東京五輪にサマータイム 提言の中身のなさ

サマータイム導入について、2度目の言及になります
2020年夏に開催される東京オリンピックのため、サマータイム導入の提案がされています。しかし、頭の古い政治家たちは、腕時計の針を2時間進めるだけでサマータイムが簡単に導入できる…と考えているようで、およそ中身のないスカスカの提案であると言わざるを得ません
その中身のない提案を語っているのが、遠藤利明元五輪担当大臣です


20年東京五輪大会組織委員会の会長代行も務める遠藤氏は、サマータイム(夏時間)の検討状況についても語った。「五輪のためだけにやるのではなく、低炭素社会、SDGs(持続可能な開発目標)というレガシーのために検討する」と主張した。ただ、EUでは夏時間廃止の検討もされており、動向を注視する。「EUでは廃止という意見だけでなく、1年を通して夏時間にする考え方もある」という。もし廃止になった場合は「日本だけ突出して世界と違うことをやるのは難しい」と語った。
夏時間を導入する場合、航空協定に申し入れる必要があり「実施前年の10月までにそれが必要。今年は間に合わないので、来年の通常国会(1月~)で決めないと五輪には間に合わない」と話した。五輪に間に合わなくても、夏時間にする法改正をする場合もあるという。
また、必要に応じて都営地下鉄などの公共交通機関を深夜営業する方法もあるとの考えを示した。夏時間を導入した場合、終電以降に試合が終了する競技が出る。また、夏時間を導入しない場合、暑さ対策でマラソンなどを午前7時開始からさらに早める可能性もあり、始発が動いていないと大会スタッフが会場にたどり着けないという問題があるためだ。
(日刊スポーツの記事から引用)


都営地下鉄を、オリンピック開催期間に限って深夜営業、早朝営業するだけならサマータイム導入の必要はありません
そもそもサマータイムを導入したら低炭素社会が実現するのかどうか、遠藤元大臣は何か根拠を有して発言しているのではなく、官僚の書いたペーパーを鵜呑みにしているだけなのでしょう
インタビューで語った内容のうち、半分程度しか記事に反映されていないとしても、サマータイム導入の必要性や、効果などまったく見えてきません
各種コンピューターのシステムをサマータイム導入のため改正するとしても、来年の8月の試験的導入には間に合わない、とIT業界が警鐘を鳴らしていることへの反応もなく、事態の深刻さがまるで分かっていない…と映ります
そもそもサマータイム導入は国民生活に大きな影響を与えるものですから、オリンピックの組織委員会レベルで検討する問題ではありません
上記の記事の省略した引用部分では、超党派の国会議員からなるスポーツ議員連盟内のプロジェクトチームが検討を進めているとあるものの、実際には各省庁の官僚を集めて、「サマータイム導入を検討し、法案の骨子を作れ」と丸投げしているのでしょう
単に、政治主導のふりをしているだけなのでは?
経済団体からは、「サマータイム導入にはコストがかかりすぎる」と反対の声が出ており、先行き不透明です
さて、何でも反対の野党はサマータイム導入に反対しないのでしょうか?

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