない」と述べて両死刑囚の訴えを退けた。
16年9月には最高裁第2小法廷が死刑の1、2審判決を支持、上告を棄却した。判決理由で裁判長は「多額の現金獲得をもくろんだ計画的犯行で冷酷、非情、残忍だ」と指摘。「犯行に積極的に関与して重要な役割を果たしており、死刑とした判断を是認せざるを得ない」と述べていた。
(産経新聞の記事から引用)
逮捕時、岡本啓三は31歳でした。裁判を経て刑が確定し、執行されるまで29年を要したのであり、いかにも時間がかかりすぎます
さらに刑の執行を免れようと再審を請求してもいます
ここ最近、再審請求中であったも執行する方針が明確になっており、執行逃れのための再審請求を容認しない方向へ動いているのは肯定できます
それにしても、2人を殺害して遺棄しておきながら、「死刑は憲法違反だ」と主張する魂胆が理解できません。2人を殺害した行為自体が憲法違反でしょう(皮肉です)
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