オウム真理教死刑執行をいまだに批判する人たち
オウム真理教の幹部ら13人の死刑囚が執行されたのですが、今でもこの死刑執行を批判する人たちがいて、東京都内で抗議集会が行われたと報じられています
死刑は執行をもって完結する刑罰ですから、刑が確定した以上これを執行するのは法治国家として当然です。死刑が確定しているにもかかわらず、これを執行せずに放置するのは「法の支配」の原則に反する行為であり、国民への背信行為です
しかし、オウム真理教の教団幹部へ異常な入れ込みを抱く人たちは死刑執行によって事件解明の機会が失われてしまった、と批判します
オウム真理教元幹部13人の死刑執行を受け、ジャーナリストや学者らでつくる「オウム事件真相究明の会」が24日、東京都内で執行に抗議する集会を開いた。「松本サリン事件」で被害を受け、妻の澄子さんを後遺症で亡くした河野義行さん(68)が出席。
今回執行された13人のうち4人と面会した経験を振り返り、「清らかな好青年だった。人は変わることができる。(執行は)本当に残念」と語った。
松本サリン事件は1994年6月に発生。オウム真理教の信者が、長野県松本市の裁判官官舎に近い住宅街に猛毒のサリンをまき、8人が死亡、約600人の重軽症者が出た。
第一通報者だった河野さんは当時、警察に事情聴取され、報道機関に「犯人視」された。河野さんは「被害者は、加害者を恨みながら心のバランスをとっている。執行されれば恨む対象もなくなってしまい、何の解決にもならない」と指摘した。被害者が抱える経済的な損失を補う制度が必要だとも語った。
(朝日新聞の記事から引用)
加えて、オウム真理教事件の弁護に関わっていた安田好弘弁護士の主張を参照していただきたいと思います。長文なのでウェッブのアドレスだけ貼っておきます
安田好弘弁護士が会見(全文1)政権批判の対抗措置としての死刑執行を危惧
安田弁護士の主張は死刑執行前の、外国特派員協会で行われた会見のものですが、その主張は現時点でも変わりはないのでしょう
東京拘置所に収監されていた麻原彰晃が心神喪失状態であったかどうか、議論しても仕方がありませんし、仮に拘留を停止して治療に切り替えたとしても回復と見なされる状態に至ったかどうかは不明です。死刑を免れるためなら、生きている限り詐病を演じた可能性もあるのですから
また、真相解明に関しては麻原自身が事件への言及を拒絶し、何も語らないと決心していたのですから、死刑を執行せずとも供述は得られなかった判断するしかありません
弁護士やジャーナリストが面会したらぺらぺら喋り出す、というものではないのです
ですから「麻原彰晃の死刑を執行せず、生かしていけば事件の真相が解明できたに違いない。死刑執行により、その可能性が失われた」との言い分は、ありえない仮定に依存した空想でしょう
未解決、未解明の部分があるのは事実としても、国民の税金をオウム真理教事件解明のために無制限に注ぎ込むべきだとは思えないのであり、死刑執行で区切りをつけるのは現実的な対応であると思います
事件の被害者、遺族の多くが教団幹部の死刑執行を肯定しているという事実も、軽視すべきではありません
もちろん、事件の真相解明を続けたいのであれば、寄付金を募ってでも継続すればよいのであり、その動きを批判したり咎める気はないと申し上げておきます
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