ビットコイン殺人　共犯少年に懲役１８年の判決: 夾竹桃日記

2018年11月24日

ビットコイン殺人　共犯少年に懲役１８年の判決

事件を考える ニュース

事件の背景、被害者や犯人の抱える事情などなどが見えにくいケースは、ブログで扱いにくいものであり、つい取り上げないまま放置してしまう結果になります

昨年、名古屋市に住むパート勤務の女性が行方不明になり、後日遺体が発見された事件もその１つです

パート務めをしている女性を襲い、金品を奪おうとしても大金を所持しているはずもなく、割に合わない犯行です

しかし被害者の女性はビットコインに投資をしており、自ら投資セミナーを開催するほどの投資家だったとその後、報じられています

この事件でビットコインの投資セミナーに参加していた土木作業員西田市也（当時２０歳）が逮捕され、中学の後輩の当時１８歳の少年も共犯として逮捕されました

西田容疑者は高級車を乗り回しており、セレブ気取りというか、金回りの良い男を演じたかったのかもしれません

名古屋市西区のパート従業員、野田みゆきさん（当時５３歳）を殺害したとして、強盗殺人と死体遺棄の罪に問われた元アルバイトの少年（１９）の裁判員裁判で、名古屋地裁（吉井隆平裁判長）は２２日、懲役１８年（求刑・懲役２０年）の判決を言い渡した。

「被害者に１５カ所の骨折を負わせるなど残虐かつ凶悪。結果の重大性や果たした役割から責任は極めて重い」と指摘した。

判決は、共謀者の元土木作業員、西田市也被告（２２）＝強盗殺人罪などで起訴＝が事件を計画し、少年は従属的な立場だったとしつつも、馬乗りになって首を絞めるなど事件で重要な役割を担い、報酬も得ていたことを重視した。その上で「西田被告の恩に報いるためとの動機は正当化されない」と判断した。

弁護側は野田さんを入れたキャリーバッグを隠す際、生きていると思っていたとして死体遺棄罪の成立を争ったが、判決は少年がその直前に「死体」「腐臭」とインターネットで検索していることなどを挙げて退けた。審理を家裁に移送しての保護処分を求めたことについても「社会的に許容されるとは到底認められない」とした。

判決によると、少年は西田被告と共謀して昨年６月１８日午後７時ごろ、野田さんを車のトランクに押し込んで現金約５万円やタブレット端末などを奪い、同８時ごろに滋賀県多賀町で首を絞めて殺害した。遺体をキャリーバッグに入れて同町の山林に隠し、同２０日に穴を掘って埋めた。

西田被告は殺害後に野田さんの仮想通貨「ビットコイン」約３５万円分を不法に得たとして、電子計算機使用詐欺罪でも起訴されている。

（毎日新聞の記事から引用）

被害者が１５カ所もの骨折を負ったのは、インターネット上にあるビットコインの管理口座へアクセスするため、パスワードなどを聞き出そうと執拗に暴行を加えた結果だと推測されます。「パスワードを教えたら、命だけは助けてやる」と西田容疑者は口走ったのかもしれませんが、被害者にすれば口封じ目的で殺害されるのは分かっていたのであり、この理不尽な若者に教える気にはなれなかったのでしょう

別の報道によれば、「野田さん殺害後の７月、岐阜県大垣市の自宅で自分のスマートフォンを使い、ビットコイン用の口座サイトに野田さんのパスワードなどを入力して不正にアクセスし、コインを自分の口座に移してだまし取ったとしている。コインは当時のレートで約３５万円相当だった」とあります

西田容疑者は野田さんがもっと多額のビットコインを所有しているのもと思い込み、犯行を計画したのでしょうが、思惑が外れてしまっています

仮想通貨なら足がつかないので犯行はバレない…など知恵の足りない頭で懸命に考え、中学時代の後輩まで巻き込んだ挙句、この結果です

動画サイトなどで、「簡単に儲けてリッチな暮らし」を披露する若者たちがいて、その影響でも受けたのでしょうか？

今回共犯として判決を受けた少年の弁護人は、「初犯で１８年の懲役」という刑の重さに不服であり、控訴するかもしれません。しかし、刑期の長さよりもその犯行の重さを、被告も弁護人も考えてもらいたいものです

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