「オウム大量死刑は安倍のせい」と書くジャーナリスト
猛暑の続く中、皆さまの体調はいかがでしょうか?
自分は何とか生活できる状態ですが、ブログ更新は飛び飛びになっています
さて、先日のオウム真理教幹部の死刑執行について、さまざまな論評が飛び交っており、それらを取り上げようと思いつつ時間が経過してしまいました
本日はプレジデントオンラインに掲載されている、沙鴎 一歩の「新聞社説を読み比べる」の「オウム大量死刑を生んだ"安倍1強"の怖さ」を取り上げます
長文の記事なので引用は必要部分に留めます。関心のある方はプレジデントインラインで確認願います
オウム大量死刑を生んだ"安倍1強"の怖さ
(前略)
確かにオウム事件の衝撃性はとてつもなく強かった。だが、その衝撃性に気を取られることなく、私たちひとりひとりが冷静にオウム事件とは何だったかを自らに対して問い続けることが重要だと思う。
たとえばなぜ、高学歴の若者たちが本来の歩むべき道を外れてオウム真理教に加わり、他に類を見ない罪を犯したのか。これを解明する努力を怠ってはならない。死刑制度の是非は別として、死刑執行が幕引きではない。
前夜に上川法相と安倍首相が宴会で大はしゃぎ
天皇陛下の代替わりが来年に控え、平成の時代が終わろうとしているなか、法務省は皇族の結婚や東京五輪・パラリンピックといった大行事を念頭に、死刑の執行のタイミングを探っていた。
一連のオウム裁判が終結した今年1月以降、法務省は「平成に起きた大事件の犯人の執行は平成のうちに実行すべきだ」として死刑執行に向け、準備を本格化していった。
一斉に死刑を執行するには、死刑囚を全国の複数の拘置所に分散して収容する必要があった。ひとつの拘置所での死刑執行には数に限りがあったからだ。死刑囚を全国各地の拘置施設に分散的に移送し、さらには報復テロに備えた警備の体制を整備していった。
実際、上川陽子法相は死刑執行を公表した記者会見で「さまざまな時代の中のことも考えながら、そしてこれからのことも考えながら、判断した」と語っていた。
ここで沙鴎一歩が気がかりなのは、死刑執行を翌朝に控えた7月5日夜、9月の総裁選を盛り上げるための自民党議員らの宴会で、上川法相と安倍晋三首相が笑顔で料理とお酒を楽しんでいたことである。彼らの人間性を疑いたくなる。
「安倍1強」。強い政治権力を握ると、死刑囚とはいえ7人もの人間に対して一斉に死刑執行ができる。言い換えれば安倍1強が今回の一斉死刑を生んだわけである。背筋がゾッとする。
さていつものように各新聞社の社説を見ていこう。
読み応えのあったのは「根源の疑問解けぬまま」との見出しを掲げた7月7日付の朝日新聞の社説である。扱いは一本社説の他紙と違い半本なのだが、その中盤で「刑事裁判で解明できることには限りがある」と的を射た主張を展開している。
冒頭部分で「一連の事件では13人の死刑が確定した。今回その中の7人の執行を決めた理由や松本死刑囚の精神状態について、会見した上川陽子法相は『個々の執行の判断にかかわることは答えを差し控える』と繰り返すばかりだった。世界からも注目が集まる事件で、従来どおりの秘密主義を貫いたのは残念だった」と指摘する。
(中略)
朝日社説も「多くの国が死刑廃止に向かうなか、日本は世論の支持を理由に制度を存置している。だがその実態は国民に伝えられず、刑罰のあり方をさまざまな観点から議論する土台が形づくられているとは言いがたい」と解説し、「考えを見直し、できる限りの情報公開に努めるよう、改めて求める」と訴えている。
(後略)
「死刑の秘密主義はけしからん」と指摘するのは勝手ですが、死刑廃止を主張する朝日新聞が言いたいのは刑場から生中継して死刑を公開しろ…というものでしょう。死刑の残虐性を知れば、世論は死刑廃止に傾くと読んだ上での主張です
しかし、それは死刑を「見世物」にしてしまうだけで、死刑を巡る議論に資する結果にはなりません。情報公開という名目で、本質を蹴飛ばして「見世物」を供する愚行は誰のためにもなりません。テレビ中継するメディアがはしゃぐだけです
そして上記の記事で繰り返される主張が、「オウム真理教事件は解明されていない。それを解明する必要がある」との言い分です
しかし、誰が解明するべきか、と示されていません。「私たちひとりひとりが冷静にオウム事件とは何だったかを自らに対して問い続けることが重要」と冒頭にあるので、この国に生きるわたしたち全員の責務、なのでしょうか?
昨今流行りの第三者委員会を設置し、真相解明に当たるべきとも書かれていません
誰が解明するのか主語を欠いたまま、「解明する必要がある」と書くのが新聞社の社説の限界だ、と言いたくなります
新聞の読者、家庭の主婦、年金暮らしの老人、中学生や小学生までがオウム真理教事件の真実解明のため、日本中を駆け巡らなければならないのでしょうか?
別のメディアの論評では、インターネットの住民が探偵気取りで未解決事件について、あれこれ言及するのはけしからん、と指摘していました。事件を論評するのはジャーナリストの仕事であり、素人は口出しするな、との仰せです
片方では、「素人は口出しするな」と決めつけ、もう片方では「真相の解明が必要だ」と主張する。実に勝手なものです
オウム真理教事件発生以降、真相を解明できなかったメディアが、「オウム真理教事件は終わっていない」と叫ぶのはいかがなものか、と思ってしまいます
安部一強政治と、オウム真理教幹部の死刑執行がどう結び付くのか、何を言わんとしているのか不明です。野党が国会審議を拒否して、「オウム事件の真相解明を優先しろ。さもなくば死刑執行は後回しにしろ」などと強請る政治がまともとは思えません
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